購入価格 ¥5300
ドイツのプライヤーメーカー、Knipexの強力ニッパー。あまり価格差が無かったのでメッキ加工+滑り止めが付いた73 05を選んだ。
Knipexの強力ニッパーにカテゴライズされる製品はノーマルとX-CutとTwinforceがあるのだが、X-Cutはコンパクトさ重視のモデルとなる。強力ニッパーの切れ味に感動したが、普通のモデルを買うのは面白くないためX-Cutにした。さらにレバー比の高いTwinforceも良さそうだったが、開く角度が狭くワイヤーを切るのには向いていないと判断したため見送った。用途は主には自転車のワイヤー用で、Hozanやフジ矢のワイヤーカッターは持っているのだが、手が小さい私には使い勝手が悪く、切れ味もそこまで良くないため普通のニッパーを使う事にした。
X-Cutの特徴はこの構造で、スリットの開いたプレートの間にもう1枚のプレートを通して固定してあるため非常に剛性が高い。歯先のかみ合わせがずれにくい事で、薄く硬い対象物などもしっかりと切る事ができるらしい。
歯先はこのように滑り止め加工が施されている。開口角度が大きいため、滑り止めがあった方が太いケーブルなどは切断しやすいのだろう。ピボットは写真の通りオフセットされており、より切断部分に近くなるよう設計されている。これにより160mmといく短いサイズながら、ワンサイズ上の切断能力を実現しているそうだ。
試しに梱包用のPPバンドを何枚切れるか試してみたのがこちら。写真は8枚重ねた物を咥えているのだが、ここから握り込むと一気に切る事ができた。これ以上は開口部のサイズの関係で難しそうだが、フジヤの160mmのニッパーだと3枚が限界だったので、驚異的な切れ味と言えるだろう。他にも色々切ってみたが、1mm厚のステンレス板、被膜3mm・芯5mmのワイヤーロックも切断できた。
肝心のワイヤーの切れ味だが、インナーワイヤーはブレーキ・シフト共にタイラップ並みの感触で切断可能。一番力がいるシフトアウターは流石にしっかり握らないと切れないのだが、ちょっと切れ味の落ちたワイヤーカッター程度の力で切れるため1台組む程度の回数なら疲労は無い。Hozanのものだと結構な割合でライナーが潰れていたのだが、X-Cutはほつれや潰れは一切無かった。断面は少し楕円に変形するが、指先でつまんで整形できる程度なので問題ない。
・まとめ
最初は思ったより小さく買った事を後悔していたのだが、ニッパーはおろか200mmのペンチ(フジ矢)をも遥かに凌ぐ切断能力に感動した。その分価格も非常に高価ではあるが、これがあれば大きくて重いワイヤーカッターの出番はほぼなくなる他、色々日常生活でも使う事ができるので、工具好きなら持っておいて損はないと思う。
価格評価→★★☆☆☆(モノは確かだが、やっぱり高いものは高い)
評 価→★★★★☆(サイズを考えると上出来)
ちなみに、同社の180mmのパワーニッパーを借りて来て色々切ってみたが、切れ味はX-Cutの方が若干上だった。なので、180mm相当ではなく180mmを超える、と書いて良いレベルだと思う。工具に興味が無い人にも試してもらったが、やはりX-Cutの方が若干軽く切れるとの事だった。まあ、2000円ぐらい価格差があるので、普通は180mmのパワーニッパー買う方が賢いのだが。