総額はよく分かりません
ロードバイクを初めて4年あまり、気づいたら3種類のタイヤシステム全てを所有していた。
そういう人も少ないかと思い、比較レビュー、というか総論を書いてみようと思います。
走行距離が大したことないために、総論と言ってもさわり程度という、半端な状態はお許しいただきたい。
共通の評価項目
各システムの中でも千差万別であることは誰の目にも明らかなので、ここは私の少ない経験と、
あれこれ自分の頭を悩ませて考えたことを中心に、総合的に★をつけようと思う。
書籍などから得た情報や、ここCBNのレビューなども評価ベースに含まれてくるのはご容赦を。
初期コスパ:通り一遍のもの一式の価格についての(私の思う普及用レベルでの)評価。
維持コスパ:システムを使いつづけるために必要な品の数及び価格に対する(私の思う普及用レベルでの)評価
シュミの世界というのは上には上があるもんですからね・・・
快適性:いわゆる乗り心地。自身で試してきたセットの数がごく限られているので、詳しくは各システムの
代表的なタイヤやホイールのレビューも合わせて参照いただきたい。当然ながら、タイヤによって千差万別なもので・・・
耐トラブル:路上でのトラブルの起こりやすさ。また起こったときのシビアさ。実経験が少ないので、
目の当たりにしたトラブル事例も含めて評価。
復旧性:トラブルからの回復の容易さ、またその戻り具合を含めた評価。
【クリンチャータイヤ】
初期コスパ ★★★★★
維持コスパ ★★★★☆
快適性 ★★★☆☆
耐トラブル ★★★☆☆
復旧性 ★★★★☆
一番なじみがあり、とっつきやすいシステムがこれだろう。
私も最初はクリンチャーシステムだったし、普及率?もこれが一番だと思う。
・タイヤは手頃なものから高価な決戦用まで選択肢が多い。
・消耗品として、高いものではないけどチューブやパッチセットが必要になる。
・タイヤの質は様々だが、ビードなどの制約で「極限のしなやかさ」は実現できなさそうな気が。また、リム打ちパンクを防ぐためにある程度の空気圧で運用しなければならないため、使用するチューブによっては乗り心地が悪くなったり、空気抜けが激しかったりする。
・路上でのパンクの際にはチューブの修理及び交換で対応するが、タイヤをそのまま使うためにパンク原因が除去できていなかったり、チューブの組み込み不良による二重遭難的なトラブルもある。
ただ、そういった留意点をクリアすれば、誰が組んでもタイヤ性能をきちんと発揮させることができるという。
タイヤの交換が後腐れなくできる、多分唯一のシステム。タイヤをとっかえひっかえできるのは、浮気性及び研究好きには魅力であると思う。
【チューブレスタイヤ】
初期コスパ ★★★☆☆
維持コスパ ★★★★★
快適性 ★★★★☆
耐トラブル ★★★★☆
復旧性 ★★★☆☆
一番新しいタイヤシステム。普及率はどうだろうか、チューブラーと同程度か、少し高いくらい
ではないだろうか。余談ながら、私の常用するタイヤシステムである。
・タイヤの選択肢は依然として少なく、10種類程度。タイヤ自体に精度が必要なせいか、対応タイヤの価格は高めである。
・消耗品として、シーラントあるいはパッチセット、保険としてクリンチャー用のチューブ。シーラントを事前に注入してしまえば、替えのチューブは余程のことがなければ必要なさそうである。この辺のことについては、ichello氏のレビュー群(たとえば
https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=5850&forum=42&post_id=10182#forumpost10182 とか、
https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=5021&forum=82&post_id=15820#forumpost15820)に詳しい。
・快適性はチューブレスシステムの売りの一つである。ただし、もう一方の快適性が高いというチューブラーシステムとは方向性が逆で、タイヤ自体の剛性と、タイヤシステムのシンプルさという特性を生かして、低圧で運用することができることにより快適性を生み出している。リム打ちのリスクがないというのも手伝っているかもしれない。
