購入価格 ¥4800 税抜 実質的にはもうちょっと安い
◆いきなりできあがり
まずは素のHooliganくん。これからリクセンのキャリアを付けたままセンタースタンドで自立させて、自作輪行袋に収納にする。
横から。サドルもハンドルも隠れている。キャリアにはなにも積んでないが、メットを積んでも問題なさそう。
ちなみにどうやって入れたかというと、一旦自転車を逆さにしてから袋を途中までかぶせ、それから自転車を戻して袋の口を上まで引き上げる、と。
左:後ろから。キャリアがあるようには見えない。
右:前から。ハンドルを90度切っているので、前輪の幅が。
上から覗くとこうなる。サドルはすっぽり隠れるが、ハンドル廻りはすこーし見える。
収納袋に入れたところ。右はポーラー20oz、左は今回参考にしたPandani輪行バッグ。ちなみにこれで実測263g。実は生地が薄いから更に二つ折りにでき、するとだいたいボトルと同じくらいの太さになってボトルケージに収納可能。
◆先にまとめ
市販品と同等のサイズ・機能で作るなら、色と生地デザインを選べるということ以外にメリットないので、安易に彼女や奥様の目をじっと見つめて「縫ってくれないかな?」というのは勧めない。ナイロンは縫いにくいので、ミシン初心者は難しい。
ググル先生に聞くと、薄い綿で作っている先達の記録も見るけども、輪行袋は基本地面に敷いて収納し、電車の床に置くものなので綿はどうかな...多少なりとも撥水性があったほうが、汚れにくくていいと思うのよね。汚れたら洗えばいいじゃんと思う紳士の皆様、綿は縮むのよ、ゆとりにもよるけど多分自転車が入らなくなる。洗うことを前提として綿で縫うなら一、二度水洗い→乾かすをして布を縮めさせてから裁断した方がいいと思う。面積が大きいので縮む分量が馬鹿に出来ない。
フレームを持つのではなく肩に背負いたい場合、もっと厚い生地を選ぶべし。これは袋自体に荷重がかかることについてはアウトオブ眼中。
私のニーズに合わせたこの輪行袋は、サイズがちとアレだけど、エマージェンシー用なら許してもらえないだろうか、駅員さま?
はい、身勝手なのは分ってるけどさ、だけどどうやっても帰らないと、という絶体絶命状態のときにだけ・空いている電車を待って前か後ろの車両に乗るからさ、許してください是非お願い。
◆なぜ、輪行袋?
街乗り・お買い物用にと買った、Cannondale Hooligan `Flat Bar` Road。先日、この子とお出かけした先で、雷伴うゲリラ豪雨に合い、二時間ほど足止めをくらってしまった。日もとっぷり暮れてしまい、諸処の事情で夜の雷雨の中、走らざるを得ず、道路も歩道まで冠水する中、大変悲惨な目に遭ってしまった。 ちょっと滑ってハンドルとられて落車しちゃったのよ....駅はすぐだったのに、Hooliganで輪行して電車に乗れたらよかったのに。仮定法過去完了。
それと嬉しい誤算。この子は想像していたよりもよく走る。というか、小径タイヤの自転車に乗って操る楽しさって、700cとはまるで別。もっともっと遠くに走ってみたい....となると、どんなときでも帰る手段は確保せねばなるまい。おうちに帰るまでが自転車。
ということで、もしものエマージェンシー用としてHooligan用の輪行袋を調達することにした。
◆なぜ、自作?
ググる先生によさげな輪行袋を探してもらうも、Hooliganは折り畳みではないので、前輪を外さないことにはサイズ的に収納できない模様。これは困った。CannondaleのMTBと言えばの「Lefty」フォーク、クイックリリースじゃない。前輪を外すには6ミリの六角レンチが必要で、しかも私の力では携帯用ツールの六角では間違いなくはずせない。ショップのおにいちゃんが普通のレンチでグイって力入れていたというのに、どうしろと?
