購入価格 約¥100000、フレーム、フォーク、シートピンのみ
目的が合えばとても良い貴重なフレームです。
メーカーが想定したホイールを使っていない条件での感想になります。
このフレームはほとんど荷物を持たないスポーツツーリング用らしいです。
レーサーの様な前傾姿勢用の寸法ではなく、かといって、ヘビーな荷物に
耐えられるような頑丈で鈍重な設計でも無い、爽快な走りを目指したとの事。
ドロップバーを非常に高い位置にセットしたり、私の様にノースロードバーを
使う事でかなり上半身を起こした姿勢で乗る事を想定しているようです。
あまり見たことのない寸法になっています。
例えば最小のシートサイズ470mm(スローピング)について。
実効トップチューブは535mmで、シート高62cmから67cmを想定してるようです。
ヘッドチューブは145mmもあり、クイルステムを組み合わせることから、
ハンドルポジションをかなり高めにできます。シート角は71.5度であり、
アップライトな姿勢とあわせ、かなりの後ろ荷重となりますが、リアセンターが
445mmと長く、前輪へ荷重を分散しています。実効トップ長535mmは
470mmのフレームにしては長めに感じますが、シート角が恐ろしく寝ている
為、ヘッド角71度、フォークオフセット52mmをもってしてもフロントセンターは
576mmしかありません。普通のロードバイク、MTBしか乗った事がない自分
には乗り味が想像できませんでした。しかし、乗ると特に癖はなさそうです。
直進性はかなり高く、直進ではぶれません。前輪荷重がロードバイクほどで
無いこともあり、コーナリングは鋭くできず、大回りな感覚です。勝手に切れ込
んだりはしません。アップライトな姿勢で淡々と走ることを考えると、とても
合っています。
ところでこのフレームはサイズによりホイールサイズが異なります。470mm、
510mmは650B用、540mm以上は700C用です。小柄な人には小さな
車輪という親切心でしょうが、650Bのリム(リムブレーキ用)は入手困難です。
小柄な私は650B用しか乗れないので、700Cを使いたい私は買うつもりが
無かったのです。
しかし、このフレームはキャリパーブレーキを使うので、ブレーキを選ぶと700C
ホイールが使えます。実はフォークの肩下寸法が367mmで普通のロードバイ
クとほとんど同じ。フロントはショートアーチブレーキ(普通のロード用)が使えま
す。リアはなぜか、ロングアーチ(57mm)のブレーキが必要でしたが、700C
ホイールで普通に走れてしまいました。タイヤ径を考えると、例えば650x38B
(ETRTO 40-584):664mm、700x23C(23-622):668mmと直径で
4mm大きくなり、設計より重心が高くなりますが、ハンガー下がりは65mmで
あり、小サイズのロードバイクと考えれば普通です。
で結論を言うと、700Cホイールが実は使えて、タンゲプレステージチューブ使
用で鈍重でなく、上半身が直立するようなアップライトな姿勢でも前後車輪へ
の荷重バランスの破綻がなく、とてもよく走るフレームです。
アップライトポジションで走れるため、腰、首への負担は軽微です。そして、ハ
ンドルバーはNITTO B302を使いましたが、一文字のフラットバーと違って手
首が落ちず、自然な手の向きで握れるので楽です。ハンドルグリップに
Ergon GS-1を使ってみたら、手のひらの大きな面積を使って、上半身を支え
る事もできてこれも楽です。体のどこかが痛くなる要素が少ない自転車となり
ました。ただし、サドルが合っていないと、つらい事になります。私の場合幅広
のBrooks B17がなじんで自分の尻の形になった為、数時間連続で乗った感
じでは全く問題ないですが、幅が狭くて自分には合わないB-17narrow
imperialを使ったら30分以上乗りたくない感じでした。坐骨をしっかり支える事
ができる幅が広いサドルが必須と感じます。
ちなみにフレームの寸法や設計の背景についてはSOMAのサイトだけでなく、
Rivendell bicycle worksのサイトにも詳しく書いてあり、補完しました。
価格評価→★★★★☆台湾製らしい。高くないと思います。
評 価→★★★★☆リアセンターがもう少し長ければさらに良い。
<オプション>
年 式→2012