購入価格 ¥6500(エントリ費用)
信州と越後の県境、豪雪地帯として知られる信州・栄村で行われる真夏のオンロード山岳サイクリング。
「グルッとまるごと栄村」
2006年に始まったこのサイクリングイベントは、東日本大震災の翌未明の栄村大地震による影響で、2011年は変則的な開催となりましたが、2012年から100kmサイクリングが復活。新潟県境が近いこの村の村営スキー場をスタートし、新潟県津南町を経由し秘境・秋山郷の深奥部まで足を延ばし帰還する100kmのオンロード山岳サイクリング。2007年から参加していますが、2013年の夏も行ってしまいました。
今年の走行距離116㎞に対して、獲得標高はどうやら、2400~2500m程度の模様。Garmin表示で2600mという方も。というわけで平坦部がとても少ないコース設定です。栄村大地震の影響未だ癒えず、例年とは異なるルートでしたが、なかなか走りごたえがありました。
http://latlonglab.yahoo.co.jp/route/watch?id=3eed3e303a5d39ce51e41bb6aa1d12c0(地図拝借御免)
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8月4日、朝6時。
前日泊した野沢温泉の民宿から、静岡から参加のF君とクルマで30分ほど走り会場に到着。天気は曇り気味ですが、まさか雨にはならないだろうと楽観していました。そもそも天気予報は曇りのち晴れだったような気がするし。それにしても涼しい。この涼しさは前日からなのですが、夏とは思えない気温です。
クルマから小径車をひっぱりだして準備をしていると、自転車のシャシンを撮らせてくださいというマニアな男性が現れ、暫しの自転車談義。泥除け付きのクロモリ小径車に興味を示してくれるとは、なんとも嬉しいことです。
朝7時。
「ぷぅぅ~っ」という脱力感全開のラッパの音に合わせて、10秒毎に数名ずつスタートしていくのは例年通り。なんとも長閑な音色でリラックスできます。私たちは中ほどの順番でスタート。
お気楽なスタート
スキー場から下って国道117号手前で鋭角に右折してクルマの少ない道を走ります。先方を走る50代と思しき男性に並び、失礼ながらお歳を伺うと、な何と、60歳をかなり過ぎておられる方。自分がこの先輩と同じ歳までここを走っていることが想像できません!
エイドステーションに鎮座していたWラジカセに感動
やがて最初の長い登坂が始まります。実は昨年、この登坂の中盤から不整脈が出てしまい、そのまま翌朝まで続いて気分が結構どんよりしてしまったので、今年は抑え気味に行ってみます。
まだ序盤・・・楽しみはたくさん残っているノダ
途中出会った女性御三方は健脚。その中になんと乗鞍で優勝したことがある方が。そりゃ速いわけだ。
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秋山郷の観光案内図・・・思わず見入ってしまう風合い
かなり怪しげな空模様になってきた
60km地点付近でしょうか、チェックポイントの小赤沢の手前で雨が降り始め、小赤沢に着くころには結構な本降りとなりました。気温が下がってきます。あとで聞いた話ですが、小赤沢のチェックポイントではその後、石油ストーブが登場したとか。
小赤沢にて
こんなもん、必要か?と思いつつ持っていた手のひら大MCNのレインジャケット
https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=8059&forum=55を小赤沢で着ます。これがよもやまさかの大活躍。レインジャケットなんて着て登坂したら汗まみれになって気持ち悪いだけだろう、と思っていたのですが、上り下り共に何故か快適。UVカットアームカバーも威力を発揮して、べとつかず快適。もしレインジャケットを持っていなかったら、下りでからだの芯から冷え切ってしまい、きっとリタイヤしたでしょう。結局、五宝木トンネルまで50分ほど堂々の本降り。リタイヤした方も少なからずいたようです。登坂では、
「ずっと上っていたい~っ!」
「下りたくねぇ~!」
という悲痛な叫びが。すごくよくわかります。
いい感じで降ってる。。。
雨の下りはちょっとテクニカルです。このコースでロードレースをやったら事故続出でしょう。グレーチングが恐いので慎重に下ります。コケる人、いるかもなあ・・・と思いつつ。毎年通過するのに何故かgoogleマップに載っていない五宝木トンネルへの上りで、ずぶ濡れの2名に合流。ふたりとも冷え切って消耗しているようで、
「トンネルを抜けると雨が止んでいるような気がするんですけどねぇ」
