購入価格 リム0円(手持ちのものを使用したので)+ハブ2745円+スポーク480円(一部手持ちのものを使用したので)
できるだけ反フリー側のスポークテンションがフリー側に近いリアホイールを組みたいと思い、タイトルの部品構成でディスクブレーキ用700Cホイールを組みました。
リムはリムサイドに貼ったデカールに「RIGIDA」「DPX」と書いてあるのでリジダの「DPX」というモデルだと思いますが詳細はわかりません。
たまたま手持ちのリムのなかにあったので使いましたが、当レビューはホイールレビューというよりも組み方のレビューといったものですのでどういう銘柄の部品を使っているかは特に重要ではありません。
ハブ、リムともに32hでスポーク数は24で組んであります。フリー側のスポークが16本で反フリー側のスポークが8本のいわゆる2:1組みです。張りの弱いほうのスポーク数を減らしてスポーク一本当りの負荷を増やそうという狙いです。2:1組みというと片面はタンジェント組み、片面はラジアル組みというのが一般的ですが、このホイールはディスクブレーキでの使用を前提としているのでたとえ片面だけとはいえラジアルは避けたかったので反フリー側もタンジェント組みにしました。
スポークパターンはフリー側は普通にスポーク数32で六本組みする場合と同じです。反フリー側はフリー側の二本の交差するスポークをまたぐように交差しており、それが90度ごとに四ヶ所に配置されています。
当レビューの組み方にするか、フリー側の交差するスポークの間に反フリー側のスポークが一本ずつ入るような組み方にするか迷ったのですが、バランスや振れ取りのしやすさ(しにくさ?)など機能的な面での差は無いと判断し、両方仮組みしてみて見た目的に好みだったこちらを選択しました。
普通、フリー側と反フリー側の交差するスポークはスポーク穴一つ分づつずれているものですが、このホイールでは位置は同じで交差する角度だけが違うという意匠的にちょっと面白い構造になっています。
反フリー側のスポークはフリー側のスポークをまたいで交差している関係でフリー側より交差する角度が大きくなっています。これが某ラボさんのブログでおなじみの「左右異本組み」と同様の効果をもたらし、反フリー側のスポークテンションアップに寄与するものと思われます。
反フリー側は七本組になっています。当初、左右で組数を変えるつもりは無かったのですが実際に組んでみて六本組みだと交差する二本のスポークの長さが同じにならず、同じにするには五本組か、七本組にする必要があると分かったため、更なるスポークテンションのアップを目指して七本組にしました。
こんな組み方ですがリムの穴振りどうりに組めます、その点は良いと思います。
このスポークパターンだと振れ取りがさぞかし大変だろうと思ったのですが実際に組んでみるとそうでもありませんでした。ですがそれは私がホイールの精度にあまりこだわらないということと、リムが500g以上ある重くて頑丈なものだったからかもしれません。
肝心のスポークテンションですがパークツールのスポークテンションメーター「TM-1」で計測したところ(ポインタが目盛りと目盛りの間を指した場合は近いほうの数値を採用)、フリー側は16本の平均値が20.75(約99Kgf)、最高値が23(124Kgf)。反フリー側は8本の平均値が22.25(約111Kgf)最高テンションが23(124Kgf)、という結果になりました。(もちろんテンションをもっと上げることは可能です)
反フリー側のスポークテンションがフリー側に近いどころか少し高くなりました。ですが反フリー側のスポーク数をフリー側の半分にして、交差する角度もこれだけ大きくしているにもかかわらずこの程度しか高くならないのはある意味意外でした。オチョコがスポークテンションに及ぼす影響の大きさを改めて実感した次第です。
この組み方に興味のある方がおられるかもしれないのでフランジ付近の写真をアップします。ですがこの組み方は非常にイレギュラーなものであり、十分に安全性が確認されているとは言えません。自分もやってみようという方は自己責任にてお願いします。
スポーク長はフリー側が286mm、反フリー側が295mmです。棒が刺さっている所がバルブ穴です。
ローター側(反フリー側)
反ローター側(フリー側)
実際にこのホイールで走ってみたところ、特に問題なく使用できました(使用条件は舗装路をディスクブレーキで使用。自転車、ライダー、携行品等合わせた総重量は約85kg、脚質:貧)。使用感としては反フリー側のスポークにもきっちりテンションが掛かってちゃんと仕事をしているためか進みの良い、走りの軽いホイールのような気がしましたが気のせいかもしれません。
100km位走って、振れをチェックしましたが初期振れ程度の軽微な振れはありましたが大きな振れはありませんでした。
このホイールにおける不安要素として「反フリー側のスポークが切れた場合、非常に大きな振れが出るのではないか?」ということがあります。そこで一本の反フリー側のスポークのニップルを完全に緩めて、そのスポークが切れた状態を再現してみて振れがどれだけ出るかを見てみると、やはり1cmくらいの振れがでました。リムブレーキですと走行不能になるレベルです。
一応、フリー側と反フリー側のスポークテンションがほぼ同じリアホイールができましたが左右でスポーク数を変えるという反則技を使ってますし、「不均等なスポークの配置により精密な振れ取りが困難」、「反フリー側スポークの首飛びリスクの増大」、「スポーク破断時の大きな振れ」などの不安要素もかかえていますので、この組み方が良い組み方かどうかというのは非常に疑問が残るところですが一応ご参考まで。
価格評価→★★★★★
評 価→★★★★★
<オプション>
実測重量 991g(クイック、リムフラップ無し)