購入価格: 完成車付属品
標準価格: 不明 ※後継品は¥2,480程度
『街乗りや通勤・通学に適したベル一体型ブレーキレバー。ノッカーにすぐ指が届くのは良いが、性能面では残念』
■Tektroのベル一体型ブレーキレバー
Tektro CL353-RSはVブレーキ対応のブレーキレバーで、左レバーがベルと一体型になっているのが最大の特徴だ。シマノのラピッドファイアーやレボシフター等のMTB用のシフターと組み合わせて使う。レバーの長さは3フィンガーくらいあり、フロント側にはブレーキ力の立ち上がりを緩和するためのパワーモジュレーターが組み合わされている。
このブレーキレバーはGIANT SUITTO2に搭載されていたもので、ESCAPE等のGIANTの他のクロスバイクにも付いている。ベル一体型のブレーキレバーを初めて見たときは画期的で驚かされた。ちょっと興味があるブレーキレバーだったが、SUITTO2の購入で試す機会を得た。
Tektro CL353-RS。左レバーがベル一体型。
■遊びが大きくグニャリとした感触
さて、このブレーキレバーの実力だが、TektroのVブレーキとの組み合わせでは、リアもフロントもグニャリとした握り心地だ。軽快車のブレーキレバーを握ったときに近いものを感じる。グニャリとしたままブレーキシューがリムに当たるので、ざっくりとしたスピードコントロールしかできず、あまりスポーティーな感じがしない。
GIANT SEEK R3はシマノのシフト/ブレーキ一体型レバーとTektroのVブレーキの組み合わせだった。TektroのVブレーキでも品番が違うとはいえ、ここまでグニャリとした感じではなかった。グニャリとした感覚は、Vブレーキだけでなく、ブレーキレバー側にも原因があると思う。
TektroのVブレーキとの組み合わせはグニャリとした握り心地。
■分かりにくいリーチアジャストの位置
私は手が小さいので、このブレーキレバーのレバーの位置がちょっと遠いと感じていた。リーチアジャストがなくて不便だと思っていたのだが、しばらくしてリーチアジャストは、レバー基部の近くの小さな穴だと分かった。この穴に2mmアーレンキーを入れ、イモネジを締めればレバーの位置が近くなる。
リーチアジャスト。調整には2mmのアーレンキーが必要。
■ベルは鳴らしやすい位置にある
このブレーキレバーの売りである一体型のベルは使いやすくて便利だ。ブレーキレバーから人差し指をのばせば、すぐにベルのノッカーに手が届く。素早くベルを鳴らせるので、万が一のときにも安心だ。ベルの音色や音量は、スポーツタイプの小さなベルと同じような感じで不足はない。
2年以上経っているが、ノッカーの樹脂が劣化したり切れたりはしていない。この部分はスモールパーツとしてショップに注文することもできるようだ。
ベルのノッカーはすぐに指が届く位置にある。
■一体型ベルは良いアイデアだが、交換したくなるほどではない
CL353-RSはブレーキレバーとベルを一体型にすることによって、ハンドル周りをすっきりさせることを狙っている。実際に使ってみると、即座に人差し指がかけられるのが最大の長所だと感じた。これは通勤・通学の混雑時にはとても役に立つと思う。グニャリとした感触で遊びの多いレバーでも、一応しっかりと減速できるし止まれる。快適に通勤・通学をするには十分な性能だと感じた。
現在はこのブレーキレバーの後継品が単品で購入できるが、このレベルのブレーキレバーに交換するのは、性能と価格の面であまりおすすめできない。おそらくシマノの方が安く同等かそれ以上の性能のブレーキレバーを買えるはずだ。ベル一体型のブレーキレバーに思い入れやこだわりがあるなら別だが、シマノのブレーキレバー+普通のベルの方が満足感は高いと思う。
同じくらいの値段でシマノのブレーキレバーが手に入る。
価格評価→★★☆☆☆ (後継品は思ったよりも値段が高い)
評 価→★★★☆☆ (一体型ベルは良いアイデア。街乗り、通勤・通学では十分な性能だが、スポーティーな走行には不向き)
<オプション>
年 式→不明
カタログ重量→不明