購入価格 ¥26,880
みんな大好きキワモノシリーズ。
言わずもがな、ツール等で多数のプロ選手が愛用するチェーンリング。
当方は " Road Racing Compact 52/38 Black " 、PCD110のモノを使用。
以下より写真多し、スマホ等閲覧の方は注意すべし。


チェーンリングのみの全容、これでもインパクトがある。
コンパクト用の50/34TのSHIMANO・105純正リングと重ねると、楕円具合が分かる。
34Tの純正リングと、38T楕円の最低仮想歯数がほぼ一致、キレイに重なる。
rotorのQ-RINGSは「○○T」として売っているものは仮想値であり(52Tの場合、54.6~49.4Tに変動)、
O,SYMETRICのそれはピーク値での表記となっている、楕円率は1.215。

アルミの一枚板をアルマイト処理・切削して歯先を造っているため武骨な印象。
DURA-ACEのように、決して美しい加工ではないが、これはこれでアリかもしれない。
変速ポイント・ピンは一切なく、歯先の加工が多少異なる程度。
チェーン脱落防止ピン(クランク裏に隠れる小さい円柱部品)は取付穴可、別体で六角レンチで要組付。

いざ取り付けるとキモチワルイ、見た目ではかなりインパクトがある。
実走するともっとインパクトがある。
0~2時・6~8時付近で急に踏力が抜ける感覚があり、予想以上にカックンカックンする。
Q-RINGSのそれとは違い、もっと極端に踏む・抜くを要求される。
また変速もシビアで、2~4時・8~10時の最大仮想歯数がディレイラー付近の時のみ変速可能。
特にアウターに乗せるのに苦労する、ほぼ無力程度まで一瞬抜かないと変わらない。
FD-9000との組合せであるが、アウターに乗せやすくすると外にチェーン外れ、
インナーも落としやすくするとそのままBB側に一直線と、調整がシビアで整備士泣かせ、チェーンキャッチャー必須。
そして、上死点・下死点の0・6時付近でチェーンが暴れてチャッチャと"絶対に"音が鳴る。
特にインナーはギア板半径が小さいためか、90rpm程度以上だとかなりウルサイ。
ここまで、変速調整が面倒くさい・音も出ると散々ではあるがはたして買いなのか?
当方は"買い"だと言いたい。レース機材何たるかを把握してる方のみ買いだ。
最低・最高仮想歯数の差が大きいため、脱力時にしっかり脱力できれば、
綺麗に回すことができ、真円と同等の踏力を加えた場合、ケイデンスが5~10rpmほど上がる。
重いギアを踏めるのにケイデンスが上がるため、登坂では相当に楽になる。ギア2枚ほど。
大げさでなく、坂嫌いの当方が、25Tは必要なく、23Tでヤビツを登り切れるのではと思うほど。
しかも筋肉疲労は真円と全く違和感なく、むしろ週3程度・各100km超走行での疲労感は減った。
変速・回し方にクセがあれど、80~110rpm程度のケイデンスでキレイに回せる人には効果は抜群だと思う。
ちなみにスプリントも当方程度ではカクカクならず速度にも影響ないが、楕円の特性上、
同歯数の真円と比べると、トップ時の最高速は若干落ちるかもしれない(そこまで踏み切れないが)。

同梱品にはチェーンキャッチャーとFD用セットバックスペーサー、FD取付ネジ類が同梱。
キャッチャーは正直使う気にもならないほど、写真に撮りたくないほどの一品、見た目が洗濯物干し竿。
セットバックスペーサーは重要で、無しでも取付はできたのだが、有りの方がアウターに変速しやすくなった。
取り付けるかはフレーム毎に異なるが、プロでも大半の場合取付ているので、有ったほうが良さそうである。
ちなみに上写真FD取付部にある、三日月型のようなかまぼこの様なものがセットバックスペーサー。


左写真:5時付近、FDから歯が一番離れる最少仮想歯数部
右写真:2時付近、FDに最も歯が近づく最大仮想歯数部
笑えるくらいの楕円率。
でも当方には、rotor Q-RINGSよりも"買い"であった。
価格評価→★★★★☆(DURA純正ギア板・rotorと比べても遜色ないが、安くはない)
評 価→★★★★★(脚に合ったため、速さ・疲労具合に大満足)
<オプション>
実測重量 :38T/110 46.0g
52T/110 161.3g(with チェーン脱落防止ピン)