購入価格 ¥3521
シマノ105の10速スプロケです。

9速時代からはアルテグラのスプロケを主に使ってきていますが、105はこれで2個目。材質や重量、精度、仕上げなど、他グレード品との仕様上の違いはそれなりにあるのでしょうが、精度や強度といった点で何か不満があるわけでもなく、1個目は無事に使い続けてきました。
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2個目のCS-5700は、これまで使っていたレシオ11-28から12-27に変更しています。
なお、装着先は雨天走行頻度が半端なく高い700Cフラット・バー自転車で、交換時の走行距離は13680km。まだまだ使えそう。アルテグラのスプロケよりも耐久性が劣る、という気配は感じられませんでした。
ところで、この自転車のクランク軸の左端が、な、何故か!? 1センチ角ほど欠けてしまい、クランクセットを交換する羽目になったことに伴い、 チェンリングの歯数を、これまでの46/34 から 46/36に交換しています。というか、この事件を機に、ついでにスプロケも買い置きしてあったものに交換した、というわけです。
結局、前後のギヤ歯数は、
46/34×11-28 から 46/36×12-27 へ
ということになります。なお、クランクはFSAからシマノ製に。。。
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この報告では、ギヤレシオについて書きます。
46/34×11-28 から 46/36×12-27 へ ・ ・ ・
んー、微差?
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図の見方。
横軸の数字はスプロケの段数で、1速から10速までを示します。トップ側を1速と表記しています。
図中、薄赤で塗りつぶした領域がアウターで使うスプロケ範囲で、1~8速まで。
薄青はインナーの範囲で2~10速を使います(もちろん、私の場合です)。
破線は旧スプロケでのレシオ、実線は交換後の新歯数でのレシオです。
赤線はアウターでのレシオ、青線はインナーでのレシオです。
図を眺めて、私の感想。
アウターとインナーでレシオのオーバラップが新旧ともに4段近くありますが、この程度あると、アウターとインナーの往来がまずまずのやりやすさ、と感じます。
インナーの2速で2.8前後のレシオを確保していますが、これでインナーでも平地をある程度の負荷で走ることが可能となります。700C自転車としては、使いやすく感じます。インナーのほうが駆動系のノイズが小さいので、その意味でも快適です。というわけで、インナーで2~3速あたりのレシオは新旧で大きく変化させたくなかったところです。今回、交換後のクランクの歯数は46T×36Tですが、この36Tが効いています。スプロケのトップを11Tから12Tへ変更していますが、この変化を36Tがちょうど補償しています。
ローエンドのレシオは1.214から1.333になりました。つまり9.8%だけ重くなったということになります。これは大雑把に言って、例えば勾配20%の激坂まで頑張れた人が18.2%で力尽きる、という程度の差です。そもそも私の場合、この自転車で長い激坂を上ることはなく、せいぜい短い15%程度の登坂までが範囲。変更前のローエンド34×28Tはこの自転車の用途を勘案すると少々軽すぎ、でした。変更後の36×27は納得できる値です。
余談ですが、28Tから27Tにしただけで、スプロケの見た目がずいぶんとスッキリしました。MTB以外でのデカいローギヤというのは、あまりカッコいいものではないですね(って、全くの私感ですが)。

