SHIMANO RS80A-C50
購入価格 ¥70051
長い間使いたいと思っていたディープリムのホイール1本目として選んでみたホイール。ホビーライドで使う程度のレベルでのコスパを考えてこれにしてみた。いつも通り自店購入(あえて書く意味も無いか)
前モデルのRS80-C50と比べると「デザイン変わっただけじゃないの?」と思ってしまう。それもそのはず。2012年のカタログで仕様が変更になってからの前モデルとは価格を含めたデザイン以外の全ての仕様が全く同じなのだ。 せっかくだから新しい方にしておこうというだけの理由でこっちを選んだ。
【見た目などについて】 型番だけのシンプルなデザインだった前モデルと一風変わって、風の流れをイメージさせるデザインの中にRS80の文字が入っている。割と派手なデザインだと思う。回転時はまさにトルネードだ。
この模様は当然カーボン部分にあるのだが、ただのステッカーであって上からクリア塗装はされていない。そのような所で価格を落としているのだろう。 そしてカタログで見る限り白い模様に見えるのだが、実際にはミラー状になっていてかなり光る仕様になっている。
デュラエース9000シリーズは23mm幅のワイドリムになったが、RS80A-C50は従来の20.8mm幅を採用している。ワイドリムの方がエアロ効果は優れているとされているのでせっかくならワイドにして欲しかった。 ただ、WH9000-C50-CLは最高タイヤ圧が8barまでに制限されているのでワイドリムにするとタイヤを保持する力が低下するのだろうかという疑問も生まれた。
【タイヤ等の装着について】 バルブを延長するか長いバルブのチューブを使う必要があること以外は普通のクリンチャーホイールと同じ。バルブエクステンダーが付属しているのでそれを使用すればとりあえずは問題無く使用できるが、空気圧管理が出来なくなってしまうので出来ればバルブコアの外れるタイプのチューブ(シュワルベ、ヴィットリア等)を用意してバルブコアごと延長した方が良い。
とりあえず付属のエクステンダーを使用して装着するのだが、バルブ穴を見るとカーボン繊維が蓋をしている。。 一応穴としては貫通しているが長い繊維が覆い被さっているような形になっていた。流石にこの仕上げは無いだろ。。と思ったがいかんせん初カーボン製品なもので基準が分からない。誤って触ると危ない事と無駄な重量増加である事は分かった。パンクには影響しないのだろうか? むやみに触る訳にもいかないのでそのままにしておいてタイヤ・チューブを装着。走行中バルブが暴れないようにするためのシールが付属しているので貼っておく。 あとは普段通りスプロケとクイックを装着してエアーを入れれば準備完了。 走ってみようと思う。 今回の使用パーツは以下の通り タイヤ:MAXXIS デトネーターフォルダブル23C 7.5bar 重量未計測 チューブ:VITTORIA ULTRALIGHT 48mm(バルブコアは外れません)90g スプロケ:CS-5700 11-25T 実測重量記録漏れ クイックリリース:TOKEN シャークテイルQR SUSシャフト 重量未計測
【使用感などについて】 最初は通勤に使う道をゆったり走っていただけだったので、靴もスニーカーだしジャンパーも着ている。そのような状態ではエアロ効果はあまり感じられず、ただ横風をモロに食らうだけのホイールに感じてしまう。後日ちゃんとした装備で乗ってみてやっと効果が見えてきた。
まずディープリムということで加速の鈍さを覚悟していたが、意外とそうでもなかった。R500などの安価ホイールに慣れている自分にとってはむしろこちらの方が軽快に感じることもあったぐらいだ。デュラエースと同じリムと言われるだけあってそれなりに軽いリムのなのだろうか? ニップル内蔵式ではないのでスポーク長が短いことで剛性アップにも繋がっていると思う。その影響かは分からないが踏み込んでからスピードに変わるまでのタイムラグは短くなったように思う。
そして30km/h辺りからエンジンに火が点いたかのように一気にスピードが伸びてくる。これには驚いた。これがエアロ効果なのだろうか。 これまで使っていたR500やRS20などは36km/h辺りからスピードが伸びなくなり、スピード維持も辛くなるがこのホイールはスピードの上昇に伴う足への負荷の上昇が緩やかだと感じた。 もちろん自分の脚程度では50km/hをずっと維持することなど出来ないが、平地で40km/h以上で巡航できた時の爽快感はかなりの物だった。 自分としては軽めのギヤで回転を上げるより少し重めのギヤで落ち着いて回した方が適していると思った。
