石垣島をはじめとする八重山諸島のなかで最も南に位置する波照間島。
日本最南端の有人島です。
私が波照間島に行ってきたのは、新石垣空港が開港したすぐ後の3月中旬。
気温は最高25℃程度、日差しが強い。
ただ湿度は高くなく、快適なサイクリング日和でした。
2013年3月現在、波照間島へは、石垣島から高速船で向かうのが唯一の交通手段となっています。
石垣島~波照間島は1日3便、直行便の所要時間はおよそ60分、西表大原経由便は75分。
フェリーは大きく揺れるため、乗り物酔いしやすい体質の人は酔い止め服用必須でしょう。
フェリーには有料で自転車も載せることができるようですが、今回は輪行バッグに入れて搭乗しました。
朝一のフェリーで石垣島を出航し、およそ1時間船に揺られ、波照間島の旅客ターミナルに到着。
自転車を組み立て、出発です。
宿に荷物を預けるために一旦集落へ。
宿のすぐ近くにはこの島の泡盛「泡波」を造っている波照間酒造所がありました。
島の売店では100mlのミニボトル泡波がたくさん売られてます。
集落を出て、島の周回道路を時計回りに走ってみました。
畑と牧場に囲まれた、信号も標識もない、広くまっすぐな道路を走ると、風の音だけが聞こえてきます。
島での移動はレンタサイクルを利用する人が多いでしょうが、
道路には日を遮る木々もないので、夏場には特に水分補給のために飲み物を調達してから走ることをお勧めます。
このあたりは人を見かけるよりも、ヤギや牛を見かけるほうが多いです。
施設の立ち入りを注意する看板も、ヤギはお構いなしです。
島の北側の道を東へ走ると、二台の風車が見えてきます。
波照間の風力発電機は可倒式、つまり台風などの強風を避けるために風力発電機を倒すことができるというものです。
「ベスマースィカラ」、「あったらさやー」と名付けられており、波照間の方言でそれぞれ「波照間の力」、「もったいないもの」という意味だそうです。
島の最東端には2008年までは使われていた波照間空港があり、その周囲にはやはり畑が広がっています。
空港から南方向へ進むと、星空観測タワーがあります。
旅客ターミナルの、ちょうど島の反対側に位置しています。
夜間には星空観測タワーの屋上で、星座案内や、南十字星の見つけ方講座のようなことをしています。
宿から送迎をしているところもあるので、宿泊の際には相談してみるといいでしょう。
タワーから海岸沿いの遊歩道を少し歩いたところが、日本最南端の地点となります。
最南端には3つの碑が設置されています。
写真の三角形をしたものが一番古いようです。
この付近の海岸線は絶壁に打ち付ける荒々しい波と大海原が広がり、北側の穏やかなビーチの風景とは違った一面を見ることができます。
その後、集落を通り、再び波照間港方面へ走りました。
道端には「ニシ浜→」という看板が所々置いてあります。
この看板にしたがい走り、最後に坂を下ると、
前方に鮮やかな青色をした海が開けてきます。
まだ若干水は冷たかったけれど、ちょうど海開きの日でもあったため、透き通った波照間の海を楽しみました。
ニシ浜のそばに製糖工場があり、黒糖を作っています。
ニシ浜で泳いでいると、たまに工場からシューッっと蒸気が吹き上げられています。
集落の店では、この黒糖を使った黒糖アイスを売っています。すごく甘いです。
また、泡波を使った島酒アイスはさっぱりとした味わいで、こちらも美味でした。
波照間島は広く青い空の下、透き通ったビーチや何もない風景をのんびりと過ごしたい人におすすめの島です。
ビーチではシュノーケリングを楽しむこともできます。
道路は広く、たまに見かける大型トラックを除けば車もほとんどいないので、気持ちよく走ることができます。
島を一周走るおよそ12kmの道のりは、少し起伏があり、港から集落への坂など、ところどころ急な坂道がありますが、ママチャリでも走れないことはないと思います。
アクセスは乗り継ぎは多いですが、飛行機とフェリーを乗り継ぐだけで行くことができます。
ただし、波照間付近の外海は荒れることも多く、フェリーの欠航も多いようですので、スケジュールには余裕を持ったほうがいいかもしれません。
またいつか、ゆったりとした時間を過ごしに行きたいと思います。
アクセス→★★☆☆☆
景 観→★★★★★
おまけ:波照間のマンホールと最南端の自動販売機