dhb PhotoChromatic Full Frame Sunglasses

購入価格　￥0（モニター品）

今回縁あって、表題の品をレビューする機会を得た。サイトのマスター氏、それからwiggleに感謝したい。

まずは非・自転車面からレビューしてみたい。まずは品物の外観と、レンズ性能などのスペック面を中心に取り上げていく。商品は受け取ったものの、諸事情でスポーツバイクに乗れていないので、自転車での使用感はセカンドレビューの宿題とさせてください。

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ごく基本的な検品はマスター氏が済ませてくれていたのだろうか、一旦開封されたwiggleのダンボールの中に入っていたのはケースに入ったサングラス。フレームと、左テンプル（先に折りたたまれる方)にポリ袋がかぶせてある簡素な包装だったが、まったく問題は無かった。
ソフトケースなので、旅行で荷物を詰め込むときなどには、フレームに直に負荷がかかってしまうと思う。そういう場合は、別途しっかりしたハードケースを調達した方が良さそうだ。


商品外観。シンプルなマットブラックのフレームは、わりと幅広いシチュエーションで使えると思った。
フレーム素材はABS樹脂だろうか、やや弾力があるが硬質な感じ。かけてみるとほんの少しこめかみに当たる感じがしたが、2時間程度連続してかけていたところで痛みが出たりすることはなく、定位置を保つ上では好都合だったかもしれない。柔軟性があるのはノーズパッドの部分だが、これもゴム製というだけで、自分の好きな形状に調整できるわけではない。あくまで当たりを弱め、滑り止めになるだけ。でも当たりはそれなりにやさしく、ある程度かけ方を調整しつつ使うことができそうだ。



使用上まったく問題はないが、左テンプルに白いシミのようなものが。軽く擦ってみても落ちないようだ。仕上げの美しさという面では今ひとつである。

品物はこれだけ。レンズ拭きとか、インストラクションのようなものは付属していなかった。wiggleの当該ページでは、レンズ拭きつき、となっているのだけど。
レンズのスペックシートが欲しかったが、これは別途wiggleへ問い合わせてみることにしよう。「フィルターカテゴリが 3 の調光レンズ」ということで、解る人には解るのか？？RudyProjectだったかOakleyだったかも、0から4のカテゴライズをしているので、それに準ずるものだろうか？？（※）
写真に撮っていなかったが、右テンプルにCEの文字が入っている。ヨーロッパ規格適合品の証で、確か99%以上のUVカット率でないと規格適合しなかったはず。とりあえず保護具としての品質は満たしている。

ミラー仕上げがしてあり、最初から色もついている。可視光透過率は高くみて50%くらいの感じだろうか。夜間には使用不可、トンネル内など薄暗いところでも厳しいかもしれない。

以下、調光度合いの検証。向かって左側、つまり右目のレンズに革の手袋をかけて遮光して、数分間野外で「感光」させてから撮影している。上は比較の、RudyProjectのImpactX調光クリアレンズ（可視光透過率18～78%：フィルターカテゴリ１～３）。使用4年目に入っており、多少ヘタっている。テスト時の気温は10度前後である。調光レンズの色素には悪くないコンディションのはずだ。

まずは曇天時。

あまり変色していない。


それから、晴天時。

ミラー仕上げに邪魔され、写真ではあまり代わり映えが無い。
Rudyの、向かって左のレンズがやや着色しているのは、撮影にちょっと手間取ったせいであるw
Rudyの着色度合いのレンジの広さが目立つ。上の写真と比較しても解ると思うが、天候によってもかなり違ってくる。


単体でもう一度やってみた。向かって左側のレンズの色が薄い（発色前)のがわかるだろうか？


裏側、目の側から見上げて撮るとこんな感じ。右目のレンズが発色途中で明るい。これは多少変色し始めてしまっている状態なので、実際にはもうすこしコントラストがあった。

やはりダイナミックレンジはそれほど広くない印象。可視光透過率30～60%という感じだろうか、一世代前の素材という感じがする。色調の変化速度は、比較相手のRudyProjectの調光レンズと遜色がない、ただ変化量が少ないだけである。変化を実感するのに約1分、変色しきるのと褪色しきるのに、5分程度要する。

総じて、やはり価格なりといったところ。フレームもごくシンプルなもので調整の余地はないし、調光レンズも大手メーカーの上級品と比べるとかなり見劣りする。今回比較した製品は、現在wiggleでの取扱いはない。かつて扱っていたころの円高価格から推定して、1万円台後半の製品となる（国内では2.5万円。ワタシの過去レビューも参照されたい)。4倍近い価格差は、質感や性能の面で、やはりあると言わざるを得ないが、ミラーコートなどで差を埋めようという心意気を買いたい。
そもそも、夜から晴天のスキー場までを一本でまかなおうというのがずいぶんワガママな話で（Rudyは良くやってくれていますが）、休日昼間のライド、曇天から晴天までをカバーするにはこれでも十分かなという感じはある。そういう意味では、予感していたとおりライト層向けには満足できる商品ではないかと思う。


