まずは下の写真を見てください。
この自転車には HD カメラをマウントしてありますが、どれがカメラだか分かるでしょうか？
って、まぁこう言われれば普通の人は分かると思いますが。。
写真中央の赤いボタンが二つ付いている円柱状のものがカメラ Replay XD1080 (以降 Replay)です。
今、世間では GoPro HD Hero3 (以降 Hero3) で盛り上がっていますが、
ここではあえて Replay についてレビューします。
駄文、長文ですが、自転車用アクションカメラ導入を考えている場合は是非御一読を。
# 全然関係無いですが、このチャリは 1997 年製クロスバイクのフレームに
# 5700 系 105 コンポで組んだなんちゃってロードです。
# 主に通勤で頑張ってくれています。
まずは、何故わざわざ GoPro シリーズではなく Replay XD1080 なのかを挙げると、
下記の点が自転車乗りに(というか私に)向いていると思ったからです。
a) パッと見、カメラとは思えない
b) 小さく、軽い
c) 自転車に違和感なくマウント可能
d) ハウジングなしの防水
e) そこそこ画質
f) そこそこランタイム
g) USB 給電可能
h) マイナー
i) ボタン操作しやすい
もちろん欠点もあります。
1) 今流行りの Wifi 操作ができない
2) 60フレームが 720p でしか選択できない
3) 暗所だと縦スジのノイズが乗る
4) PC を使わないとほとんどのパラメータを設定できない
5) 画角が狭い
6) 値段が高め
以降、上記の項目について説明していきます。
========= 以降利点 =========
【 a) パッと見、カメラとは思えない 】
GoPro に代表される多くのアクションカメラは、
自転車にマウントするとその部分が明らかに存在感出しまくりで、
私のような小心者には人の目が気になって使う気になれません。
# Google で画像検索すれば、自転車マウントした時いかに違和感出まくりか確認できます。
対して、この Replay は存在感が薄く、
例え視界に入ったとしても、ほとんど人は LED ライトか何かと思うことでしょう。
少なくとも HD カメラとは思わないと思います。
これならマウントしたままちょっと離れても安心できます。
GoPro とかだと、コンビニに行くにもちょっとドキドキもの(盗難とか)です。
なお、念のため補足しておくと、私はこれで盗撮をするとかそういう訳ではないです。
マジでマジで。
まぁ、許可を得て撮影している訳ではないので広義で捉えれば、
盗撮といえなくはないかもですが、そんなことを言えばアクションカメラ使っている
ほとんどの人が同じな訳で。。。
【 b) 小さく、軽い 】
多くの人が自転車のパーツをグラム単位、数十グラム単位で軽量化していると思います。
だったらカメラも小さく軽いが良いに決っているでしょう。
Replay は公称 85g。 実測でも 87g 程です。
なおバッテリー内蔵型なので、バッテリーを含んだ重量です。
ハウジングなしで使える JVC の GC-XA1 はバッテリー込みで 126g、
ION AIR PRO は 130g、 Sony の HDR-AS15 + ハウジングで 175g。
Hero3 の本体は 73g ですが、同様にハウジングを入れれば重くなります。
【 c) スムーズにマウント可能 】
円柱状の形なので、このサイトではお馴染の流用マウンタが使用可能です。
私も純正のマウンタではなく、流用マウンタを使用していますが、
ロードバイクで走るようなところでは、ブレもなく何の問題もありません。
ここでも軽いことが良い方向に影響しているものと思います。
ちなみに、径が 28mm あるので Topeak のマウンタを利用するのであれば、
TMTR-2C 辺りを使うのが良いと思います。
マウント部が横にオフセットしているタイプだと、その分ブレやすいかと。
Bikeguy バイクライトホルダーでも固定できますが、少しブレが大きいようです。
ただ、いまの流用マウント方法だと録った音声にビビリ音が乗ります。
もう少し固定方法考えた方が良いと思います。
【 d) ハウジングなしの防水 】
GoPro ではハウジングを使うことで水深 60m での使用を可能にしていますが、
好き好んで水の中に自転車で入る人はいないでしょう。
雨の中を走って問題のない程度の防水があれば十分だと考えている人が
ほとんどだと思います。
Replay では、IPX8 の防水となっています。