コーナーに入るとあまりクイックに曲がってくれない事に気づく。 前モデルのレビューで「車体を垂直に保つ力が働く」といったような内容を見たが、それに近い感覚。なのでいつもの力で倒し込んで行ってもあまり倒れてくれないので結果スローステアになる。この辺は慣れで何とかなるかもしれないが初めは注意した方が良いだろう。 これを上手く利用すれば綺麗なラインで曲がって行く事も出来るようになる。
走りに行った日はかなりの向かい風・横風が吹いていて、ちょうどよくエアロを体感する事が出来た。 向かい風の時は減速が少なくて済むのでハイスピードを維持したまま向かい風の区間を抜けられた。車体も安定している。いつしか同行人はかなり後方に。。 しかし横風の区間に入った途端、制御が難しくなる。ずっと同じ側からの風ならまだ良いが、風が巻いているような所ではどうしようもない程車体が振られた。一箇所突発的に横風の強い所があったが、そこを通った時には前輪が浮いて横へ飛ばされた。バランスを崩し落車しそうになったがなんとか持ち直せた。 横風への素早い対応が今後の課題になると思う。
もう1つの課題になる登りだが、スニーカーで乗った時はとても重く感じてしんどかったが、SPDシューズで乗った時はそうでもなかった。当然と言えば当然の話だが、ローハイトホイールと比べその差が大きかったように思う。 スニーカーで乗ると脚の力がかなり逃げるのでスピードが上がらず、ホイールの重さだけが働いて連鎖的にしんどくなっていく感じ。 しかしSPDシューズで乗ってやるとホイールの剛性が働いてくれるのか、しっかりと脚の力は推進力に変わり、鈍いながらもスピードは上がってくる。そして強い慣性が働いている間に次のパワーを入力してやればスピードは維持できる。そんな印象だった。
短距離もしくは低勾配の登りならこうして対応できるが、流石に長距離、急勾配の登りには対応できない。クライマーさんの練習用には良いだろうが、そうでない人は素直に軽量ホイールを買いましょう。
下りに入ればもうこっちのもの。いくらでもスピードが出る。向かい風下の緩い下りであっても漕いでいなくてもスピードが上がってくる。安定性も優れているので安心して下れる。しかしスローステアになっている事を忘れてはいけない。無理せずゆっくり曲がったところでどうせまた直線で追い付けるのだから。 リムサイドはアルミなのでブレーキもこれまで通りしっかり効いてくれる。
乗り心地は少々硬め。アルミホイールを使ってきた人ならほとんど違いは感じないだろう。
【最後に】 いろいろ良いように書いてきたが、あくまでも平地用である。平地で使う目的ならなかなかおススメできるハイパフォーマンスローコストなホイールである。オールラウンドに使いたいなら別のホイールにした方が良い。
残念だったのがシマノとしては珍しくカタログ重量からかなり外れていた事だ。コンポーネントと違ってホイールでは重量差が出やすいのかもしれないが、前後とも40g程度重かったので流石に落ち込んだ。 カタログ重量 F:769g R:993g(合計1762g リムテープ無し) 実測重量 F:806g R:1040g(合計1846g リムテープ無し) リムテープ:17g/1本 カーボン製品は重量差が出やすいと言うが、100g近くRS20より軽くなる事を見込んで購入しただけに20gぐらいしか軽くならなかったとなると惜しい気分になってしまった。それさえ無ければもっと高得点をあげられたのだが。。
ちなみに前モデル(恐らく11年モデル)とはリムが別物になっていて、リム単体の価格も2000円程安くなっている。リム単体重量の変化は分からないが、バルブ穴の仕上げや重量差はこの影響なのだろうか?そうでないならその2000円はどこに使われたのだろうか。 価格評価→★★★★★(店員価格だがこの値段は安い) 評 価→★★★★☆(重量差で-1) <オプション> 年 式→2013 (出来れば写真を載せたかったのだが、デジカメがお釈迦になってしまい写真を撮る手段が無いので載せれなかった。)
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