おまけ。

「幅広いシチュエーションで使えると思った」が、やっぱりイカツイ感じはするよなあ。

とりあえずの評価
価格　★★★★★（この価格で、しっかりしたサングラス）
評価　★★★☆☆（質感、性能は物足りない）

（※）追記：サングラスのフィルターカテゴリについて。以下のページが参考になった（ページ中ほど「カテゴリー」のところ）
http://meganeshop.com/arekore/arekore8.html
海外ブランドもこの基準と共通なのかどうか分かりかねるが、Rudyの示しているカテゴリーとは整合している。これに照らすと、可視光透過率18～8%の間で変化していることになる。褪色した時はもう少し明るい気がするが・・・

モニター製品提供：Wiggle 　製品ページ：http://tidd.ly/859706e3

その後、ロードバイクライドでも使った。使ったのは晴天～うす曇りくらいのつごう2日間。
そういえば、こういうボリュームのあるフレームのアイウェアを本格的に使うのははじめてである。

・テンプルの締め付けがややキツい
これは頭囲にもよるので何とも言い難いが、若干自分にはキツい（当方、頭囲は56cm。幅はこめかみ当たりで18cmくらい。
てきとうに測ってみた）。テンプルに柔軟性がないので、気にならないように調整するのも難しい。
帽子の上からかけるようなかたちだと、当たりは柔らかくなるが圧はより強くなるし、困ったところ。
長時間かけっぱなしで頭痛がしてくるかどうかの瀬戸際くらいの感じがした。

・おかげでズレない
ちょっとキツいおかげで、着用中のズレはほとんどない。路面の荒れたバイパス国道を突っ走ってみたが、
全然平気であった。ノーズパットはゴム製で柔らかいので、鼻柱が痛くなるような感じはなく、こちらは快適。

・風の巻き込みは少ない
平たいアジアン顔なので、眉間に若干の隙間が出来ているのだが、奥まで深めにかけてやると眉から頬骨に
かけてしっかり覆う感じでフィットして、顔に風が強く吹きつけても目が辛くなったりするようなことはなかった。
峠の高速ダウンヒルでどうなるかは未体験だが、少なくとも、メインで使っているRydonから大きく劣っている気はしない。
レンズ面が凸状にカーブしていることもあって、まつげが当たって辛いということもなかった。

・レンズ端の像の歪みが少ない／意外とリムは気にならない
なんだ当然じゃないか、と思われるかもしれないが、ハーフリムのフレームだと、レンズ端面が若干膨らんで
いたりして、レンズ越し視界の縁が滲んだりしているものだ。Rudyの調光クリアレンズは、一般レンズとは
少し違う柔らかめの素材のせいか、この傾向が顕著だ。フレームだと思えばいいのだが、下目づかいにサイコンを
見下ろしたりすると、意外と気になるものである。
本品は、ややボリュームのあるフルリムフレームのためにこの問題は皆無。ただかけてみると、けっこうフレームが
視界に入っているが、走行中は前方視界に集中しているからかあまり気にならない。
後方確認の時やサイコンを見下ろす時にも、もちろん視界に入ってはくるがマットブラックなので「ここが端っこ」てな
感じが分かりやすいだけで、それほど鬱陶しい感覚はなかった。

・調光レンジは広くないが、優秀
ミラーコートの助けも借りてか、遮光性能は優秀。晴天下にハイライト部分を凝視したりすればそりゃ眩しいが、
どんなサングラスでも眩しいことだろう。そのわりに、アンダーパスや林間の道などに突入しても「ギリギリ」視界を
失わない程度の透過率を考えてあると思った（どピーカンでレンズの変色が最大限に達しているとキツいかもしれない）。
1分も走っていれば透過率が上がってくるので、瞳の順応と合わせてストレスなく光の変化に対応できる。
ただし、最大の透過率が決して高くはないので、やはり暗いトンネルへの対応はできないだろう。ちなみに比較相手の
Rudyの調光クリアレンズも、レンジは広いけれど瞬時の変化はできないから、トンネル突入時には視界を失ってしまう。
よってここは決定的な欠点にはならない。ちなみに、そこまでの状況に対応できる調光レンズは、私の知る限りは存在しない。

脱線するが、ASSOSSのグラデーションレンズならば、レンズを押し上げたり頭をあげて視線方向を変えれば急な光線の
変化にも対応できそうで、ちょっと気になっている。