と励ましつつ上ります。五宝木トンネル手前で少し小降りになってきました。トンネルに入って、ふと歯笛を鳴らしてみたら、いつまでも残響しています。10秒ほど続いたでしょうか(何やってんだ)。緩い登坂のトンネル内は追い風で楽。この風で小赤沢側に雨雲が発生したのなら、トンネルを抜ければ雨はあがっているはずだ!と勝手に決め付けて走ります。
トンネル出口のチェックポイントで弁当を受け取ります。雨は止んでいました。スタッフの男性曰く、さっきはこっちも大雨でね。風向きが今変わったところなんだよ、と。なるほど。
トンネルを抜けるとようやく雨があがった
雨は止みました。しかし、からだの芯から冷え切っている人も多く、弁当にから揚げが出るのは毎度のことなのですが、
「鳥肌でから揚げ食ってる。。。」
とつぶやく人も。
ここで金色パーツを散りばめた見事なアンカーRNC7の人とひとしきり情報交換。冷え切ったことなど忘れて、結局なんだかんだで鉄になっちゃったんですよねー、ということで意見が一致(笑)。
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一昨年初めてお見かけして昨年も会った方に今年も会いました。
小赤沢チェックポイントを10時スタートで50kmコースを走る、脚が少し不自由な方。ミヤタの1980年代のスポーツ車「ル・マン」で走っていらっしゃるのですが、雨が上がった登坂で自転車を押していました。脚が不自由なこの方にしてみれば、この激坂は自転車から降りて押すしか術のないところだと推察されます。
信州の言葉でこれはまさしく、
「押(つい)てったっていいじゃないか!」
こんにちは!頑張ってください!!と声を掛けたら、ああっ、どうもー、がんばってくださーい!と返してくれました。今年もこの人に会えたというわけですが、それだけでも今年、栄村に来た甲斐があった、と感じる一瞬です。
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トウモロコシ畑
何と今年はお隣の町、新潟県津南町の名物、津南ポークの焼き肉をふるまってくれる焼き肉エイドステーションが登場!これは人気だったようで、復路でも立ち寄ると、ポークは底をつき、キノコやネギになっていました。じゃ、来年は熊肉でやるか?みたいな冗談も聞こえたりして。
終盤に近い北野天満あたりから天気が良くなってきました。今度は蒸し暑い。あっという間に天気が回復して気温が急上昇、ついに例年の栄村状態になってしまい汗ダラダラ。メリハリありすぎのお天気。ずぶ濡れの靴の中も何やら生温い感じが。
今度は暑い!
前年とほぼ同じ走行時平均速度でゴール。明らかに軽量化されパワーウエイトレシオがアップしたF君も無事帰還。もう終わってしまった。。。
「いや~、やっぱり栄村イイですね!!」
F君は堪能したようですが、自分も全く同感。来年も来ることを約束し、それぞれ帰途につきます。
ストーブが登場したその日、暑さ故の散水もまた登場
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ただの偶然だとは思いますが、今年はアンカーのクロモリで走る方が多く見られました。また、ナカガワ、デ・ローザ、雷神、そしてなんと、レニヤーノも。鉄ピストのブームは過ぎ去った感がありますが、鉄ロードは時間をかけてジワジワと復活しつつあるんでしょうか?それに引き替え、今年も小径車は全く見当たらず。100kmコースでは私と、昨年も遭遇した方の二人だけだったかも知れません。まして、鉄フレームでマドガード付きの小径車など、毎度のことながら自分だけ。
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県境の栄村。
しっかり上って、しっかり曲がり、しっかり下るサイクリング浪漫ルート。イベント運営は手作り感に溢れ、豪華ではないですが、私設エイドも多く、これこそ本当の、おもてなし。水はしっかり補給できるので、ボトルは一本で十分。バナナ、キュウリ、トマト、スイカなどなど、本当に美味いものばかり、サイコー!!
栄村とその周辺。
全く、本当に素晴らしいサイクリンを堪能できる道です。
雨に打たれたことも忘れられない良い思い出になるなあ、などと思いつつ、今年もまた、F君も私も、言い知れぬ充実感を味わうことが出来たのでした。
獲得標高2400~2500m、距離116kmでした。
雨天走行でレーパンの青色がうつってしまった
価格評価→★★★★★
評 価→★★★★★
年 式→ 2013
今年もお見かけしてしまったBSの80年代ヴィンテージ。
1980年代前半のBSグランヴェロ末期モデル(多分)
パーツはほとんど当時のモノと思われます
リアエンド幅126ミリで7速!このレシオで走り切るとは。
素晴らしきロードマンとロードレーサー!!