購入価格 失念 一袋では安いはず
ロードバイクでのロングライドは楽しい。いろいろな魅力があるが一つはマジ喉が乾き、マジ腹が減ると言うことだ。
「空腹は最良のソース」とは良く言ったもので炎天下で飲む冷たいダージリン、腹が減ってのコンビニおにぎりは唾液腺が痛む位美味しい。
これはロオジエ(もう今年は予約諦めた)やアピシウスでビンテージワインと共にマリアージュを楽しむのや、未在で旬の素材の力を味わうのとは別次元の感動で、真の美食とは一体何かという根源的な問いかけとなってくる。
一方で、私は日本食が好きだ。米と醤油と味噌と鰹節と昆布を食べないと落ち着かない。
ロングライド時の食事がパンと言うことはまずない。(オヤツならありだけど)
ギリギリまで要素を絞って考えると、ご飯に醤油が最低限度の要求となる。新潟市に住んでいた時、お赤飯が醤油で炊かれていたが、「あ。これ、美味しい」と思うと同時に、「和食の粋かもw」と思った。
醤油は優れた調味料で、肉でも魚でも野菜でもなんでも美味しくしてくれる。
しかし、地方の醤油って、どうにも口に合わない。漫画「美味しんぼ」の世界観では、地方の老舗の醤油蔵は無添加で手間ひまかけた長期醸造、有名大メーカの醤油は添加物だらけの即成醸造というお約束だったが、実態はどうだろう。
山形に住んでいた時、老舗の醤油には化学調味料が添加されていた。九州、特に南九州の醤油は激しく甘いが、砂糖どころか人工甘味料で甘味が付けられているものが多い。
化学調味料や人工甘味料がいけないと言っているのではない。それらにはキチンと適切な用途がある。しかし。調味料を作るのに調味料を添加するのは邪道であろう。それでは醤油風調味料と名乗るべきではないのか。
甘味を付けるなら醸造過程で炭水化物を糖化するなりすれば良いではないか。実際、麹は甘い。
前置きが長くなったが、鹿児島で3年生活している時に見つけたのがこれ。甘い醤油では首折れサバや秋太郎の刺身は食べられなかった。
携帯に便利でかつ、一回の使用量として丁度良い。また、何と言ってもヒゲタの中でも高級品に位置づけられており、香りと旨味がすこぶる良い。素材の持つ自然の甘味を引き出す力は頭抜けている。それからこれは副次的効果であるが、この醤油無添加なので変色し易いのだが、パックされているので、いつでも輝かんばかりのルビー色なのだ。
バッグに入れておけば、大変重宝する。海外旅用時も便利だ。
もちろんトゥール・ダルジャンの鴨料理に持ち出すような無粋な真似はしない。あくまでも添加物醤油対策、調理前素材対策である。
唯一の難点は入手が難しいこと。浅草に住んでいた時は合羽橋で買っていたが、小売はされておらず、卸売りルートからものすごい量の(記憶が正しければ400袋入)箱買いをしなければならない。一箱消費するのに家での無理矢理消費を加えても4年かかった。
同好の士と共同購入をオススメする。っていうかヒゲタさん、100袋単位でいいから売って。
刺身には勿論、卵かけご飯、磯部焼きには最高の醤油であると個人的に思う。酢とシソ油と本膳で作った和風ドレッシングは、田舎の野菜だと甘くなりすぎて困ってしまうくらいなのである。
価格評価→★★★☆☆(安いんだけど箱買いだとちょっと)
評 価→★★★★★(美味!色もルビー色!風味絶佳!)
個人的な経験則なのであるが、ヒゲタの本膳を使っていて、緑川の純米酒を置いている店は間違いなく好みの店である。