購入価格: 完成車付属品
標準価格: ¥5,000前後
『低価格の完成車に付属するクランクの実力はおそらくこの程度。精度が低くチェーンの張りが不均一。強い踏み込みには向かない』
■低価格の完成車に付属するLASCOのクランク
このクランクセットは、GIANT FIXER Rに付属していたものだ。ピストバイクやシングルスピード用のクランクセットで、多くの低価格な完成車に採用されているだけでなく、クランクセット単体で購入することもできる。クランクの裏にはCF12という刻印があり、色違いの同じクランク、歯数やカラーやデザインの違うチェーンリングが組み合わされ、色々な商品名で販売されているようだ。
私の購入したFIXER R マルチカラーには、色はブラック、クランク長が165mm、P.C.D 130、44Tの厚歯のチェーンリングのものが付いていた。同じ年に出たブラックのFIXERにはピンク色のクランクが付属していた。
クランク単体で見ると光沢があって意外にきれいだが、自転車に取り付け多状態ではかなり安っぽく感じる。厚歯のチェーンリングのブラックは梨地で更にチープ感がある。材質はアルミ製で、クランクの裏側に肉抜き加工等はされていない。
Lasco Track and Singlespeed Chainset。チェーンリングをSUGINO 130Jの48Tに変更して納車した。
左はSRAM S300 1.1 Chainsetの薄歯のチェーンリング、左が取り外したLASCOのチェーンリング。
■チェーンの張りの不均一、踏み込みでの剛性不足や異音
前述の通りチェーンリングは交換したので、クランクの使用感についての話になる。このクランクは精度が低く、チェーンの張りが不均一になる。おそらくクランクボルト取り付け部の円がいびつで、チェーンの張りが強い部分と弱い部分が出てしまうのだと思う。チェーンの張りを調整するのに時間がかかるだけでなく、走行中は滑らかな回転を妨げられて不快だ。チェーンの張りを強めにすると特にその傾向が強い。
そして、購入直後は高いギア比を好んでいたこともあり、強い踏み込みのときには少々物足りなさを感じた。クランク自体の剛性不足なのか、BBとの勘合部に広がりがあるのかは分からないが、踏み込みに対してもっさりした感じになるのが面白くない。坂道をダンシングで登るときにはギシギシとした異音が出ることもあった。
FIXER純正のクランクでは早い段階から不満が生じた。
■他のクランクに交換して不満は解消
のんびりとサイクリングを楽しむならこのクランクでもかまわないと思うが、強く踏み込んだりスピードを出したりすると不満が出る。半年くらい経ってからSRAM S300 1.1 Chainsetに交換してから、チェーンの張りの不均一や踏み込みでの物足りなさは解消し、走りが劇的に面白くなった。
SRAMのチェーンリングは薄歯だったので、厚歯のSUGINO 130Jを移植した。このクランクから分かったことは、精度の良いチェーンリングでも、精度の悪いクランクに取り付けると良さを活かしきれないということだった。
クランク交換の効果は非常に高い。
■現在のクランクの良さを知るための基準にはなった
色によってはカラーコーディネートしやすいが、購入してまで使うことはないと感じた。それでも、このクランクについて投稿したのは、GIANT FIXERの価格帯のクランクの程度と交換後の快適さについて述べたかったからだ。
ピストバイク(シングルスピード)は、クランクセット、チェーン、コグのカスタムをすると、大きな変化を味わえて面白い。このクランクは現在のクランクの良さを知るための基準になってくれたと思う。
GIANTのカタログには、FIXERは「上級者のカスタムベースとしても根強い人気」とある。
このクランクなら上級者じゃなくても交換したくなるかも…
価格評価→★★★☆☆ (安く買えるが、買ってまで使いたくはない)
評 価→★☆☆☆☆ (チェーンの張りの不均一、踏み込み出の物足りなさ、外見の安っぽさ)
<オプション>
年 式→不明
カタログ重量→607g