購入価格 ¥5040
馬鹿野郎!
「御校の教育理念に共感」だの「地域に根差し、開かれた校風に感銘を受け」だの、
どいつもこいつも守りの面接ばかりしやがって!
確かにセオリーは大切だ。しかしそれはスタートラインに立つ前提条件であって、そこから先は攻めなければ活路は見出せないんだよ!
ここまでの流れでどうやら賢明な諸兄は気付いただろうな。
・・・そう、面接と自転車競技は相通じると・・・
あれは俺が前任校での任期を終え、新しい職場が決定した4月のある日の出来事だった。
なんと今度の勤務校は俺の母校であり、その学校はちょっとした山の上にあった。
のぼるルートは4つあり、そのうちひとつが群を抜いた激坂である。
フッ、学生だった頃の俺なら、距離が長く傾斜の緩い桜坂側を選ぶところだろうな・・・
デヤァーーーッ!
通勤用 GIOS AIRONE に装着した TIOGA シュアーフットコンパクト を踏みしめる俺の気合がこだまする。
その様子を見たバスの中の女子高生が、こんな会話をしているのを俺は確かに見た。
女子高生A「知ってる?小林先生ってあんな高そうな自転車に乗ってるわりには遅いのよ」
女子高生B「こないだ、2-Bのちひろに抜かれてたわ」
女子高生C「わかるわ」
ばっ・・・馬鹿野郎!
2-Bのちひろが乗ってるのは電動アシスト自転車じゃないか!
無知ゆえの罵詈雑言に俺の意識は朦朧となった。
俺「どうやらこのコースはもう通勤には使えないな・・・」
この日の帰り際に俺は自転車屋に立ち寄り、愚痴をこぼしていた。
俺「・・・なんすよ。まったく、知らないとはいえ、いやになっちまうぜ!」
すると店長が不動明王像のごとく憤怒の表情になりながら、
熟練の木こりでも切り倒すのに数時間はかかるであろう丸太のような腕で俺を殴りつけて吹っ飛ばした。
俺はそのまま数メートル吹っ飛びホイールラックに打ち付けられ、
その衝撃でライトウエィトやBORAやR500が次から次へと降り注ぐ。
俺「あぁ・・・もぅダメだ・・・
ひときゎ重いあのR500が当たったら死んでしまう・・・
270W、4.5W/kg程度で俺は死んでしまうのか・・・
はかない人生だった・・・」
死を覚悟したその時、降り注ぐホイールたちを遮るかのように俺の上に店長が覆い被さって俺をかばっていた。
彼の鍛え抜かれた広背筋は力強く隆起してすべてのホイールを弾き飛ばし、おどろくべきことにかすり傷一つついていなかった。
ホイールの直撃を命からがら免れた俺は店長に言った。
俺「な、なぜこのまま死なせてくれなかったんですか!
俺みたいな貧脚オールラウンダーは生きてても意味がないですよ!」
すると、店長は明らかに背中に直撃したホイールの痛みのためではない涙に頬を濡らしながらこう言ったんだ。
店長「馬鹿野郎!他人の目を気にしてトレーニングを疎かにするとは何事だ!
誰でも最初は初心者だし、貧脚なんだよ!
俺達が一日で標高2000mを越えられるのも、福岡~指宿を20時間で走破できるのも、
雨の日も風の日も雪の日も自分の為にトレーニングを続けたからこそなんだ!
迷わず行けよ、行けばわかるさ!!」
俺は自転車歴8年にもなろうというのに、いまだに他人の目を気にして己の曲げてはいけない筋を曲げてしまう自分自身の弱さを恥じた。
あの坂を無心でのぼり切ることができたとき、俺は自転車乗りとして、またひとりの人間として、ひとまわり大きく成長するのだろう。
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【要点をまとめます】
フラットペダルの定番のひとつ(たぶん)。
靴底に食いつく力が強い。
シッティング時は、さすがにビンディングペダルほどではないが、上死点・下死点付近でも前後に送り出す力が加えられる。
100回転/分くらいまでは比較的違和感なく回せる。
ダンシング時は、もう少しペダル面が大きいほうが安定感があるのに・・・とも思う。
フラペ共通かもしれないが、ビンディングペダルのときより少しサドルを低くセッティングした方がしっくりくる。
用途としては、通勤や街中ちょい乗りなどビンディングを使いたくないとき。
また、副次的効果なのだが、普段ビンディングを使っている者にとって
自分のセッティングやペダリングを見直す機会になる。
私もひさしぶりにフラペでロードに乗って、ストレスのない膝の向きに気がつき、
クリートセッティングをちょっと変えることになった。
6mmのアーレンキーで着脱。
ペダルレンチは使えません。
価格評価→★★☆☆☆(お店によっては105ペダル(黄クリートつき)が買えちゃう)
評 価→★★★☆☆(フラペとしてまずまず。でもこれでなくてはいけないとまでは言わない)
<オプション>
年 式→2010
カタログ重量→ 204g(実測重量 202g)