自転車で使う分には十分でしょう。
【 e) そこそこ画質 】
解像度は、下記の通りです。
1080P 1920 x 1080, 30 FPS
960P 1280 x 960, 30 FPS
720P 1280 x 720, 60 FPS
720P 1280 x 720, 30 FPS
bitrate 設定に Low, Mid, High があります。
High 設定だと 15Mbps でサイズがデカイし、稼働時間も短かくなります。
Youtube の GoPro との比較動画を見る限り、画質に関しては
GoPro HD Hero2 > Replay > GoPro HD Hero
だいたい上記のような感じだと思います。
# 私は GoPro を持っていないので実物での比較できません。。
なお、Hero2 と比べれば Replay の方が暗所の感度は良いです。
ただ、後述しますが暗所だと変なノイズが乗ります。
ちなみに、暗所の感度では Sony の HDR-AS15 が一番じゃないかと。
また、Hero3 が出た今となっては、
画質面では大きく離されていると思います。
サンプルとして、適当に録った映像を張っておきます。
VIDEO
【 f) そこそこランタイム 】
公称 122 分ですが、どの設定でなのかは不明です。
まぁこういう場合は一番軽い設定の数値だとは思います。
ちなみに 1080p bitrate Mid で 78 分でした。
JVC GC-XA1 みたいに、1時間ももたないとかはないですが、
決して長いとは言えないです。
なお、バッテリーは内蔵で交換できません。
その変わりに、次項に書いていますが USB 給電稼働が可能です。
内蔵だと、バッテリーヘタりが不安ではありますが、
バッテリーがヘタった頃には、新しいもっと良いものが出ていると思うので、
神経質に気にする必要はないと思います。
【 g) USB 給電可能 】
USB 給電しながらの撮影が可能です。
純正オプションを使用すれば、防水を保持しながら給電できます。
なお、内蔵バッテリーは 3.7V, 750mA/h と容量が少な目です。
これでランタイム 122 分を謌っているので、
外部バッテリーを繋ぐことでかなりの時間連続撮影が期待できます。
ちなみに、純正バッテリーは 2200mA/h で +3 時間としています。
# 2200mA/h なら計算上もっと延びそうですが。。。
また、純正以外のポータブル充電器でも、5V, 1A 以上であれば充電可能です。
ただし、USB ケーブルは純正のものでないとダメなようです。
ELECOM の 8pin USB ケーブルを使ってみると、ケーブルを接続しただけで
一時的に電源 ONし、そしてすぐに電源 OFF しました。
この状態で PC に接続すると、ウンともスンとも反応がなくなりました。
PC との接続を解除後、電源ボタンを押しても ON/OFF しない。。。
リセット長押しで無事復帰しましたが運が悪ければ壊れていたかも。。。
【 h) マイナー 】
Replay は、かなりマイナーです。
少なくとも Google で検索かけても日本語サイトはほとんど見かけません。
ブログが数件と通販サイトが引っかかるだけです。
GoPro みたいに誰でも持っているものよりも、
どうせなら人とは違うものを持っていたい、
という意識は誰でもあるのではないでしょうか？
それに、マイナーならそれだけ周りにカメラだということがバレないし。
【 i) ボタン操作しやすい 】
通常使用時に使うボタンは電源 On/Off と、録画開始終了だけだと思います。
これらのボタンはとても押しやすく、冬用のグローブをしていても
全く操作に問題ありません。
また、押した後にバイブによる振動と、LED で状態を確認できるので、
走りながらでも操作できます。
========= 以降欠点 =========
【 1) 今流行りの Wifi 操作ができない 】
アクションカメラは基本的に操作性が悪い。というかほとんど操作できないですが、
Wifi を使うことで操作性をカバーしているのが、ここ最近の流行りだと思います。
しかし、 Replay は Wifi 操作ができません。
でもまぁハンドルバーマウントの場合、ヘルメットマウントと違って
角度を見ながら調整できるし、円柱状の形態なんで方向が合っているかどうかも確認し易い。
ですので、Wifi 操作もさほど必要ないのではないかと思います。
とはいえ、後述するパラメータ設定はできるとありがたかったかも。。
