購入価格 ¥0(モニター企画提供品)
(サイトでの購入価格は約¥2000(RD)+ ¥3700(15T) + ¥3600(13T)= ¥9300)
CBNモニター企画でパーツを頂きました。この場を借りてお礼申し上げます。またレビューが遅くなった事についてお詫び申し上げます。
経緯
無理をすれば長距離は走れるが、できれば大きな疲労感なく走りたい。ヘトヘトになってゴール後バタリと倒れるより「走りましたけど、何か?」みたいな方が格好イイ。ささやかな見栄と、体力的に無理ができない年齢を向かえ、楽に走れる装備はどういうものだろうと考えて、とりあえずネット検索の旅に出ることにした。
その過程で目に留まったのが大口径プーリー(メガプーリー)のリアディレイラー。以前からチェーン回転時の摩擦抵抗は気になっていて、リアディレイラーにはベアリングプーリーを装着していた。メガプーリーの紹介記事を読むと、バーナー(BERNER)というフレームビルダーが既存のディレーラーを改造し13Tや15Tのプーリーを装着したものを販売しているという。プーリーを大型化することで、チェーンの回転抵抗を減らし、エネルギー消費量を5.85W低減するというなんとも魅力的な記事内容。欲しい!と思ったが、価格も大口径というかクロスバイクが購入できそうなレベル。最近はプレートとプーリーだけのセット販売もしているようだが、それでも高い。
バーナーのホームページ(Schaltwerkeをクリック)
http://shop.berner-bikes.com/drupalprod/これでは手が出ない。なにか良いパーツはないかと、さらなるネット検索で見つけたのがSHIMANO RD-M310-S。入門クロスバイクの定番リアディレイラーらしく8速対応。ブッシュタイプのプーリーは、上が13T、下が15Tとバーナーと同じ構成。この製品ならそのままメガプーリーのディレイラーとして走行抵抗を軽減できそう。しかしよく見るとプーリーは8速仕様の厚手のもので10速チェーンでの使用は難しそう。またプーリーの大型化の理由は回転数を落として抵抗軽減が目的らしい(やっぱりブッシュよりベアリングだよな・・・)。そこで換装用にセラミックプーリーで定評のあるKCNCの製品をチェック。有難いことに13Tと15Tが製品化されている。そうこうしているうちに、ちょうどCBNさんでパーツモニターの募集があり、この経緯とあわせて提案させていただいたところ、ありがたいことにパーツを提供していただけることになった。
ディレイラーと換装用のセラミック・プーリー
組み立て・装着
提供パーツはCBNさんで調達していただいた。ディレイラーと13Tは比較的容易に調達していただけたが、15Tは代理店に在庫切れ寸前のラッキーな1枚だった。提案了承から1週間ほどでパーツが到着。荷解きがてら重量などを計測。う~ん、ディレイラーは全体にごついし重そう。それに正直安っぽい。実際に計ってみると105などにくらべ80gも重い(実測309g)。軽量プーリーとの重量コントラストが強烈かも(笑)。プーリーは軸のボルトを緩めて交換するだけだが、微妙にプーリーのアライメントがズレる。元のプーリーの15Tがやや厚めになっていて、そのまま換装するとプレートが狭くなりチェーンに干渉しそう。そこで手持ちのステンレス・ワッシャーを挟んで組み上げたところ難なくアライメントを揃えることができた。プレートを改造することなく簡単にバーナーもどきが手に入るのがありがたい。これを愛車のディレイラーと交換し、チェーンを通し準備を終えた。プーリー交換後のディレイラーの重量は302gだった。
↑ステンレスワッシャーを入れてプーリーのアライメントを揃えた
組み上げた重量は302gと重い
愛車は長期移動中のためモールトンAM14(20速)ではなく、出先で乗っているモールトンAPBという20インチの自転車で14速仕様。ホイールベースが長く(1070mm)、フラットバーハンドルでMTBに近いジオメトリだがスリックタイヤを履かせて街乗りメインに乗っているもの(20速コンポでの走行レポートは近々追加の予定)。
試走・中距離走行
さて、好天の日に期待に胸を膨らませて自転車に跨り一踏みしてみた。軽い!これが第一印象。噂?は本当だった。非常にペダリングが軽くなる。まだベアリングの当たりが出ていない(セラミックは関係ない?)のに、この軽さは凄い。いつもの坂道で登坂を試みる。え~!!アウターでいけちゃうわけ!? 正直驚きの連続。それまでインナーローで登っていた坂がアウターローで登れてしまう。チェーンは横に引き攣っているだろうにこの軽さはいったい・・・。
トータル920km走行しメガプーリーのありがたさを実感したわけだが、ここで大いなる疑問が湧いてきた。なぜこれほど良いメガプーリーのディレイラーを大手が争って出さないのか?である。吹かしではなく、実際にギア1枚分軽くなる。いや1.5枚か。80gの重量増も吹き飛んでしまうほど。それなのに、それなのにである。特許?ではないだろう。実はバーナーだけでなくマイクロシフトからもメガプーリーのディレイラーが発売される(台北サイクルショー2013)。しかしシマノ等からのアナウンスはないようだ。何故?
ところで、装着した自転車のスプロケットは11-28Tの7速だが、ギア比での軽さということではなく、スプロケットが小さくなることによるペダリング抵抗に差があることに気づいた。11Tの方が重いのである。やはり曲げによるチェーンの摩擦抵抗増加が原因なのか。そのことからメガプーリーは、ヒルクライムなどのギア比が小さいシーンで最も実力を発揮しそう。
バーナーのメガプーリー・ディレイラーが出た当時は、トッププロも使用していると騒がれたようだが、それ以降この手の話題が大きなニュースになっていない感じがするが(ネット上で)、体感的には圧倒的に優位なメガプーリー。これからも、この仕様で使い続けるつもり。
今回は、パーツ提供で大変有意義な体験をさせていただいた。あらためてCBNさんにお礼を申し上げます。(なお、SHIMANO RD-M310-Sそのもののレビューも投稿の予定)
長文失礼いたしました。
価格評価→★★★★★(ありがとうございます)
評 価→★★★★★(80g増をどのように評価するかではあるが・・・)
<オプション>
年 式→2013
実測重量 302g