購入価格 14,196円 ( = £106.24 @ Evans Cycles)
CBNのモニター企画の一環として頂きました。素晴らしい機会をありがとうございます。
Point One Racingとは下り系のステムとペダルを主に作っている小さなメーカーで、比較的マイナーな方だが、このPodiumというペダルに限っては見た目が奇抜なせいか割と使用者が多いようだ。私も随分前から気になっていたペダルで、特徴は何と言ってもアクスル剥き出しデザイン。加えて比較的軽量で薄型なので、実用性も高い。という訳で急遽こちらに変更させて頂いたのだが、やはり実物の存在感も他のペダルとは大違いだった。特に、このエッジの立ち方はまさに削り出しといった感じで、平面のプラットフォームから端までとにかくピシッと角が立っているのは非常に美しい。
ピンは別で付属しており、素材は恐らく鉄だが、アップグレードでアルミとロング鉄ピンも用意されている。親切にレンチも付属しており、わざわざ付けてもらわないでも…と思っていたのだが、何とピンはインチ規格。レンチもインチ用になるため、付いてこなかったら買いに行く羽目になっていた。ただ、本当に親切なら汎用的なM4にしてくれた方が色々なピンを使えて嬉しかった。金のピンに交換する気満々だったので、そこだけは非常に残念だった。なお、ペダルに全部ピンを付けても6本ぐらい余ったので、当分予備を買う必要は無さそうだ。
届いてすぐに分解。というのも、アクスルの回転が恐ろしく渋い。日本の代理店の商品ページによると、縦踏み防止のためにわざとOリングで抵抗を与えてあるらしい。私はトリックは出来ないので必要ないと判断し、Oリングを撤去する事に。アクスルを外すのは簡単で、4mmのボルトを外せばすぐに抜ける。で、写真のアクスルの段差付近にあるのがそのOリングだと思われる。最初使用前だと外しても変化が無かったため元に戻したが、1回走行後にもう1度外すと違いがみられた。防塵重視なのかベアリングも初期は渋いので、馴染みが出てからでないと違いが分からないようだ。今後はOリングは外して使う予定だが、見た感じ外側のベアリングのダストシールも兼ねているような気がするので、こまめにメンテナンスした方が良いと思われる。
厚みは外側(端)で13.1mm、内側(中央)で11.8mmと非常に薄い。一般的な薄型ペダルよりも概ね3~5mm程度薄い。ペダルが薄い方がペダリング時のパワー伝達が良くなるうえ、ダウンヒルにおいてもグラウンドヒットが減るなどメリットは多い。ただ、薄くするために外側がブッシングになる場合が多いので、薄さと回転や耐久性はトレードオフといった所だろう。
当初気になっていたのが、クランク側のベアリングのハウジングが出っ張っているため靴に接触しないか、という点だが、私の場合はQ-Factorが広めなので気にならなかった。ペダルの根元一杯を踏む人は間違いなく違和感を感じるので、購入する場合は予めどこを踏んでいるか確認する事をお勧めする。参考までに、クランク面から出っ張りがなくなる所まで22mm程度。クランク面から靴まで20mmも開いていれば問題ないだろう。
トレイルで使用したが、広く薄いプラットフォームの恩恵は確かにあるように感じた。シューズはFive TenのSpitfireだったが、林道の丸太階段を飛ぶように降りても踏み外す事は無く、終始安定して下る事が出来た。また、木の根などへのヒットは前の4mmほど厚いペダルに比べると減ったように感じる。片側2mmなので気のせいかもしれないが、足裏からだと4mm差になるため、”当たるかも”というギリギリのラインは効果を発揮しているのではないだろうか。回転の渋さに関しては、チェーンデバイスやブロックタイヤなど抵抗となり得るものが多いため、全く気にならなかった。ただ、やはりもう少しスムーズに回ってくれる方が嬉しかった。
ペダルとしての完成度は非常に高く、見た目も性能も十分高いように感じる。値段もかなりの物だが、ハイエンドのフラットペダルの中ではさほど高くはない。薄型で見た目の良いペダルを探しているなら、ぜひ候補に入れて欲しい逸品だ。
価格評価→★★★☆☆(安くはない)
評 価→★★★★☆(見た目・性能ともに不満は無いが、回転だけはちょっと気になる)
<オプション>
実測重量 357g(ペア・付属の鉄ピン付)