購入価格 ¥レンタル品-
友人の好意で長らくお借りしていたColnago Cristallo。
お別れとなってしまいましたので、記念にレビューを投稿しておきたいと思います。
【概要】
2006-2008まで作られていたColnagoのカーボンフレーム。
フレーム重量は1100gほど。
現状ではそれほど軽量級のフレームとは言えませんが、十二分に軽いです。
グランフォンド向けのバイクとしてデビューしたとのこと。
2006シーズンでは、Extreme-C、C50に並びプロ供給される予定だったようですが、使われることはあまりなかったようです。
ヘッドセットは通常のアヘッド。
フォークは特徴的なつぶしの入ったStar Fork。
湾曲したシートステーと、リーフ形状のチェーンステーが特徴的です。
2009年からは見ることができなくなり、この後このフレームの思想はCX-1あたりに後継されていきました。
【外観】
なんといってもこのペイント。
他にも戦闘機柄のペタッキカラーもあったようですが、Cristalloといえばこの後CX-1にも引き継がれたこのEGRSカラーでしょう。
ひまわり柄に目が行きがちですが、トップチューブの「空」も非常に美しい仕上がりです。
スローピングフレームで、シートステーが湾曲しているためか、攻撃的ではなくどちらかというと優しい印象を受けます。
【インプレッション】
笑えるほどの乗り心地の良さと、クイックなハンドリングが印象的です。
やはり走り始めて思うのが「柔らかい」ということ。
クッション的に路面によってお尻が沈むような感覚すら受けます。
雑誌のインプレッションでよく見る表現だった
「ラグジュアリーな乗り心地」
「ラグジュアリーってなんやねん(笑)」って思っていた私でしたが
「ラグジュアリーってこれのことなんだ」と思い知った瞬間でした。
このフレームの前に乗っていたCAAD9が比較的アンダーステア気味であることもあり、このフレームのクイックなハンドリングは少し戸惑いました。
逆に高速域になってくると、逆に前側の剛性が不足しているように感じ、高速コーナーでは不意に膨らみます。
乗り心地の良さばかりに目が行きがちですが、かといってもっさりした印象は受けません。
さすがに初速では、高剛性フレームのようなパリッとした踏み心地はありませんが、気になるようなものではありません。
中高速域においてケイデンスをあまり上げずに、トルクを高めに踏んでいくと面白いように、気持ちよく加速していきます。
こんな運動特性であるため、アップダウンの多いコースよりは、平地でモリモリ走りたい私には非常に向いていました。
【構成】
以下のような構成で乗っていました。
・ドライブトレイン/変速系
Campagnolo SuperRecord/Record混成
・ホイール
Campagnolo Bora One
Fulcrum Racing1
Campagnolo Khamsin
構成についてですが、アンマッチとなるようなパーツは無さそうだなぁという印象です。
ホイールについても、ホイールの印象がそれほど大きく出てきません。
この3本では、Bora Oneが一番マッチしていたように思いますが、Racing1ではかつてCAAD9に履かせたときに
感じた乗りづらさも無く非常に気持ちよく乗れましたし、Khamsinでもそれほど重さを感じず楽しく乗れました。
非常に懐の広いフレームなんだろうなぁという印象です。
シートチューブが立っているため、セットバックが少し取りづらいです。
モデル年代によっては、シートポスト径が特殊(私が乗っていたのは27.2mmだったので問題はありませんでした)であるため、
よりセットバック量大きいシートポストの入手が難しく少し注意が必要です。
古くはセットバック量の大きなカーボンポストを使っていましたが、割れたことを機にアルミのポストに替えました。
前乗りに慣れて問題はなくなり、またフレーム自体が柔らかいので実はアルミのポストの方が私の乗り方にはマッチしていました。
【総評】
全体的に「走りやすく懐の広いフレーム」でした。
週末のロングライドや、ツールド宮古島、落車したふじのくにCYCLE FES等々いろいろな所に一緒行ったバイクですが、
このバイクを出すときは少しだけ心の中で「わくわく」し、いそいそ準備を終わらせ走りだしたくなるような、そんな存在でした。
恐らく、タイトなコーナーが多くストップ&ダッシュの多いようなレースで用いるにはあまり向かないかもしれません。
しかし、そんな用途を必要とする人がどれだけいるでしょう。
いまはもう手元に無いフレームではありますが、また出会う機会があれば手に入れ、再び乗ることができたらなと思います。
価格評価→☆☆☆☆☆(未評価)
評 価→★★★★☆(また乗りたい)