購入価格€20 (@ Bike24、送料別)
(一緒に写っているボルト、ステムキャップは付属しません)
Extralite、Carbon-Ti、ENVE Compositesなどからも似たような臼型エキスパンダーが出ていますが、そのなかでもMcfkのものが一番シンプルで軽量です。実測はエキスパンダー単体で13g。最軽量はExtraliteの<10g(公称8.5g)ですが、フォークコラム内壁に圧着するウェッジをバッサリ平面に削り落として軽量化してあるので、ローレット加工されたMcfkのウェッジほどの固定力は発揮できないはずです。ENVEのものはこちらと比べ30%程度圧着面積が大きく、中の連結ボルトにもスチール製を用いるなど耐久性や強度を上げる工夫が見られますが当然重くなっており(キャップ・ボルト抜きでの実測34g)、Carbon-TiのものはMcfkと同じような構造・デザインでウェッジの面積がやや広めに取られていて、おそらくライトXC位まで使えることを目指したものだと思われます。重量と圧着力のバランスを考慮して、ロード用としてはこのMcfkのものが一番バランスが良いように思えたので採用しました。
メカニズムは至極単純。上下に向き合ったすり鉢状のアルミピースがM10サイズのイモネジで連結されていて、これをフォークコラム内につっこんでイモネジを締めこむとアルミピースが拡がり、すり鉢の外側に備わったウェッジをコラム内壁に向けて押し広げつつ圧着させる仕組みです。ウェッジはアルミピースにラバーリングで仮止めしてあるだけなので、ある程度コラム内径にあわせて拡げてからコラムの中へ入れないと空転するばかりで一向に圧着できません。ちょっと装着にコツは必要ですが、一旦ウェッジがコラムをつかめばなかなか頼もしい固定力を発揮してくれます。イモネジの指定締め付けトルクは7.5Nmと結構高く、カーボン・アルミ・スチールなどフォークコラム素材を問わず使用可能です。ENVEのものと比べると約半分の重量ではありますが、装着がやや面倒なことに目を瞑れば肝心の固定力はロード用には十分以上だと感じました(アンカーボルトを3Nm近くで締めこんでもズレませんでした)。ステムキャップ引き上げボルトの最大締付トルクは5Nm、ここはもちろんキャップ自体の強度に依存しますが、ロード用途なら問題なくプリロードを出して使えるでしょう。
これまではTuneのGumGumを愛用してきたのですが、シリコンゴムの劣化と変形によって固定力が徐々に落ちてくるのが気になっていました。ロードならヘッドセットのプリロードをセットしてステムをクランプしてしまえば外してしまっても特に困ることはないパーツではありますが、何年か使っていると肝心のプリロードが出しにくくなってしまう。このMcfkのようなウェッジタイプなら経年劣化とはほぼ無縁ですし、重量差も無視できるレベルなので、こちらに切り替えて良かったと思います。重さが気にならないのならばENVE製のもの(単品でも入手可能、価格はMcfkと似たようなもの)を使うと装着の若干の煩わしさからも解放されるので、そちらのほうがいいかもしれません。
価格評価→★★★★☆ (性能を考えれば高くないと思います)
評 価→★★★★★ (装着が少し面倒ですが、性能は最高)
カタログ重量13g (実測13g、アンカーボルト・キャップは含まず)