購入価格: 20ドル ※JensonUSA
標準価格: ¥ 2,980(税込)
『非常に良くできたコグだが、1mm厚のスペーサーが必要かも』
私は FIXER RというGIANTのシングルスピードに乗っている。
厚歯用のスプロケット戻し工具を入手して以来、いろいろな歯数のコグを試したくなり、
特に大きな歯数のコグを、街乗りやポタリング、ローラー台を軽く漕ぐのに使いたいと思った。
14〜16TはDURA-ACE TRACKを持っているが、競技用だからか17T以上の歯数はない。
このコグは加工精度が高く、歯のかかり、チェーン離れ、静粛性、いずれも申し分ない性能だった。
DURA-ACE TRACKコグを基準に、17T、18Tのコグを選んだ。
クロモリ鋼、高い切削加工精度、カラーがブラックのコグを手に入れたかったので、
海外通販でお手頃な価格だったAll-Cityというトラックバイクのメーカーのコグを選んでみた。
このコグは台湾製で、All-City以外にも様々なメーカーから同じ形状のコグが出ている。
Halo、Eighthinch、ヤフオクやピスト専門店で扱っているノーブランドのコグ等は、
台湾の同じ工場で作られているのだろう。肉抜き穴の形状とコグに印刷された字体に特徴がある。
Haloのコグをショップで見たが、All-Cityのコグと全く同じ形状をしていた。
この形状と字体のコグは、おそらく同じ工場で作られている。
このコグはCNC旋盤加工による精度が高く、表面処理がとても美しい。
17T以上の端数のコグは、軽量化のために肉抜き穴が5つ空いている。
DURA-ACEよりも歯先の形状が少し大きいが、グランジのコグよりはずっと小さい。
歯のかかりとチェーン離れが心配だったが、実際には静かでなめらかな動きだった。
歯先がDURA-ACE TRACKよりも大きい
悪くないコグだが、他のコグにはない大きな問題点がある。
実はこのコグを取り付けると、チェーンラインが1mm内側にずれてしまう。
米国のAmazonのレビューでこのことが指摘されていたので、実際に確かめてみた。
米Amazon:
http://amzn.to/XqRx68FIXERの純正リアホイール、Haloのホイール両方で、17T、18T共に以下の画像のようになった。
左:DURA-ACE 右:All-City(歯先が内側に寄っている)
DURA-ACE、グランジのコグの厚みは8mmだったが、All-Cityのコグは7mmと1mm薄い。
DURA-ACEとの比較(上段)、グランジとの比較(中段)、DURA-ACEとグランジの比較(下段)
多段変速のバイクなら、チェーンが斜めになるので気にしないでもいいのかもしれないが、
シンプルな構成のシングルスピードでチェーンラインのズレはちょっと残念だ。
そこで、SHIMANO DURA-ACE CS-7800のロースペーサー(t=1)を挿入することにした。
All-Cityのコグに合わせてみると、厚みがDURA-ACEと同じ8mmになった。
左によっていたチェーンが真ん中に来て、チェーンラインを修正することができた。
スペーサー有無で50kmずつ試してみたが、スペーサーがあると得られる結果が全然違って驚いた。
スペーサーがないと、下ハンを持った時とトルクをかけた時に、特に音が気になった。
スペーサーが入ると、チェーン離れがかなりスムーズで、ほとんど音がしなくなって快適だ。
しかも、大きな歯先と相まって、歯数の多い18Tでも力がかかりやすく、推進力を得やすい。
たかが1mmのチェーンラインの差が、ここまで影響するとはシングルスピードは実に奥が深い。
チェーンラインの問題は、言われれなければ全く気にならないし、グランジよりもずっと快適だ。
だが、新しい楽しみのためにせっかくコグを交換したのだから、ここまでやっておきたいと思ったのだ。
JensonUSAという海外通販サイトを利用したので、送料を含めても国内のコグの半分の価格で買えた。
スペーサーの使用は想定外であったが、この価格でこの性能ならかなり満足だ。
これからこの形状のコグを交換する人は、チェーンラインの問題を覚えておいてほしい。
スペーサーを使用するなら、大変素晴らしいコグである。
価格評価→★★★★☆ (海外通販なら安い。国内通販なら高い)
評 価→★★★★☆ (チェーンラインの問題以外は満足)
<オプション>
カタログ重量→64g(17T)
(追記)
価格改定により、2013年から2100円になった。
Haloのコグは3150円なので、この値段なら本当に良いコグだと思う。
ALL-CITY STANDARD COG モトクロスインターナショナル:
http://www.ride2rock.jp/products/bike.php?id=31762