購入価格 ¥モニター品
「限りなく実走感覚に近い固定ローラー」を謳う固定ローラー台。
CBNを通じて、Cycling Express社よりモニターレビュー用に提供して頂きました。
まずは、CBNのマスター、Cycling Express様にお礼申し上げます。
今回、製品を使わせていただける機会をいただき、ありがとうございます。
それでは、ファーストレビュー!
DK CITYという社名は聞き慣れないが、1987年創業の台湾のメーカーで、
トレッドミルやエアロバイク等の本格的なフィットネス機器、電動アシスト自転車やゴルフカートなどを手がけている。
ある日、ダンボール箱が届いて、開けてみると前情報通り巨大なローラー台がコンニチハ。
実測で24.8kgもあり、箱から出して床に置くだけで良いトレーニングになった。
梱包状態では脚が折りたたまれているので、羽根のように広げて、4本のクイックリリースで固定する。
クイックリリースといっても、折りたたむたびに完全に抜き差しする必要がある。工具が必要になってもM8キャップボルトのほうが作業性は良いと思った。
この製品、使用時には1261*699*548mm、折りたたんでも368*699*548mmのスペースを専有する。平置きしたホイールと比べると大きさがわかるだろうか。
自転車も含めると、およそ幅1261mm、長さ1800mmの長方形スペースが必要になるので、購入を検討するならば、まず置き場所を十分に考える必要がある。
とにかく重いので、使うたびに設置して、終わったら収納するような使い方は考えないほうが良いと思う。
負荷ユニットはカバーで覆われ、スプロケット付近の部品しか回転しない。
「影」という明朝体のロゴがとても中二病っぽいが、ちょっとかっこいい。
ティアグラの11-25T 10sスプロケットが最初から取り付けられており、少し得した気分。
なんとかスペースを確保したら、自転車を固定する。左右のリヤエンドそれぞれを、レバーを回して固定する。
ワッシャーが片側2枚入っていて、どこにリヤエンドを入れるか悩むが、ワッシャー間に挟むのが正解。
レバーは手でクルクル回して締め付けるが、DTのスキュアーのように、引っ張るとレバー位置のみを変えられるため乗車中カカトに干渉しない位置にセット可能。
なお、スペーサーを挟んで130mm、135mmエンド両方に対応する。
ローラーの負荷は手元レバーで調整可能。しかしクランプの出来が惜しい。31.8mmハンドルだとなんとか固定はできるものの、ネジがギリギリ足りるか足りないかというくらい。あと5mmネジが長ければ良いのだが。
巨大な本体を設置して、バイクの取り付けも終わったら、いよいよ試乗。
意識的にバイクを振りながら踏んだり、負荷を最低にして空走させながら動画を撮影したので、
静音性やバイクの揺れ具合を確認していただきたい。
VIDEO
まず、騒音の少なさに驚いた。マグネット式の負荷ユニットからベルトらしきものが駆動されるウィンウィンという音はするものの、チェーン駆動音も聞き取れるくらいの音量。
また、3本ローラーは無論、他の固定ローラー台と比べても振動が少ない。
負荷ユニットの支柱から台座まで、太い鉄パイプや分厚い鉄板を溶接した頑丈な造りで、共振しにくいのに加えて、
後述するスイング機構のゴムブッシュで、負荷ユニットが脚部に対してフローティングマウントされているため、発生した振動が床に伝わりにくいためだと考えられる。
これなら集合住宅でも気兼ねなくトレーニングできそうだ。
このローラー台の特色のひとつは、バイクを左右に振ってダンシング可能なこと。
負荷ユニットはゴムブッシュで支えられており、ブッシュがたわむことで左右にスイングできるようになっている。
早速ダンシングを試してみたが、正直なところ、かなり不自然であった。
バイクを傾けられる量が少ないのと、センターに戻る復元力が強いこと、前輪の接地点が変わらないのが原因だろうか。
バイクの軸と体の軸をずらして、ハンドルを引き付けながら踏み込む感覚は味わえなかった。
しかし、シッティングでの実走感はかなり高い。通常の固定ローラーは床に固定されているためペダリングに違和感を覚えるが、D2R Shadowでは踏み込みに応じて適度にバイクが揺れて心地よい。
重めのギヤで坂を登るときのように、シッティングのまま体を揺らして踏み込むとちょっと感動。息も絶え絶えに、峠のピークまで最後の100mを登り切る感じを味わえる。
自車が揺れることで、乗り物のリアリティは大幅に増す。カーレースゲームでも、出来のいいものは真っすぐ走ってるだけでも視界が少し揺れ、臨場感を演出している。
D2R Shadowは、気を抜いても転倒せず、高負荷をかけられる固定ローラーのメリットを活かしながら、3本ローラーに迫る実走感を実現できている。
モニターレビューの募集があった時、静音性に魅力を感じて応募したのだが、乗ってみると、むしろスイング機構のほうに満足する結果となった。
聞き慣れないメーカーだったため、製品のクオリティに不安もあったが、業務用製品のような質実剛健な造りには良い意味で期待を裏切られた。
余談だが、この製品の負荷ユニットは、CycleOps社のSilencerローラー台と同一の形状をしている。しかし、こちらは負荷ユニットと脚が固定されていて、L612*W465*H493mmと、重量も17.6kgにとどまっている。
D2R Shadowはバイクが左右に揺れるので、転倒防止の観点から横幅に余裕を持っているのだろう。
迷うところではあるが、前述のとおり、スイング機構が非常に魅力的なので、
置き場所さえ確保できるならばD2R Shadowのほうがオススメ。価格面でもアドバンテージがある。
ファーストレビューを終えて。
据え置き型のローラー台を検討しているのなら、D2R Shadowはベストな選択肢である。
騒音は少なく自然な実走感で、タイヤカスも出ない。
しかし、置き場所を確保できない人には無条件でお勧めできない。
また、固定ローラーをレース会場に持って行ってウォーミングアップに使用したい人は、コンパクトな製品をもう一つ買ったほうが良い。
なお、我が家では収納方法を考えた末、下の写真のようにバイクを起こして壁にもたれかけさせている。
リヤハブの固定をゆるめて、バイクを立てて、軽く締めておく。台座が安定しているので倒れる気配は皆無。ディスプレイにもなるか?
価格評価→★★★★☆ 他の後輪代替型ローラー台と比較すると割安だが、ローラー台としては高価な部類。
評 価→★★★★★ 据え置き型のローラー台としては満点。省スペース?可搬性?(゚⊿゚)シラネ
カタログ重量 25.4kg
実測重量 24.8kg
モニター製品提供:Cycling Express 製品ページ:
http://bit.ly/N5x8UL