※追記
wiggleのカスタマーサポートチームによると、「フィルターカテゴリーが3、可視光透過率は上限が18%、下限が8％とのことでございます」とのことである。もう少し明るいよ、と思っていたのは個人の感覚であったようだ。Oakleyのブラックイリジウム(9%)よりも変色時に明るいかなと思ったが・・・視感の明るさは色によっても変わりそうだし、18～8%のレンジということで結論にしておく。適当なこと書いてすみませんでしたm(_　_)m

※もう一つ追記
レンズ拭きがついていなかったのは、仕様ではなくてwiggle側のミスだったようだ。
これもカスタマーサポート側で、追って手配してくれるよう連絡を頂いた。やはり、なにか疑問点があったら連絡はしてみる価値がある。少なくともwiggleZーP8

あらためて総評
価格なりの品質という線はやはり変わらない。貶しているようにも読める表現だが、Reasonableと言い切っていいだろう。
若干安っぽい仕上げがなくはないが、決してCheapではない。
割り切るところを割りきっているが、アイウェアとしての基本性能がしっかりしていて、晴れから曇りくらいのライドで望まれる
最低限の調光性能が確保されていてこの値段、と言う意味では、やはりライト層には買いなのじゃないかと思う。


・ヘルメットと合わせるとこんな感じ(ノイズの多い画像ですみません)。やっぱり少しいかつい？軽自動車のオバチャンドライバーが道を譲ってくれましたw
でもローディは普通に会釈してくれましたよ。

価格　★★★★★（この価格で、しっかりしたサングラス）
評価　★★★☆☆（明るい環境用に限れば★★★★☆）

光量の多い夏まで、継続的に使ってみた。

・テンプルのきつさには慣れた
慣れたのか、若干テンプルがヘタって来たのか。その辺は分からないが、
今ではロングライドにも心配はないように思える。
その代わりに気になってきたのが、テンプルの先端部分。かけるときにガイドになるように、じゃっかん外へ広がるような形の末端なのだが（これ自体はありがちな形）、ヘルメットを脱ぐときにストラップが引っかかるのでわずかにストレス。

・調光レンジへの評価は変わらずか、すこしアップ
ミラーコートの助けも借りてか、遮光性能は優秀。変色しきった状態でRudyのマルチレーザーレッド（透過率11%）よりも若干明るく、15%といったところか。
変色してない状態では同レンズよりもずっと明るく、照明を落とし、レースカーテン1枚かけて採光した室内でもなんとかなる、という意味では透過率は30%くらいありそう。
前レビューでの「結論」をひっくり返してしまって申し訳ないが、一番プロテクション効果が高まった状態で「レベル３」なのではあるまいか。
で、「どピーカンでレンズの変色が最大限に達しているとキツいかもしれない」と評したところはどうだったかというと、アンダーパスや林間の道では全然問題なかった。
トンネルは無理だと思うのは、変わらず。

総合評価は変わらずかなあ。

価格　★★★★★（この価格で、しっかりしたサングラス）
評価　★★★☆☆（明るい環境用に限れば★★★★☆）

dhb PhotoChromatic Full Frame Sunglasses

購入価格　￥0（モニター品）

「時を選ばぬ便利なサングラスで頗る便利に使ってゐたは良いが、ふとした拍子に縁が割れてしまつたには閉口した。」（なぜか漱石風）

当初自転車に乗る前にレビューをしたように、その後もスポーツサイクル以外にも便利に使っていた。
何だかんだ、もしかしたら自前のRydon以上の使用頻度だったかもしれない。

えー、こんな風にフレームが割れてしまいました。ちょうどこれを外そうとしたときのことでした。


自分は右手で左側のテンプルを持って、顔から剥がすようにサングラスを外す癖があるようで、その時に一番ストレスのかかる部位だったのでしょう。脱着のストレスで壊れちゃうの?という意見もありそうだが、ま、こういう外し方は正しいサングラスの扱い方ではないので・・・
素人の補修で、使用に問題のないような形へ持っていくことはできそうにないので、これでモニター品とのお付き合いはおしまい。
あらためて、提供してくださったwiglleとCBNには感謝申し上げる次第である。

けっこう便利に使っていたのでリピートしたいが、若干自分にはきつめだと思ったので、もうすこし調節が効くものか、幅の広めのものを物色しようかなと思っている。もちろん、細面の方で丁寧な扱いをされる方、2年の耐用年数があれば十分と思われる方なら問題なくお勧めできるものである。

評価は変わらずだが、再掲。
価格　★★★★★（この価格で、しっかりしたサングラス）
評価　★★★☆☆（明るい環境用に限れば★★★★☆）