止まらないで自転車乙女
購入価格 ¥620+税
著:阿羅本景 イラスト:みけおう
自転車から遠ざかっていた主人公が、自転車に乗れない女子中学生と知り合い、自転車の乗り方を教える。そんなストーリーに萌えエロを織り交ぜたライトノベルです。
メインヒロインは「自転車が大好きなのに自転車に乗れない」という捻った造形です。他のキャラクターは主人公からサブヒロイン、端役に至るまでの全員が「よくいるキャラ」という印象ですが、これはメインヒロインを際立たせるための作為だと思われます。
自転車の乗り方をどう教えるかは、ちょっと自転車関連の文章を読んでいる人だったらすぐに思い至るでしょう。レビュワーは読んでいて「ああ、やっぱりこの方法か」と肩透かしな気持ちになりました。情報過多で頭でっかちになっているのかもしれません。
クライマックスの(ヒロイン達にとっての)ロングライドのシーンを地図と照らし合わせながら読むと「この程度の距離でこんなにキツく感じるのか? そういや感じたかも」と懐かしい気分になります。スポーツバイクに慣れた人間には遠くなってしまった「本格的に自転車に乗り始めたばかりの辛さや怖さ」を思い出させます。
イラストも癖がなく無難に可愛いのですが、サブヒロインのひとりである幼なじみのイラストには大きな不満を感じます。パンツ一枚の半裸やショーパンの私服姿やメイド服の前に、サイクルジャージ+レーパンを大きくしっかり様々なアングルで描いて欲しかったです。
以下余談。 仮タイトルの「止まらないで白輪少女(しくろをとめ)」の語呂が良くて気に入ってたので、正式タイトルが「止まらないで自転車乙女(バイシクルガール)」となった時はちょっと残念でした。なので作中で「しくろおとめ」が重要なキーワードとなっていて嬉しく思いました。
価格評価→★★★★★ 評 価→★★★☆☆(レーパンジャージのイラストが小さな物しかないのでマイナス1)
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