購入価格 AU$35.00 (@ eBay、送料込)
もう半年以上前に買ったのですが一向にパンクしなかったので出番が無く、ツール缶に入れっぱなしでした。するときゃ連発するのに、しないときは1年でもしないのがパンクというもの。次にパンクするのはいつのことやら、待っててもしょうがないので引っ張り出し無理やり使用してみたのでレビューします。
さて、こじゃれた小物のデザインが得意なPortland Design Works(PDW)が作るアルミ合金削出しのCO2インフレーター。実測28gとそこそこ軽量(この手の製品としてメジャーなBarbieri JETSETは40g近かった)でミニマルな造りながら、レギュレーターが装備されておりCO2の吐出量が調整できるのが特徴。パッケージにはこのレギュレーター付ヘッド本体とCO2カートリッジ用の本革製スリーブ、16gのCO2カートリッジ1個が付属します。
評判を聞きつけて欲しいなと思ってはいたのですが、空輸が規制されているCO2カートリッジが付属しているのがネックになって手に入れられずにいました。最近ではCO2カートリッジも旅客手荷物なら持ち込めるようになりつつあるそうですが、郵便物としてはまだ規制対象になったままのようでどこも海外発送してくれませんでした。そこでeBayで出品者を探し出してお願いし、CO2カートリッジだけ外してもらい輸入しました。なおPDWはインポーターがいるようですがやはり輸入はしていないようでした。
レギュレーターと言っても背面のつまみを絞って吐出量を調整できるだけで圧までは分からないのですが、出先では貴重なボンベの無駄遣いを予防できるのでありがたい機能でしょう。バルブはフレンチと米式対応(ねじ込み式の口金を開けてパッキンゴムを反転させる切り替え方式)。丁寧に縫い上げられたレザー製のスリーブも気が利いています。
使用感はとても良いです。多くのCO2インフレーターはスプリングで押さえられたヘッド内の弁が、バルブステムに押し付けられると開いてCO2を噴出する構造になっていますが、使いさしをツール缶やサドルバッグの中などに入れっぱなしにしておくと衝撃を受け続けるのがいけないのか、いざ使おうと取り出すと空になっていて使い物にならなくなっていることがあります。まあ使用前にねじ込むようにしておけばいいことなのですが・・・冒頭に書いたようにこのインフレーターはツール缶に入れっぱなしだったわけですが、実はカートリッジも装着済みの状態でずっと衝撃を受け続けていたにも関わらず(一応スペアチューブに包んではいましたが)、カートリッジはちゃんと中身が残っていました。弁の開閉にスプリングではなくネジを使っているのが効果的なのか、衝撃への耐性はかなり高いようです。大きさはツマミがある分やや縦長になっている程度で、コンパクトな部類でしょう。バルブは横向きについているので、少々縦長でも実際の使用時に邪魔に感じることはありません。
ベジタブルタンニンで染められたレザースリーブはきちんと霜やけ防止の役割を果たしてくれます。縫製は丁寧だったのですがオイルがカッサカサに乾上がっていたため、ダビンを少し塗り込んでおきました。風合いは若干変わってしまいましたが、これはこれで使い込んだ野球グローブのような渋みがあっていいかなと思います。ほとんどヌメ革に近い色なので靴墨を使えば好みの色に染めることもできそうです。
このように質感も性能もとても良いものです。ネックは入手性の悪さとやや高めの価格でしょうか。それなりにコストがかかっているものですが、邦貨換算¥3,000超えというのはもはや携帯ポンプ並の価格ですし・・・もう一声安かったら買い増ししたいところです。
価格評価→★★☆☆☆ (やや高いですね)
評 価→★★★★★ (出来はとても良い)
年 式→2013
カタログ重量→ 16g CO2カートリッジ込みで80g (実測重量=ヘッド28g+スリーブ6g+CO2 57g=95g)