2014年1月10日(金)未明5時30分過ぎの話。
栃木県の片田舎の真っ暗な道をいつものように遠回りの自転車通勤をしていました。
星空がキレイです。冬の星座の盟主オリオンは既に真西に沈没し、代わって南東から夏の星座サソリが垂直に上がってきています。
朝起きてすぐ、コーヒー牛乳やお湯など、900ccもローディングしている上、歳だからなのか、やたらとトイレが近いということもあり、途中、どうにも我慢できず牧草地を抜ける細い道のど真ん中で用を足します。真っ暗。
「ふぅ~」とか言いながら北東の空を眺めていると、一瞬0等星ほどに増光した光が少し暗くなり、つー、と動いていくのを目撃。飛行機ではなく、星の数ほど飛び回っている人工衛星がタマタマ見えただけ、というわけです。未明は、太陽の光があたるので目撃しやすい時間帯ではあります。小学生の頃から数えきれないほど見ているので、何とも思わなかったのですが、まさか? と思い、あとでちょっと調べたらそれは、
国際宇宙ステーションきぼう
の通過時間、通過経路ともに一致していました。あれが、国際宇宙ステーションか。。。
他の人工衛星である可能性も捨てきれませんが多分、きぼう、でしょう。国際宇宙ステーションの大きさからして、かなり明るく見えるだろうなと思っていましたが、想像していたよりも暗めでした。ま、しかし、氷点下5、6℃ほどの田舎道でなんだかいいものを見たなあ、という感じ。自転車で走っていたら気が付かなかったでしょう。
その直後、こんどは南東天に垂直に上ってきたさそり座の上あたりに流星が。これも明け方にはよくある平凡な光景ではあるのですが、その前に見たものが、きぼう、だとすると、この未明の2つの出来事は永く記憶に残りそうです。
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調べてみると、国際宇宙ステーションは、公転周期が約90分。地上400km辺りを周回する長さ100mほどの人工衛星です。軌道角度は約52度と、赤道面からかなり急峻で、南北にグルグル回る感じです。
地球の半径が6400km程度ですから、地球を直径7センチあまりの野球ボール程度に換算すると、国際宇宙ステーションは、その表面から2ミリ余りのところを廻っていることになります。結構スレスレ!宇宙って、意外と近いんですね。
国際宇宙ステーションは地球自転と同じ方向に公転し、しかも地球にかなり近いので、太陽の陽を受けて光るのを夜間に見ることが出来るのは未明か日の入り後の僅かな時間しかないということになります。
国際宇宙ステーションの公転周期90分に対して地球の自転周期24時間ですから、国際宇宙ステーションが90分で地球を一周する間に、地球の我々は90分/24時間×360度=22.5度だけ先に進みます。というわけで国際宇宙ステーションが16回(つまり約1日)だけ地球を回ると同じところに戻ってくるということになります。となると連日、未明の空に見えているかも知れませんね。
何分、地表スレスレを飛んでいるので、空の何処かに陽を受けていきなり現れることになるでしょう。私が見たときは既に現れた後で、タマタマ太陽の光をうまく反射して一瞬憎光した瞬間に気づいてそこから暫く見ていたというわけです。
評価→★★★★★
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