購入価格 ¥17,424円(前後パーツ代合計)
自身初の自作手組ホイール。
失敗もありうるので出来るだけオーソドックスかつ安いパーツを選択していったらこの組み合わせになりました。
【前輪の構成】
ハブ;5700系105 32H
スポーク;星#14ストレートスポーク
リム;KINLIN XR-19W 32H
6本取りイタリアン組
スポークテンション 約120kgf
【後輪の構成】
ハブ;5700系105 32H
スポーク;星#15ストレートスポーク
リム;KINLIN XR-19W 32H
6本取りイタリアン組
スポークテンション フリー側約150kgf 、非フリー側120kgf
自身初めての手組でしたので、『ロードバイクの科学』を片手に作業しました。私個人の感覚ですが、ホイール組作業は組むというより編むという感じでした。編み上げたスポークにテンションを掛けて締め上げ、形にするイメージ。編み上げる過程で何故ホイールはこのような構造になっているのか考えながら作ったら非常に勉強になりました。スポークを編み上げたら適当に締め上げ、振れを取って作業完了。選んだパーツの精度が良かったのか、特に苦労もなくあっさり完成。クロモリフレームに装着すると超地味でしたが、意外と似合う。
では、実走行テストです。走行性能の比較対象はフルクラムレーシング3 。普段乗ってるロードからホイールのみを入れ替えて検証。タイヤもチューブも駆動系も同一銘柄同一個体です。
【加速性能】 手組み>>完組み
レーシング3はパリッとした堅い円盤を回す無機質な感じ。それに対し、手組はハブを捩じ上げ、テンションが掛かったスポークを更に締め上げ、その結果進むという力の伝わり方が分かって非常に面白い。蹴り出しの力も強く、ガチ踏み加速中にちょっと油断して前荷重にすると瞬間的にホイールスピンを起こしてちょっと驚いた。この現象はレーシング3では起こりません。また、30km/hまで踏み込む回数も1~3踏み分少ないので加速性能は手組の圧勝という結果でした。
【ハンドリング】 手組み>>完組み
レーシング3は向きを変える時ちょっと重くてワンテンポ遅れる感じがあるのですが手組はスッと向きが変わります。思った方向にストレスなく曲がります。
【巡航】 手組み<完組み
レーシング3の圧勝。30~35km/hで巡航するとギヤ1枚分ぐらい重いです。スポーク本数とスポーク形状が大きく影響しているためと思われます。しかしそこからの伸びは手組の方が良いという結果が得られました。また、手組では同じペースで同じ時間巡航した場合足への疲労が大幅に軽減されました。どちらかというと練習用(トレーニング用)に向いていると思います。
【乗り心地】 手組み>>完組み
レーシング3では常に細かい振動がきていましたが手組ではそれが消えてヌルヌル進みます。車に例えると、走り屋のダウンサス車と高級サルーンぐらい違います。かといってフワフワし過ぎる事はなく、必要な路面情報はちゃんとわかる絶妙の感触です。
【ヒルクライム】 手組み>>完組み
加速性能がそのまま反映された印象で、ギュンギュン進みます。リム重量はそこまで大きく違わないはずですが、スポーク本数が全然違うのでその差が大きいと思います。ちなみに持った感じの重量はレーシング3の方が軽いです。
【ブレーキング】 手組み=完組み
初期振れの影響で前輪にビビりが出ましたが、振れを取ったら消えました。ストッピングパワーに特に違いはありませんでした。
総評
競技に使うならレーシング3のようなエアロ系の完組みには敵わない。しかし、ロード本来の軽やかな走りや路面変化、パーツ1つ1つの良さを愉しむならこのようなオーソドックスなローハイトリムを使った手組の方が楽しいと思います。脚への負担も全然違うのであまり飛ばさないゆる~いロングライドにも向いているかもしれません。
ピーキーでスパルタンなレーシング3もそれはそれで楽しいのですが、数値的な性能では語れない良さが手組にはあると思います。
価格評価→★★★★★(工具代は含みません)
評 価→★★★★☆(性能的には星3つですが、数値では語れない面白さに+1つ)
<オプション>年 式→2012年秋 製作