じゃあ、前輪付けたままでどうだろう?ちょっと幅があるけど、OSTRICH 超速FIVE(レビュー投稿済)とたいして変わらない。早速、超速FIVEに入れてみる。お、イケ...なかった。前輪付けたままだとどうしても高さがある。サドルもハンドルも、ちょっと高さが足らなくて無理。
ここでPandani輪行バッグ(レビュー投稿済)もといカバーをマジマジと見る。これ、簡素な作りだよねぇ、ちゃちゃって生地切って、がぁーってミシンで縫って、ゴムをしゃーって通せば終わりだよね....自分で作れば、Pandaniのカバーのように「筒」じゃなくてホントに「袋」にもできるし、サイズも生地も自分で決めるわけで....ということで、気分は自作に向かうことに。
◆構造を決める
Pandaniのは、構造上、他の輪行袋と違う割り切りが随所にあって、それが長所になっていると思うので、一部拝借することに。インスパイアってやつ。
・口がゴムシャーリング。紐やファスナーじゃないのは、それだけ軽くなり、畳むときも省スペース。
・持ち運びは上の口から手を入れてフレームを直接握る。袋自体は荷重がかからないので、生地が丈夫である必要がない。薄くして軽く嵩張らないようにできるってこと。またショルダーストラップが不要なので、それだけ省スペース。
一方Pandaniのどうかと思うところは・ちょっと難しいところは手を加えることに。
・下が閉じておらず筒状なのは、袋じゃないから電車も汚すし規則と違うでしょ、と言われたらアウト。上の口はそのままでいいけど、下はやっぱり縫い合わせたほうがいい。
・タイヤは付けたままだから、ホイール袋はイラネ。
・できるだけ生地を使わないようにするために、実はPandaniのはパターンが複雑。生地を最小限にするためのパターンを起こすのは厳しい。っていうか、めんどくさいからパターン起こす気がそもそもない。ざっくり切るってゆとりを持たせる代わりに生地の嵩が増すのは仕方なす。
・収納袋が本体に縫い付けられているのは、カッコイイし便利なんだけど、それを縫うのはめんどくさいだろうな、明らかに。止め。
・生地の柄や色をおとなしく地味にし、謙虚な姿で電車内の要らぬ注目を浴びないよう努力したほうがいいかな、と。Hooligan用はちょっと大きくなりそうなので。
そして、Hooligan用に必要な構造を決める。
・前はハンドルを90度切る分、前輪の幅がでることに。ここは2枚の布を縫い合わせるだけではだめで、マチが必要。後ろはマチ不要。
・サドルもハンドルも覆うため、高さが必要。
ここから先は縫物を全くしない人には「?」が多いかも。縫う人は参考にしてね。
◆材料
・撥水加工ナイロンタフタ 120巾(@1200、メートルあたり) 3.5m
→傘の生地みたいなもの。女性や子供、ワンコのレインコートによく使われる。
今回はトラディショナルなチェック柄。無地だともっと安いけど、それじゃあ面白くないし、チェックは線が引いてあるということだから、実は縫いやすい。ナイロンはただでさえ滑るし。
3.5mは、ちょっと多いかと思って買ったけど、なんのなんの、足りないかと思った。いや足りなかったのかも。柄合わせを一部放棄したから。収納袋分までなんとかとれたけど、余りはA4一枚分にも満たない。
・フジックスファイン ミシン糸 200m巻 @200 1つ
→普通のシャッペスパンでもよかったんだけど、なんとなく。
・6mm巾 9m巻き ソフトゴム @400 1つ
→小学生の体操帽子の紐よりはもうちょっと太くてしっかりした感じ。9mも使う訳ないけど、このくらいのゴムは測り売りじゃないので。
◆作業時間
採寸→パターンも作らず、生地にチャコで線も引かずざくざく裁断→専用の押え金がないのでしつけ縫い→本縫い→縁かがり縫い(ほつれないように)→アイロンかけ→ゴム通し→収納袋縫い で 大体10時間ちょい、これを三日間に分けて。色々あってちょっと時間かかり過ぎ。ミシンの押え金も普通ならば、フットコントローラーを欲しい欲しいと思いつつ付けてなかったので両手が使いにくく、縫いにくいことこの上なし。
価格評価→★★☆☆☆(無地で撥水加工なしの生地なら半額近い)
評 価→★★★★★(市販にないサイズ・仕様で自分用の希望は満たしている)
<オプション>
年 式→2014
重量→ 263g
※次はロードバイク用エマージェンシーを作ろう。Pandaniもすごいんだけど、やっぱり両手がふさがるのは不便だと思うから。これより軽くコンパクトにできるはず。