購入価格 ¥17000円ほど(wiggleで)
馬鹿野郎!「シンデレラ体重」だの「モデル体型」だの、健康を犠牲にしてまで体重を落とすことに意味はないんだよ!
お前らに足りないのはダイエットでもくびれでもない!大殿筋なんだよ!
どうやらここは、俺がどのようにして象のように荒々しい大殿筋をもつに至ったのか話をしなければならない流れのようだな・・・
あれはある春の昼下がりのことだ。
俺「そろそろ桜も咲き始めるころだし、花見ライドといくか」
デヤァァァーーーッ!
Selle Italia SLR SuperFlow (幅145mm)に腰を落ち着けて、俺のペダリングがこだまする。
今までのサドルに比べるとお尻がドッカリと落ち着き、トルクをかけてしっかりと踏むことができる。
大殿筋にハリを感じるがむしろこれは良いフォームで踏めている兆候であり、
持久力のある大殿筋を優先的に使うペダリングはヒルクライムをメインとする俺の走りに適合するだろう。
俺は2006年にロードバイクに乗り始めて以来Selle ItaliaのSLRを愛用してきたが、2011年にBG FITを受けて以来、
「幅131mmのSLRは、座骨幅144mmの俺にはどうやら狭すぎるようだな・・・」
と考えるに至っていた。そこで、2015年にSelle Italia SLR SuperFlow (幅145mm)に乗り換えたのである。
俺は実は以前から、サドルの幅の狭さだけではなく、尿道への圧迫が気になっていた。
そこで、今回は幅広で穴あきモデルのあるSLR SuperFlowをチョイスしたのである。
大きな開口部があるからであろう、それ以外の部分は無印SLR以上に硬い作りであり、
無印SLRと比較すると「しなる感じ」はない。
加えて尿道部で支えられないため、開口部のフチあたりへのダメージは想像以上であった。
しかも当初の目的であった桜も案外まだ咲いてはいず、俺はお尻の痛みに耐えながら家の近所まで帰ってきた。
俺「お尻・・・というか座骨が痛い・・・
それにこれだけ探し回ったのにまだ桜が咲いていないとはどういうことだ・・・」
その瞬間、通りすがりの近くの神社の神主の上腕二頭筋が荒々しく隆起し、たまたま手に持っていた大幣(おおぬさ)で俺を吹っ飛ばした。
謎の神主「馬鹿野郎!どこにあるかも知れぬ春を追い求めるあまり、身近にある春を見落とすとは何事だ!」
俺は頭上を見上げた。するとそこには、鮮やかなピンクの桜が咲き誇っていた。
そういえばこの神社は河津桜が有名で、ソメイヨシノにさきがけて美しい花を咲かせていたっけ・・・
朦朧とする意識の中、俺は幼少の頃、おじいちゃんが花見の席で俺に語ってくれたある話を思い出していた。
おじいちゃん「つよし、『春は枝頭にあって、すでに十分』じゃよ」
そうなのだ。昔から春は人々に待ち望まれ、ときには詩の題材になることもあった。
『春は枝頭にあって、すでに十分』とは、宋の時代(960~1275)の詩人、戴益(たいえき)の作品で、
中国の伝統的な詩のスタイルである「七言絶句」の絶句(最後の7文字)の部分である。ちなみに全体はこうだ。
尽日尋春不見春
杖藜踏破幾重雲
帰来試把梅枝看
春在枝頭已十分
「春」を探して一日中あちこちを歩きまわったがついに見つけることができなかった。
自宅に帰って来て、庭の梅の枝を把ると、つぼみがふくらみ春の訪れを十分に知ることができた。
もう、すでに春はここにあったのだ、探しに行く必要などなかったのだ、というのがこの詩の心なのだ。
おじいちゃんが言うには、戴益が探し求める旅に出たのは春だったが、この詩はよく「幸せ」におきかえて読み取られるというのである。
すなわち、幸せを外に求めて、どこかにきっとあるはずだと探し求めているうちは、本当の幸せを得る事は出来ないという事だ。
幸せはどこか遠くに、特別な場所にあるわけではなく、俺たち一人ひとりのそばで既に十分に芳香を放っているのだ。
今ここに生きていて、毎日生活をしていること。
仕事や勉強をする事が出来ること。
好きな本や音楽を楽しめること。
家族や友達が居ること。
俺は悟った。
今、すでに私たちのそばにある幸せに感謝し、大切にしたいものである。
--------------------------------------要点をまとめます--------------------------------------
まず新旧の比較。
Selle Italia SLR・・・131mm x 275mm (180g)
Selle Italia SLR SuperFlow・・・145mm x 275mm (195g)
BGFITでは「あなたのサドル幅はもう少し広い方がいい」と言われながらも、ずっと不都合を感じることなく過ごしてきた。
しかしサドルを交換すると「こういうことか・・・」と感じた。
お尻がドッカリと落ち着くのである。明らかにシッティングで強い力で踏めるようになった。
一方で、トルクよりも回転重視でペダリングするときとダンシングをするときは、変化を感じなかった。
重量は15g増。幅広になった分と、穴あき部分を補うため周囲を堅牢に作った結果でしょう。
尿道部分への圧迫は完全に解決。まぁそりゃそうだ。穴あいてるんだから(笑)
ただ、今まで尿道部分で受けていた体重の分が開口部の周辺に集中したのだろう、座骨辺りが激しく痛んだ。
SLR比でしなりがなくなったのも影響しているかもしれない。
ただ、この痛みは1か月もしないうちに慣れて消えてしまった。
別に座骨周辺に特殊な筋肉がついたわけではない。人体って不思議。
価格評価→★★★★☆(正解だったが、値段が値段だけに買うのは勇気が要りました)
評 価→★★★★★(気に入ってます)
年 式→2015
カタログ重量→ 195g(実測重量195g)←正確!