上の図の見方。
一枚目と同じグラフです。
薄赤っぽいぼんやりした四角で示される領域、つまりアウター走行時のレシオ2.6から3.2の領域でのレシオのつながりが最重要です。もちろん、乗り手の常用出力と常用ケイデンスに依存して、最重要領域は変化するので、2.6から3.2というのは、私がこの自転車で走った場合の話です。
従来の11~28スプロケの場合、5速15Tのレシオ3.067から6速17Tの2.706に跳躍してしまい、最も必要な歯数がちょうど欠落しているという状況でした。
細かい話かというと、まあ、そうでもないんですよね。
10枚もギヤが並んでいてもど真ん中の肝心の1枚が不在となるだけで、結構キモチ悪いもんです。しかし、グルーピングされたカセット式スプロケは全く、本当に、融通が効きません。10枚もギヤがあるのになんだかなあ・・・という感じ。交換後の10速スプロケ12~27では5速目 (小さい黒5角形に白抜きでAと記したレシオ) に16Tを据えて2.875となりますが、これで事なきを得ました。本当にスッキリしました。
・ ・ ・ それはアウターが46Tなんていう歯数を選ぶのが悪いのでは?
そうでしょうか。
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レシオの決め方ですが、まずトップエンドとローエンドのレシオを決めなければなりません。
700Cロードであれば、アウター46Tにトップ12Tすなわち3.83、またはアウター50Tにトップ13Tすなわち3.85、というのが私のトップレシオのデフォルトであり、これは1988年以来、変わっていません。ローエンドはどうかと言えば、同じく700Cロードであれば、長い激坂が存在しないコース(今の通勤ルートがそれ)を走るロードの場合はインナー38Tにロー23Tすなわち1.65の時代が長かったのですが、10速化して25Tを追加して1.52がここ数年のデフォルトです。長い激坂登坂も走るロードの場合は、インナー34Tにロー25Tすなわち1.36がデフォルトとなっています。ちなみに最初のロードはインナー42Tにロー20Tで2.1でした(笑)。
では、フラットバーで1.1インチ幅700Cクリンチャ―タイヤの自転車ではどうするか?
トップエンドのレシオをロードより大きくする必要などありません。元々の完成車に付属していたのはアウター50Tとトップ11Tですが、このレシオ4.55はいくらなんでも私には巨大で、全く使い途がありません。こんなレシオを平然と回し切ったらそれこそ、並み居るロードバイク猛者たちを蹴散らしてしまうことになります。というわけでアウター50Tは一度も使わず、4年近く前の自転車購入時に即、Suginoの46Tに交換しています。46T×11Tでも巨大レシオ過ぎて、下りで回すほかに使い途がないので、やはりトップは12Tにしたいな、と思っていました。
ローエンドはどうか?完成車はインナー34Tにローギヤ28Tでレシオは1.21ですが、これは使わないことも無いが、無いと困るかというとそんなこともない、という感じ。というわけで10速スプロケとして12~27を選択した次第です。ちなみに、トップ12Tの場合は、自動的にCS-5700のローエンドは27Tになるのですが、これは28Tの方が適切であるように思われます。ローエンドは所詮、エキストラレシオという考え方ができると思います。重すぎるトップエンドに使い途がなくても、軽いローエンドは、「あれば使う」というものですから。それに実は、28Tのほうが使い勝手が良い、と感じると思います。シマノのギヤ歯数の並びは、グルーピングされた形式になった時点 (ずいぶん昔ですが) から、どうも腑に落ちないまま今に至っている、というのが偽らざる感想です。
昔のように、1枚ずつ歯数を選択できるのであれば、この自転車の10速スプロケ12-27は、
12/13/14/15/16/17/18/20/23/27
これがベストであると考えています。
しかしシマノのスプロケにこんな並びの歯数がラインアップされることは望むべくもない ・ ・ ・残念です。
次の図は
これまで使っていた
46/34×11/12/13/14/15/17/19/21/24/28
と、私が推奨する
46/36×12/13/14/15/16/17/18/20/23/27
の比較です。
後者を実線で示しますが、これを推奨する、というのは、あくまでも私が私に推奨する、というだけの話。
あなたはどちらが好みでしょうか??

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ところで、105の現行品はCS-5800ですが、次のオプションが存在します。
12/13/14/15/16/17/18/19/21/23/25
11/12/13/14/16/17/19/21/23/25/28
11/12/13/14/16/18/20/22/25/28/32
105クラスですでに13Tトップがない!
12~25だと山岳ロングランで少し足りないという人も?
11~28の11は本当に必要か?
11~32はつながりが悪すぎてロードでは使えない
う~む。なんというか、微妙に選びようがない・・・
もちろん、単なる私感ではありますが。
価格評価→★★★★★ (そうはいっても結局、品質は良さそう)
評 価→★★★★☆ (4★は5700。5800は歯数ラインアップがさらに劣化で3★)
年 式→2013 ?
以下、完全に余談 ・ ・ ・
ギヤレシオに関する論考としてはこういうのがあります。
https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=4436&forum=1057年前以上前のレビューですが、当時はシマノのPCD130mmロード用チェンリングに50Tすらなかったんですね。仕方がないので私はデュラの大昔の50Tを使っていました。9速時代にはギリギリOKの選択でした。スプロケのトップは13T。
盛り上がりを見せるシクロクロスの影響や、Suginoの頑張りもあって、今ではあのシマノでさえ、PCD110mmではありますが、アウター46Tなどという歯数のクランクセットをラインアップしています。結構なことですが、PCD110mmならば、アウター42T程度まで揃えていただきたいですね。80年代にはSuiginoが純然たるロード用としてPCD130mmの46Tを出していました。一方のシマノは48Tまで出していたと思いますが、それは単なる昔話で、ロード用チェンリングでシマノが50Tすらラインアップしないという不可解な時代が長く続きました。ひどい話があるものだなあ~、と、半ば呆れていましたが、しかしそれもPCD110mmが現れてようやく終わりを告げました。53Tとか54Tで11Tを踏み倒すことが可能な大出力の競技者だけがロードに乗っているわけではない、という当たり前の状況に対応できるようになった、というわけです。喜ばしいことです。
まあしかし、もう少し柔軟な歯数構成を簡単に実現できるようにしていただきたいものです。