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Hollowgram SL他、スパイダー交換可能なタイプのクランクでロックリングを脱着するための工具。
スパイダーを交換できるのは魅力に違いないのですが、実際の脱着作業はかなり難儀なものです。ロックリングは薄いアルミ製で取付の指定トルクは47Nm(Hollowgram SLの場合)と、かなりガッチリ締めなければなりません。しかもこのロックリングにはLoctite 242(中強度)の併用が指定されていて、わずが2回転ちょっとのスレッドとはいえ30mm超の径ですから、外す際必要となる脱出トルクもかなりのもの。しかしCannondaleから出ている純正工具は、ロックリングの4本のツメを引っ掛けて回すソケットタイプのもので、鉄製3/8インチドライブのカップにツメが付いているだけという至ってベーシックなもの。ドライブサイドをアームごとスピンドルから外したら片手にアームを、もう片方に長いトルクレンチを握り締めて工具のツメがロックリングから外れないように押さえつつ、レンチとスパイダーに指を巻き込まれないよう用心もしながら50Nm近くまで締め上げろというのはまず不可能な話で、スプロケットのロックリング脱着のように簡単にいくものではありません。安全・確実を期すならば、クランクアームを養生して大型のバイスで固定し、ソケットがロックリングから外れないよう上から片手で押さえつつ、空いた手でトルクレンチを回すのが正しい作業手順。当然大きなバイスを支えられるしっかりしたワークベンチ又は机も必要で、ここまでやってもアームがバイスから外れでもしたら大怪我につながりかねないので、正直頻繁にやりたい作業ではありません。2~3度やっているうちはずみで指を飛ばしてしまうのが怖くなって、一部のスプロケットロックリング回しやBBカップ回しのように固定できる機能が付いているものがないかなぁ、と探して見つけたのがこのCT-001です。
実際に使ってみるとCT-001の方が圧倒的に使いやすいです。
このCT-001はフィキシングボルトの穴からボルトとコレットを通してロックリング回しとスパイダーが固定できるため、工具をロックリングから外れないよう片手で押さえておく必要が無くなります。チェーンリングさえ外しておけば、片手にクランクアームを、もう片方にレンチを握って挟み込むようにしてバイス無しでロックリングを脱着することも可能(とはいえトルクレンチを使う場合正確なトルクが検出できなくなるので、バイスで固定するべきなのですが…)。ドライブは3/8インチまたは24mmソケットが使えます(スプロケットロックリング回しと共通)。
以上、使い勝手は最高だったのですが少し不安な点も・・・
それは細いピンでツメを回していること。純正工具は□断面ですので面でロックリングのツメを押しているのですが、このCT-001は細いピンが打ってあるだけの点接触なので、ツメに力が集中してロックリングを破損してしまわないか少し心配になります。ロックリングのツメが正常な状態ならばその心配は杞憂で終わるのですが(BB30/PF30兼用のツメが薄いLockring SL Mk3でも大丈夫だった)、作業をしくじるなどしてツメが傷んでいる場合は破損してしまうこともあるかもしれません。どうしても傷んだロックリングを外す必要に迫られているなら、純正工具の方が安全そうですね。
ピンの件だけは気になってしましたが、その他はケチのつけようがない出来でした。純正の定価より$20も高いですが、十分ペイすると思います。
価格評価→★★★☆☆(高いが、納得できる)
評 価→★★★★☆(使い勝手は素晴しいが、ピンの形を改善してほしい)
実測重量142g