購入価格 ¥不明(2014年の場合、一般開放日は入場料10〜14ユーロ)
会場のメッセ幕…じゃなかった、メッセ・フリードリヒスハーフェン
毎年8月末頃にドイツ南部のフリードリヒスハーフェンで開催されるスポーツサイクルの一大見本市。公式URLは以下。
http://www.eurobike-show.de/eb-en/今年は8月27〜8月30日に開催され、一般開放日は30日(土曜日)のみ。私は昨年2013年にユーロバイクを見学する機会があったのでそれについてレビューします。
まず、このユーロバイクという見本市は台北サイクルショー同様、基本的にはB2Bの見本市であり、日本の「サイクルモード」のような一般消費者・自転車愛好者が自転車を眺めに行ってワイワイ楽しむという感じの催しではありません。基本的にはメーカーと輸入代理店の商談の場であり、最終日が一般開放日となってはいるものの、それ以外は「業界関係者」が入場者の大部分を占めていると思います。基本的にはビジネス目的で人が集うところで、会場では有名な日本の輸入代理店の社長さん達の姿もよく見かけました。
私は一般人ですが、ややイレギュラーな手続きでビジネス・デイに入場・見学しました。日本のスポーツサイクル事情について話を聞きたいという方々が親切に入場の手配をしてくれたので、入場自体は無料。旅券やホテル代は勿論自費(とあるメーカーのロードバイクは世界中で日本が二番目に大きいマーケットであるため、そのロードがたくさん売れるショップの方などは航空券から現地での送迎までの全てが用意されることがあるとかないとか。すごいですねぇ!)。
会場のフリードリヒスハーフェンは「ボーデン湖」の北側にあり、「ボーデン湖」はドイツ・スイス・オーストリアの国境にあります。私の場合、アクセスは成田〜スイス・チューリヒ空港、チューリヒ空港駅から電車でクロイツリンゲン(スイス領)方面の電車に乗り、同地のホテルに滞在。フリードリヒスハーフェンの会場への移動には、まずバスや電車でドイツのコンスタンツに移動し、そこから高速フェリーのカタマランに乗船しフリードリヒスハーフェン港へ。フェリー停泊場から徒歩数分の場所に無料送迎バスが出ています。バス乗車時間は確か10分とかそんな感じ。タクシーも勿論あり。自転車なら楽勝。
左からボーデン湖・高速船 Der Katamaran・フリードリヒスハーフェン港 - FUJIFILM X-E2, XF35mm F1.4Rで撮影
Eurobike 2013を見学した印象を簡単に言うと、「でかい。広い」。パビリオンと会場は合計で13個。そして、もう一度観に来るかと言われたら、「いや、別に行かなくてもいいかな(笑)」というものです。一日ではとても全部見られない、というか、そもそもそういう類のイベントではない印象です。会場内も会場の外もあまりに広すぎて色々なことをやっているのでとても全部については書けません。でかっ。広っ。東洋人少なっ。という感じです。
会場の様子。振り向けばそこには普通にレジェンド
サイクルファンとしては一生に一度来場する価値は、ないとは思いません。とにかく規模が大きく、日本のサイクルモードの何十倍もの広さ・台北サイクルショーの数倍の規模だったような印象はあります。しかし各メーカーの展示・ブースは台北サイクルショー及びサイクルモードのそれと基本的に大きく違っているところはありません。何か目新しい感じは特になし。
一生に一度だけユーロバイクを見てみたい、という方には、ついでに会場のフリードリヒスハーフェンが面する「ボーデン湖」を周遊するサイクリングを旅程に組込むことをおすすめします。ボーデン湖は老齢の方が身体を休めにやってくる保養地で、観光的にものすごく素晴らしい場所ではないと思いますが、湖は美しく、周囲のサイクリングロードはかなり充実していたように思います(私は走る機会がありませんでした)。
自転車は自前のものを持参したほうが良いと思います。スイス・チューリヒ空港からボーデン湖方面に向かう電車には自転車がラクに積めるスペースがあったので、飛行機輪行さえクリアしてしまえばあとは全てがスムーズに行きそうに見えました(高速船カタマランにも台数制限はあるものの自転車積載可)。
スイスの電車は自転車フレンドリーです
なお会場のあるフリードリヒスハーフェンはドイツなので、通貨は勿論ユーロ。私はスイス側のホテルに宿泊したので、スイスでのバス代等のためにスイスフランを若干用意しておく必要があり、結構面倒でした。可能であればボーデン湖のドイツ側(コンスタンツやメーアスブルグ等)のホテルを確保したほうがシンプルで良いはず(ただしホテル代は少し高くなる・早めの予約が必要)。また、フェリー等ではヨーロッパ系の特殊なクレジットカード以外は使えなかったので注意が必要。細かいところでキャッシュが必要。
そして英語があまり通じないものと思って行ったほうが良いです。ベルリンやフランクフルトのような都会ではそうでもないようですが、ボーデン湖周辺ではレストランでもドイツ語のメニューのみ、ということも珍しくなく、スイス側でも基本的にドイツ語。
ドイツ南部の保養地の湖の近くの、周囲に何もないところにある巨大な会場で開催される世界最大の自転車見本市。一サイクルファンとして、実際に訪れることができたのは本当にラッキーで、嬉しい体験ではありましたが、「ユーロバイクを見学することを主眼に置いて、夏に旅行の計画を立てたいのだが、どうでしょうか」と聞かれたら、積極的におすすめはしないかもしれません。ただ、前述のように、ドイツ南部(またはスイス北部)でのサイクリングを行程に組込むのであれば、話は違ってくるかもしれません。
Meersburgから撮影。サイクリングでこういう風景を眺める旅行をまず計画し、そのついでにユーロバイクも見てくる、という楽しみ方なら推奨できます(FUJIFILM X-E2, XF35mm F1.4R ISO200 F8 1/1700 -0.67EV, Velvia)
価格評価→★★☆☆☆ これだけを見るために数十万円をかけるのは微妙
評 価→★★★☆☆ B2B見本市ということもあり、評価云々ではないかも