自転車の漕ぎ方
『引き足ってどういうこと・・・・?』
引き足を意識したペダリングについて経験を交えてあれこれ考えてみました。 こう書くと「いまさら・・・」と諸兄に叱られそうですが、時々雑誌などで見 かける「ビンディングで足をペダルに固定すれば、足を引き上げる時にも漕ぐ事が出来ます」みたいな話しとは感覚的にずいぶん違うので、あえて書いてみることとします。
はじめに「それじゃお前の言う引き足ってナンだ?」と聞かれたら、「それは力をムダにしないための引き足です。」となります。これだけで御意!と仰る方は、以下は読む必要はありません。反対に?ってな方はお時間があれば読んでみてください・・・。
では、説明します。
いきなりですがフラットペダル(=Notビンディングペダル)の自転車に乗るとき、漕いでいてペダルが足から離れますか?普通は離れません。当たり前のようですが、なぜか考えてみてください。そう、踏みおろすときは足がペダルを押しているので当然ですが、戻ってくるときは“ペダルが足を押し上げている”から離れないのです。それではその押し上げる力はどこから来るかと言えば、それは反対側の足がペダルを踏みおろす力からです。つまり片方で踏みおろす力の一部は、反対側の足を(ペダルを介して)押し上げることに消費されているのです。簡単に言えば“足が廻す上での抵抗になっている=力がムダになっている”のです。
このことは以下を試してみれば、実感できるかと思います。
足をペダルに固定しない状態で、重いギアでペダルを廻してみて下さい。このとき戻ってくる(=時計で言えば6時から12時)足を、ペダルから浮かせられますか?ケイデンスが低いので出来るはずです。それではギアを軽くしてケイデンスを上げてみてください。80rpmでは?出来るかもしれません。100rpmではどうでしょう?だんだん足を浮かせるのが難しくなるはずです。そう、足が浮かなくなる=それはペダルで足を押しあげている=すなわち廻す上での抵抗になっているのです。「いや、オレは出来るよ!」という諸兄もいるかもしれませんが、それもケイデンスが高くなると簡単ではないと想像します(少なくとも自分は出来ません・・・苦笑)。
もうおわかりですね、この抵抗を最小限に抑えるために“引き足”はあると自分は理解しています。「そんな理屈はいいから、どうやって漕げばいいか書けよ」という諸兄のために一言・・・・膝蹴りしてください。いや、まじめに書いてます。そう、膝をおもいっきり胸めがけて引き上げるのです。それからペダルを踏み下ろすことは忘れてください。蹴りあげた膝が勝手に下がって行くのに任せるだけで十分です。ついでながら、足をペダルに固定するのはペダルと足の位置関係がずれないようにするためで、足でペダルを引っ張りあげるためではないと思います。
自分はこのことを意識するようになってから、平地やちょっとした坂がずいぶんラクになりました。客観的な数値で言えば、3本ローラー上での巡航速度が3~4km/hほどUPしましたし、実走時でもケイデンスが10rpmほど上がり(つまり同じ速度ならより軽いギアでクルクル廻せるようになり)、距離を伸ばしても以前ほどタレなくなりました。ただし、ゴール前のスプリントやヒルクライムなど、踏むペダリングが必要な場面では、また違ったスキルが求められるような気もします~このアタリは今後の課題とするつもりです。
価格評価→☆☆☆☆☆(タダなので) 評 価→★★★★★(ただし、なるほど!と実感できた場合に限る)
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