なお、走りの軽さとの両立点については、emikan氏が重要なヒント
https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=7070&forum=42&post_id=13384#forumpost13384を示してくださっている。
・タイヤの脱着が大変。慣れていないとかなりの時間右往左往することになる。私も数回の脱着経験があるが、ちょっと外ではやりたくない。
・パンクトラブルは、比較的シビアになりにくい。もっとも、エア抜けなどの問題を回避するために、装着当初からシーラントを少量でも注入しておくべきシステムであるかもしれない。タイヤの裏側の傷がパンクに発展した私の場合、シーラントのおかげで2bar程度の低圧になってしまったが、ぽあぽあとした走りながらちゃんと自走で自宅まで帰ってこられた。峠の下りなどだったらまた話は別だったろうと思うけれど。
・タイヤの着脱に難のあるシステムなので、タイヤを外さずにトラブルから復旧できる手立てを考えておくことが安心利用の肝になる。一方で、サイドを大きく切ってしまったら、クリンチャーシステムの修理と変わらず、当て紙とチューブによって復旧させるしかないだろう。このような場合を除いてはシーラントでの修理とすれば、事故後のタイヤの継続使用は考えられないので、出先ではビードを労る着脱は必要ない、と割り切れそうである。
前述のとおりタイヤの装着は困難だが、組んでしまえば設計どおりのタイヤ性能を発揮するという点はクリンチャーシステムと同じ。
【チューブラータイヤ】
初期コスパ ★★★★☆
維持コスパ ★★★☆☆
快適性 ★★★★★
耐トラブル ★★★☆☆
復旧性 ★★★★★
一番昔からあるタイヤシステムなのか?空気保持にリムが関係しない分、リムの構造が簡素になり、カーボンリムをはじめとする軽量なリムを実現しやすいようである。
・若干すたれつつあるということで、チューブレスほどではないがタイヤの選択肢は少なめ。でも昔ながらの(?)練習用タイヤは、まだ安価に入手できる点でチューブレスシステムよりはコスパは高め。ただし手頃なホイールセットを入手するのが難しいかもしれない。ショップの手組ホイールを入手するのが現実的か。
・スペアタイヤを持つことが必要で、維持コストは高め(最初に、スペアも含めてタイヤを3本買うということだから、初期コスパも少し高い方に引っ張られますね)。また、タイヤをリムに貼るための接着テープの価格も高め(リムセメントでの接着ならコスパは高い)。そういえば、接着剤には強度を保つ期限があるということだが、貼り替えサイクルを越えてタイヤが長持ちしてしまう場合はどうすればいいのだろう。昔ながらのリムセメントでの接着方法のほうが、面倒なことは多いがタイヤの貼り替えが効くし、後腐れがないかもしれない。
・シーラントでパンク修理を行うやり方もある。ピンホール程度であれば既定の圧まで加圧出来るくらいに修理されてしまうし、大きな穴の場合でも、低めの圧ながら、空気を補充しつつだましだまし帰ってくるような芸当ができるという。
・練習用の廉価タイヤでも快適性はじゅうぶんに高い。ビードがなく、縫い目はリムと接して接着されている部分にあるために(余談だが、チューブに糸を巻いてタイヤ構造を作るシームレスタイヤというものがある。タイヤ性能のための一つの究極である)、タイヤ全体の構造に力学的な無理がないのであろう。しなやかなタイヤを作りやすいという利点を活かして、高圧でも運用できるために、乗り心地と走りの軽さが両立できるのだと思う。
・パンクのトラブルに関わるリスク(不意のバーストやタイヤ脱落)は低いというが、ブチルチューブを使ったタイヤの場合は
バーストすることもあるだろうから、油断は禁物かもしれない。
まだまだタイヤ遍歴もトラブル遍歴も少ない中で書いた駄文レビューで失礼しました。
また、気づいたことがあったら追記したいと思います。