購入価格 ¥735
「自転車はここを走る!」の2014年版らしい。
サイクリストの「孫子」と思えるほどである。
前著との違いは主に、2013年12月の「自転車の路側帯の右側通行禁止」施行を反映したもののようだ。
分かりやすい漫画もちょいちょい挟んであり、親しみやすい印象。
このぐらいの内容を把握してなくてサイクリスト気取りだった自分が恥ずかしい。
床屋、病院、ラーメン屋、待ち時間に立ち読みが可能な書籍を置いてある全ての箇所に設置をしても良いと思えるぐらい。
むしろこのぐらいの内容を昨今の若者は分かってないから平気で
信号無視したり逆走するんだな・・・
「自転車は車道では原付(一種)と同じルールで走る」なるほど!と思いました。
これが分かってれば自転車乗り全体でどれだけの改善が見込める事でしょう。
自転車先進国では自転車に乗れるかどうかの幼年期に親が子供に教えるのが常識みたいだけど、
キラキラネームやマイルドヤンキーなんて美化された用語が蔓延る世代の親には・・・
昨今の日本でそれを求めるのは難しいのかもしれません。
せめて、これからスポーツバイクを始める人には読んで欲しい。
家のトイレに置いてさりげなく家人にも布教(?)しましょう。
自転車でスポーツバイクに乗るということは、オートバイで言うと大型バイクに乗るようなもので、
大型バイクと行ったらオートバイ乗りの羨望の的であり、規範となるべき存在です。
そんな人が法規マナーを破っていたり歩行者を威嚇してたりしてたら・・・ガッカリとかいうレベルを
通り越して、ショックで涙腺が緩んでしまうかもしれません(ワールドカップブラジル代表の例じゃないですけど)。
スポーツバイク乗りなら、「速く走れないまでも"ちゃんと"したい、自動車歩行者とうまく共存したい」と思うようになりました。
これは皆全てがそうあるべきと感じます。
特に高度経済成長の象徴である"自動車"重視の道交法で突っ走ってきた日本では。
一部の人間が、「そんなの関係ねぇ!」と動けば、
オートバイでいったところの暴走族や原チャリ小僧みたいに
「オートバイ全体のイメージを悪くする」
という事に繋がります。
私はオートバイ乗りでもありますが、ノーマルマフラーでゆっくり走ってても、
子連れの親子などはオートバイが近づくと過剰に子供を守る仕草をします。
そういうのを見ると「あぁ・・・」と思うものです。
本著はアレンジして小学生中学生の授業で教えるレベルの教本にしても良いと思います。
私の幼少の記憶ですと自転車に関する法規マナーは全然教わったことがなく、
たまに警察主導のイベントでスタントマンが自動車とドカーン、っていうのがあったなぁ・・・ぐらいの記憶しかないです。
意図的にはインパクトで交通安全を狙ったものかもしれませんが、
あまりにもショックが大きすぎてそれしか印象に残らないという意味のないものでした
(スタントマンの仕事を奪うつもりで書いてるわけじゃないです)
通学に自転車が許されてない脳内お花畑の小学生の記憶に残る事なんかそんなもんです。
むしろ長時間体育座りさせられてケツ痛てーなーぐらいな思い出しか無いです。
・・・本レビューが未来の自転車先進国・日本に繋がるのであればどんどん宣伝したいです。
自転車の違反で摘発されたら強制的にこれを買わされる、ぐらいの罰則があっても良いと思うぐらいです。
難点を上げるならば重要である、
"自転車逆走の危険性"を全てのケースで具体的に記述してない事でしょうか。
自転車で逆走する人は、「自転車ならそうそう捕まること無いし具体的な理由も分からないし逆走ぐらいしたって問題ないだろう、
たまにピチパンローディに怒鳴れたりするけどなんなんだあれキメェ」
という人がほとんどだと思います。
これは2013年12月の「自転車の路側帯の右側通行禁止化」施行時にも報じてるメディアが少なく、
むしろ逆走不可だと近くのお店に超遠回りになっちゃうよねw、とか馬鹿げた事を長尺で報じたりする局もあり憤慨してました。
(近いなら押し歩けば良いだけ!)
私も理由付けが出来ない悪法には否定的(右左折終わるまで片手運転でハンドサインし続けるとか)ですが、
車道逆走は明確に危険性があるので己の為にもやめてもらいたいです。
日本では逆走してても車対自転車事故の保険の過失割合は自転車有利みたいな印象操作も逆走車の勘違い思想を助長してると思います。
グレーゾーンに関してはもっと突っ込んで欲しい(難しいか)、
ハンドサインに関してももっと詳細を!と思ったりもします。
「こうしたら改善する」の、現状の柵付き自転車レーンですが、
柵も段差も無くしたら路駐違反車両が元あった柵を越えて左端に来るだけじゃね?と思ったのは私だけではないはず。
こんなの事はだいたい分かってたんだぜ、という人も多いかもしれませんが、
あっ、ここはそうなんだ、と気付かされることもあるという事で
旧・関連書籍を購入した事ない人にはオススメできます。
価格評価→★★★★★
評 価→★★★★★