なお、HDMI 端子が付いているので、別途モニターに接続することで、
映像を見ながらの角度調整は可能です。
※ HDMI 出力の画像は異様に粗いです。
【 2) 60フレームが 720p でしか選択できない 】
60フレーム記録可能ですが、720p の場合にのみ 60 フレームが選択できます。
それ以外は 30 フレーム固定です。(PAL の場合 25)
ただ、個人的には 30 フレームで十分だと思います。
【 3) 暗所だと縦スジのノイズが乗る 】
夜等、暗所だと縦スジ状のノイズが乗ります。
これは、メーカー側も認めている症状で、
メーカー側の主張は、 「CCD の特性」ということでした。
暗所の感度自体は Hero2 よりも良いですが、
このノイズの所為で ±0、むしろ負けているといっても良いかもしれません。
【 4) PC を使わないとほとんどのパラメータを変更できない 】
Replay の本体で設定可能なのは、解像度とモード(動画、写真)、
そしてフレームレートくらいです。
それ以外のビットレート、色合い、その他もろもろの設定は、
PC と接続する必要があります。
露出の設定も、PC に接続しないといけないため、
夜間用と昼用で設定を変更するのにも本体だけではできません。
設定変更のたび PC に接続するのは面倒だし、上記の暗所でのノイズの件もあるので、
基本的に夜間の画質は捨てて昼間用の設定に固定しています。
720p でしか使えないフレームレートの変更なんかよりも、
もっと使えるパラメータ変更にして欲しかった。
というか、いくつかのカスタマイズ可能なプリセットを用意して、
それを切り替えられるようにしてくれれば良かったと思います。
【 5) 画角が狭い 】
Replay の画角は、下記のように解像度ごとに固定です。
110.5 度 1080p
135 度 960p, 720p
また GoPro 等と比べると、だいぶ狭いです。
ただ、個人的にはこれだけあれば文句はないかな、というレベルです。
【 6) 値段が高め 】
国内での販売価格は 30,000 円前後です。
アクションカメラの中では高めの値段です。
# Hero3 のSilver Edition が買えてしまいます。
個人的には 20,000 円くらいが適正価格だと思います。
実際、海外ではそのくらいの値段で売っていますし。
私は運よくそこそこ安めで買えましたが、それでも 20,000 円よりは高かったです。
# 30,000 円で売っていたら買っていなかったと思います。
========= 以降まとめ =========
以上、ツラツラ書いてきましたが、
総合的には自転車専用と考えれば「十分あり」というのが個人的な意見です。
特に暗所での縦スジノイズさえなければ、かなりススメできるレベルです。
ただ、画質優先の人や、夜間をメインに撮る人、自転車以外にも使う予定のある人には、
無難に GoPro Hero3 をオススメします。
また、もし Replay を購入する場合は多少高くても国内代理店をオススメします。
英語が得意な人なら海外通販でも良いかと思いますが、
そうでない人は国内で買いましょう。
聞いた話だと、返品だとかは国内よりも海外の方がやりやすいそうです。
海外では、買って気に入らなければ返品、みたいのが結構あたり前にやられているみたいなので。
国内では返品するとクレーマ扱いされる場合もあるようですが。。。
文化の違いってヤツでしょうか？
なお、私のは届いたその日に電源が入らなくなりました。 一度も録画してないのに!!!
もちろん交換対応していただきましたが、
その交換したのも USB の接触不良のため再度交換に。。。
モノ自体は悪くないと思いますが、品質管理がダメダメなようです。
購入する際は、この辺りの覚悟が必要です。
海外メーカーのデジモノを購入するのはこれが初ですが、こんなものなんでしょうかね？？
# まぁ、最近は日本メーカーでもデジモノは品質が怪しいですが。。
なお、この商品は去年の中頃発売されたものなので、
そろそろ新しいモデルが出ることが予想されます。
# GoPro HD Hero2 よりは先に出ています。
なので、それを待つのもアリかもしれません。
# まぁ、そんなことを言っていると、デジモノはいつまで経っても買えないんですが。。
価格評価→★★☆☆☆(国内価格は高め）
評 価→★★★☆☆(品質管理さえキッチリできていればそれなり）
＜オプション＞
年 式→ 2011
カタログ重量→ 85g(実測重量 87g)
