購入価格 ¥4000ぐらい(サイズによる)
Rockshoxが採用しているスルーアクスル対応フレーム用の固定シャフト。135x12mmや142x12mmのフレームに適合し、Syntace X-12と並んで高い採用率を誇っている。
Maxleの固定方法は通常のクイックリリースと異なっており、レバーを締めるとフレームを通っている部分の径が広がり、レバーが回転して緩むのを防ぐ、というシステムとなっている。そのため、アクスル方向の締結力はレバーを手で回した力に依存する形となっている。ちなみに、ShimanoのE-Thruは通常のクイックリリースと同じくカムで押し付けて固定するタイプ。
バージョンは3種類あるらしく、写真奥の新品の方がV1、手前がV3で他にアクスルにバテッド加工してあるV2がある。V1とV3ではレバーの大きさや形状が変わっている。変更の理由については色々あると思われるが、V1が最も大きくしっかりしたレバーとなっている。
他にもエンド形状が変わっており、V3はレンチで回せるよう六角穴がある。そのためかV1に比べてレバーは小ぶりになっている。しかし、ツールフリーで着脱できることに意味があるMaxleを外すのに工具が必要では存在意義が失われるように感じる。
V3はMaxleの固定の肝となるレバーを倒した時の広がり方をレンチで調整する事ができるようになっている。初代はプリセットだったが、摩耗して穴が広がったフレームでは緩すぎたり、新品で穴がギリギリサイズのフレームでは固すぎたりと色々あった為だろう。私はレバーが倒せなくなるところから2ノッチ緩めた固さに設定しているが、V1はもう1ノッチ締めこんだV3と同じぐらいの固さで、結構固めになっている。
Maxle Liteは採用フレームが多くメジャーなのだが、私はあまり支持していない。海外のフォーラムなどで使用中に緩むという報告も多く、実際に私も緩んだことがある。Maxle Liteはレバーを倒したままレバーを時計回りに回転させると、レンチでヘッドの調整ボルトを締めこんだのと同じ効果があるが、逆回転させると当然緩める事もできる。これが原因で、落車後地面や障害物と擦ったMaxleが緩んでいる(正確には、固定システムが緩んでおり、アクスル自体は締まっている)という事もあった。この状態で乗れば恐らく振動で緩んでしまうのだが、落車直後の段階ではリアホイールはしっかり固定されているため気付きにくく危険だと感じた。また、アクスル方向は小さいレバーで手締めするだけで十分締結力が得られないケースがあるのか、ボルトをソケットで締めるタイプのものに交換したところ、明らかにリアの感触が変わった事がある。トレイルなどでの通常使用では緩んだことはないが、コースでのダウンヒルなど断続的に振動が加わると上記のように緩む事があるため、最近は用途によってアクスルを使い分けるようにした。
・まとめ
ツールフリーで後輪を外せるため車載や輪行では非常に便利なのだが、環境によっては緩むケースがある事を念頭に置いて使用した方が良いと思う。142x12の場合はDTやShimanoから別方式のアクスルが出ているので、適合するならそちらを買った方が良いだろう。ShimanoのE-ThruはFoxの15mmアクスルに採用されるなど実績もあるため、高価で少々信頼性に欠けるMaxle Liteよりもおすすめだ。
価格評価→★★☆☆☆(高い)
評 価→★★☆☆☆(軽くしないで良いので固定力を上げて欲しい)