購入価格 £208(フレーム価格)
【前置き】
この自転車との出会いはどこだっただろう。
記憶が正しければ、pumaの店頭でダウンチューブがワイヤーになった自転車を見たことがきっかけだったかもしれない。
見た目のインパクトに惹かれ、「ダウンチューブ」「ワイヤ」で検索したのだと思う。
それで見つけたのが「Slingshot」だった。
「なんでダウンチューブがワイヤなの」
「こんなのでちゃんと走れるの?」
「トップチューブと後ろ三角の繋ぎが樹脂!?」
頭がはてなマークだらけだった。
「何これカッコエエー」
当時MTBには全く興味が無かったが、インパクトだけは強く心に残った。
次の出会いは、2011年の正月にふらふらとwebショッピングに勤しんでいたときだ。
「うお。Slingshotが売ってる。しかも£200程度・・・!?」
特に組む予定も、予算も無いのに、心の底からIYHだった。
予定も予算もないために、この後暫く放置されることとなる。
自転車部屋(と私が勝手に名付けている部屋)の片隅に2年間放置されてしまった。
組むきっかけとなったのが、このサイトで選んでいただいたBlitz2のモニターレビュアーとなったことだった。
MTBの楽しさを知り、この自転車を初めて見た時に感じたことがまたふつふつと心に起き上がってきた。
「ダウンチューブがワイヤなのってどうなんだろう」
「これで山走れるのかな」
「これで山に行ってみたい」
半年ほどの期間をかけ、中古パーツやなんかを徐々に集め、2012下半期BRAでmascagni賞の副賞が最後のホイール購入の引き金となり、この1月に完成した。
このサイトのお陰で出来上がった一台といっても過言ではない。
【組み上げ・セッティング・パーツ構成】
見た目は非常に奇抜ですが、組み上げ/セッティングでの苦労は特にありませんでした。
普通にヘッドパーツを組み入れ、フォークを差し込み、ホイールを組み入れ、クランクを差し込み、ディレイラーを付け、ワイヤリングしてしまえばひと通り完了です。
特殊工具等が必要になるということはありません(普通の自転車を組むに比して、という意味合いで)。
特にダウンワイヤ(と呼んでいいのだろうか)ゆえの調整等は行わなくてよさそうです。
ただ、ダウンワイヤの張りの調整は可能なようです。
が、まだいじっていないので、何か変わるのかはわかりません。
BB側はこんなピンで止まっています。
結局パーツ構成は以下のようになりました。
フォーク:Manitou Axel Plutinum
ドライブトレイン:Shimano Deore LX-XT
ブレーキ:Shimano Deore機械式
ヘッドパーツ:FSA Orbit-X
ハンドル:Easton EA-50
シートポスト:Easton EA-30
サドル:BLKMRKT(VeloのOEM品)
グリップ:KCNC EVA Foam
ホイール:Fulcrum Red Power XL
【外観】
これですよ。これ。
この自転車はやっぱりこれでしょう。
見た目!
外観!
唯一無二のこの外観。
[注:ダウンチューブワイヤ機構の自転車は他にもあります]
ドドーン
ババァァァァン
ごんぶとのトップチューブ。
頼りなげなダウンチューブのワイヤ。
この見た目だけでご飯五杯は固いです。
ボトルケージはシートチューブのみに取り付け可能です。
が、ここ泥をもろ被りします。
ボトルはキャップ付きのものをチョイスしてください。
【走り】
一番の気になりどころはやはり「走り」ですよね。
上記パーツ構成で14kg程度と、決して軽くはない自転車となりました。
踏んだ感じもパリっとしたところはありません。
特に剛性感の無さが気になってくるのは中高速域です。
35km/hを超える辺りから速度を上げていこうと、出力を上げると、踏みに併せてヨレが生じます。
やはり、剛性は低いのでしょう。
一秒を争うようなレースには向かないと言えるでしょう。
でも、この自転車の良さは
低速域での気持ちよさ
です。
この自転車のデザインが、デザイン優先でなく機能から生まれたデザインなんだと思わせてくれる乗り心地の良さです。
剛性感の無さについては、低速のうちは特に気になりません。
ぶんぶん自転車振りながらダンシングしても問題ありません。
登りも全く問題無いです。
【折りたたみ】
実はこの自転車Fold-techというだけあって
「折りたたみ自転車」
なんです。
が、折りたたみには
かなりごっついアーレンキーが必要となります。
重量もあるので、あまり持ち運びに向いているとは思えません。
今のところ折りたたむ気は起きていません。
【総評】
もともとこの自転車は、創業者がダウンチューブが破断した自転車に乗った際の乗り心地が忘れられず、しかしダウンチューブが無いままだと耐久性が低いため、その耐久性を上げるべく試行錯誤して作り上げた自転車だそうです。
リアサス付き自転車のように、衝撃を吸収するほどの働きはしませんが、確かに乗り心地は非常に良いです。
fold-techという折りたたみ故なんでしょうか。重さと、剛性の無さは若干気になりますが、この乗り心地の良さと取り回しの軽さのため、のんびり走り回るには非常に楽しい自転車になっています。
現在、目的があって山に行くときはBlitz2、特に目的無くポタリングしたいなぁというときにSlingshotと、いい具合に住み分けて使用しています。
こんな道散策するのも楽しくて仕方がないです。
何よりこの自転車は、この特徴的なデザイン。
ダウンチューブがワイヤーになっているのは、前述のpumaのpuma bike2や、そのOME元のbiomega boston等もあるのですが、私としてはこのslingshotが一番好きです。
この見た目に惹かれてしまったら、もう買うしか無いんじゃないでしょうか。
価格評価→★★★★☆(フレーム自体それほど高くないけど、結果的に出費はそれなりだった)
評 価→★★★☆☆(スポーツバイクとして高く評価は出来ないけれど、とっても可愛い子です)