ヘルメットマウントでやっと撮影できたので、ヘルメット・チェスト・ハンドルの同コース3視点比較を行いたい。
コースはダブルトラックでガレ気味、スピードは最大でも30kph程度のゆっくり下れるトレイル。何と運悪く春先から工事が始まり長らく閉ざされていたが、やっと通れるようになったようなので、最後に残っていたヘルメットを撮影してきた。若干倒木などでレイアウトが変わっているものの、基本的にはどの動画も同じようなスピードで走っている。つまり、遅く見える、速く見える、などの差はほとんどマウント位置に依存しているといっても過言ではない。
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まずこちらが最もスタンダードなヘルメットマウント。ハーフヘルメットの頂点に取り付けているので若干ブレが大きいが、フルフェイスだともう少し安定している事が多い。ヘルメットマウントのメリット(○)とデメリット(●)は以下の通り。
○高い位置から映すのでコースが見易い
○頭に付ける為映像が安定している
●コースの凹凸や角度が非常に分かり辛い
●スピード感が希薄
●ヘルメットが重くなる
●上に付けると木に引っ掛かる
以上を踏まえて簡単にまとめると、見易い映像を撮るなら断然ヘルメットマウントが最適だが、トレイルなどではあまりお勧めできない。ゲレンデDHの高速気味のコースの方が良い映像が撮れる。
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次にチェストマウント。個別レビューはこちら。
https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=10512&forum=130 トップチューブからハンドル周りまでが映るため、他のマウントと違い路面の情報だけでなく、どういう操作を行っているかも見る事ができる。チェストマウントのメリット(○)とデメリット(●)は以下の通り。
○ハンドル操作やサスの動きまで映る
○スピード感がある
●非常にブレやすい
●マウントが高価
●夏場はハーネスに圧迫されるため苦しい
●角度調整が難しく、腰を引くとアングルが変わる
以上より簡単にまとめると、ヘルメットに比べてマウント位置が低い為スピード感はこちらの方が出るが、ブレに弱くガレたコースやテクニカルなコースで使用するとまともに映らない事がある。今回はしっかり撮るぞ、という覚悟が無いと、嵩張るハーネスを持って行ったり圧迫感に耐えたりするのは難しい。
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最後にハンドルマウント。個別レビューはこちら。
https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=10350&forum=130 ハンドルに装着するため非常に気軽で、一番ライディングに支障が無いマウントだと思う。ハンドルマウントのメリット(○)とデメリット(●)は以下の通り。
○唯一自転車に取り付ける為身軽
○バイクの傾きが一目瞭然
○位置が低い為スピード感がある
●ハンドルを細かく切ると非常に映像が見辛い
●ラチェット音やブレーキ音が振動で伝わるためうるさい
●事前にマウントを取り付けておく必要がある
以上より簡単にまとめると、チェストマウントと同じようなスピード感だが、ガレ場やテクニカルなコースでもハンドルを極力切らないように乗ればこちらの方が安定した映像が撮れる。振動に関してはヘルメットには劣るが、ちゃんとした前サスが付いていればチェストほどブレるという訳でもない。
3つのマウントをとっかえひっかえ使ってみて、各々の適している使用環境が見えてきた。やはりスピード感が希薄なヘルメットマウントは普通のトレイルで使うと全くスピード感が感じられない退屈な映像になる事が多く、チェストマウントは例えば階段のような断続的な振動が加わる場面だと激しくブレて見るに堪えない映像になる。ハンドルマウントは目立った欠点は無いものの、やはりハンドルを細かく切って調整すると見辛くなってしまう。こういった傾向から、基本的にはトレイルだとハンドルマウント、ゲレンデDHだとヘルメットとハンドルの併用が多くなっているのが現状。チェストマウントの利用率が下がってしまったのは、上記のようにブレに弱くコースによっては使えない事があるため、ただでさえ嵩張る上汎用性が低いのが原因。撮れる映像は非常に面白いのだが、美味しい所が少ないマウントと言ったところだろう。チェストマウントで撮った映像が欲しい、という明確な目的が無ければ、汎用性の高い他のマウントを選んでしまう事がほとんどだ。
現時点で最もお勧めなのは?と聞かれれば、マウントを購入する余裕があるならハンドル、なければ標準セットで付いてくるヘルメット。他のスポーツでも使うならチェストマウントも良いが、チェスト一つで運用するのは少々無理があるかな、というのが私の結論だ。
評 価→★★★☆☆(適材適所だが、オールマイティさは若干の差がある)