購入価格 ¥108円
自転車乗りは困っていた。
甚く、困っていた。
遡ること数ヶ月前、雨上がりのよく晴れた日に、自転車乗りは下駄代わりのMTBに跨った。
「こっちもたまには乗ってやらないとな」
じゅわ゛わ゛
「ん? じゅわ゛・・・あふぅっ!!!!」
強い風をともなった雨に見舞われたサドルは、縫い目から中にたっぷりと水を吸っていた。
表面はすっかり乾いたように見えるのだが、座ると水が染み出してくる。
自転車乗りのジーパンは、微妙な部分にシミが出来ていた。
見た目だけでなく、当然気持ちが悪い。
仕方がないのでベランダの雨のあたらない所に放置して数ヶ月、ようやくサドルに座っても水が染み出してこなくなった頃には
「なにこれ、もう土に還んじゃね」
というくらいに安物のMTBはヤれていた。
それが自転車乗りのレストア魂に火をつけてしまったのだが、それはまた別のお話。
とりあえずまた日常の足に使おうと引っ張りだして一通りグリスアップ等も済ませたのだが、どうしていつもそう間が悪いのだか、人に断りもなく嵐が近づいていた。
雨のあたらない場所には既に三台もの自転車があり、MTBを停める場所にはどうしても雨が降り込んでくる。
自転車カバーなんて絶対に一日で吹っ飛んでいくし、出先で雨に降られた場合にはどうにもならない。
やむなく、自転車乗りはサドルカバーを探しに100均に足を運んだ。
『全長24センチまでのサドルに使えます』
唯一あった防水サドルカバーのパッケージにはそう書かれていた。
24cm・・・・・全然足りないじゃねえかよ・・・
何か他に代用出来るものはと店内をうろつき始めたが、ない。全くない。
自分で作るしかないかと諦めかけて合羽のコーナーを見ていた時に、自転車乗りの網膜にドカンと飛び込んできたものがあった。
ぶはは、靴底32センチってジャイアント馬場かよ、いやいやいや、そうじゃなくて、これ使えんじゃね
で、買ってみると、ふんふん
こんな感じか、ペラッペラなのを想像していたけれど、思ったよりも随分としっかりしている。
早速サドルに被せてみる。
おお、イケる。これはイケる。
大きさがほぼちょうど良くハマっているし、ゴムだけでも十分に大丈夫そうではあるけれど、それでも紐が付いているので、キュっ、てね、引っ張ってみたわけ。
おお、イカす。
結局こんな感じ、サドルカバーとして全然有りだわな。
他は水の染みこむ部分もありませんし、各部の注油は好きなのでどれだけ濡れても困りません。
私の用途ではサドルさえ守られれば十分に満足ですし、この大きさだと風の強い宮城でも飛ばされませんし、出先に持って行くことも、出先で装着することも非常に簡単です。
サドルカバーとして考えれば非常にしっかりとした作りですし、おまけに2個セットで108円です。
試してはいませんが、靴カバーとしても流用できる気がします。
価格評価→★★★★★
評 価→★★★★★(これ以上何を望む)
<オプション>
年 式→
カタログ重量→ g(実測重量 g)