購入価格: ¥1,836(税込)
標準価格: ¥1,836(税込)
『ガタが多くて不安定。前輪が左に傾くのでかっこいい写真が撮れない』
■ NOGUCHI UPSTAND for 700cとは
NOGUCHI UPSTAND for 700cは、クイックリリースと共締めするタイプの簡易スタンドだ。駐輪のとき以外はシャフトを取り外し、3分割に折りたたんでコンパクトに収納できるのが特徴。ボトルケージに取り付け可能な専用ホルダーで持ち運ぶことも可能だ。リアエンドが金属製なら、カーボンバイクでも使える。
重量はヘッド部が10g、シャフトが42gと軽量だが、簡易式スタンドというだけあって耐荷重は10kgしかない。取り付けにはクイックリリースシャフトがリアエンドから9mm以上必要で、クイックリリースの形状によっては取り付けができないことがある。
バリエーションとして、シャフトの折りたたみが不可能なストレート式があり、こちらは耐荷重が13kgとなっている。同一形状のスタンドは、NOGUCHI以外のさまざまなブランドから販売されており、類似する製品も数多く存在する。
NOGUCHI UPSTAND for 700c (折りたたみ式)
■ 写真撮影のために購入
UPSTAND for 700cは、写真撮影のために購入した。きれいな景色をロードバイクと共に写真に収めようと思っても、立てかける壁や柱がないことは多々あるが、このスタンドがあればいつでも気軽に写真が撮れると考えた。
私が乗っているGIANT DEFY1 DISCは、クイックリリース式のディスクロードなので、UPSTAND for 700cの取り付けが可能。クイックリリースシャフトがリアエンドから9mm以上出ていることも確認してから購入した。
当初はGIANT SWIFT STANDを買うつもりだったが、ショップに在庫がなかったのでこれを選んだ。商品画像を見て、NOGUCHI製とGIANT製のスタンドは同一製品だと判断して買った。
DEFY1 DISCは前後クイックリリース式のディスクロード
■ クイックリリースレバーとハブナットの形状に注意
UPSTAND for 700cの台紙の説明書には、”クイックリリースの形状によっては取り付けができない”と書かれている。特にクイックリリースレバーの根元が大きいと、レバーを締めるとヘッド部の根元に干渉する可能性がある。
レバーをフレームの右側に取り付ければ干渉しなくなるが、出先で自転車が右側に倒れてリアディレイラーが壊れたら最悪だ。それにディスクブレーキならともかく、リムブレーキの自転車の右側にクイックリリースレバーがあるのは見た目に違和感があるし、何より写真映えがしないと思う。
また、ヘッド部にはクイックリリースレバーをはめ込むためのくぼみが設けられている。このくぼみの直径は約20mmあり、多くのクイックリリースレバーやハブナットは問題なく取り付けられると思うが、念のために購入前に大きさをチェックしたほうがいいだろう。
SHIMANO DEORE XTとFulcrum Racing 5 DBの付属品のクイックリリースレバー、GIANT RWS OFF ROAD(DT SWISSのOEMモデル)で、このスタンドが取り付けられることは確認済みだが、GIANTのRWSのナットは位置決めのための突起がヘッド部のくぼみに干渉するため、レバーをフレームの右側に取り付けて使うことはできない。
クイックリリースレバーの根元が大きくなければ取り付けが可能(左)
このくぼみにクリックリリースレバーかハブナットをはめ込む(右)
■ レバーを締める際にシャフトの角度がズレやすい
取り付けの際には、自転車を横から見てシャフトが地面と垂直になるように角度を調整する必要がある。だが、クイックリリースレバーとリアエンドにヘッド部を挟み込んでからレバーを締める際に、シャフトの角度がズレることが多い。ヘッド部のリアエンドと接触する面には溝が切られているが、角度のズレの対策としては不十分だと感じた。
特にクイックリリース式のディスクブレーキの自転車は、ホイールの向きやレバーを締める力加減で、パッドとローターが干渉してシャリシャリと音が出ることがある。パッドとローターの位置決めを気にしつつ、シャフトの角度を調整するのは時間がかかる作業であり、ホイールがまっすぐに入ったのにシャフトの角度がズレたり、シャフトが垂直になったのにシャリシャリと音がしたりしてストレスが溜まる。
いったんヘッド部を取り付けてしまえば、駐輪の際にシャフトを取り付けるだけで済む。もし出先でパンクしたら、パッドとローターの位置決めとシャフトの角度の調整を行うのは大変なので、パンク修理後にヘッド部を取り外して帰宅した方がストレスにならないと思う。
シャフトを刺した後に角度を調整する必要があるが、このときにシャフトの角度がズレやすい
■ 不安定かつ写真映えがしない
UPSTAND for 700cは、ヘッド部とシャフトの接続部、シャフトの関節にガタがある。実際に駐輪してみると、自転車の重みでシャフトが外側に少し広がり、グラグラと不安定な状態。風のない平らな場所以外で使うのは非常に怖い。
UPSTAND for 700cに期待したことは、前輪がまっすぐ前を向いた状態で自立することだった。これなら、スタンドの付いていない自転車のように見える写真が撮れる。だが、私のDEFY1 DISCは、前輪が必ず左に傾いてしまう。タイヤの外径が大きいのか、ハンドル周りが重たいのか、原因はよくわからない。
ネットで画像検索したかぎりでは、ちゃんと前輪が前を向く自転車もあった。シャフトがもう少し長ければ、前輪が前を向いた状態で自立すると思うが、自転車が右側に倒れるリスクが高くなる。シャフトの下に何かを敷いても前輪が前を向くが、不安定なスタンドがますます不安定になり、自転車が倒れるリスクが高まる。
必ず前輪が左に傾いてしまう。駐輪するだけならこれでも良いが...
■ 車重によってはストレート式を選んだ方が良い
耐荷重の点では、折りたたみ式のUPSTAND for 700cを選んだのは失敗(調査不足)だった。DEFY1 DISCはカタログ値で9.4kgだが、ボトル2本にドリンクを入れ、サドルバッグ等を付けるだけで、耐荷重の10kgを軽く上回ってしまう。DEFY1 DISCにかぎらず、エントリーグレードやディスクブレーキの自転車は重くなりがち。買うなら耐荷重が13kgのストレート式の方が良かった。また、軽量なディスクブレーキの自転車はスルーアクスルということもあり、折りたたみ式を使いやすいのは、自ずと軽量なリムブレーキの自転車ということになる。
■ 駐輪"だけ"が目的なら壁に立てかける方が無難
NOGUCHI UPSTAND for 700cは、シャフトを取り外すことで外観を損なわないアイデア商品だが、折りたたみ式はコンパクトに折りたたんで持ち運べる反面、ヘッド部とシャフトの接続部だけでなくシャフト自体にもガタがあるので、不安定で駐輪するのが怖い。しかも、前輪が左に傾きやすく、前輪がまっすぐ前を向いた状態で自転車が自立した写真を撮るのは難しい。
駐輪が不安定なのは多少目をつむるとしても、前輪がまっすぐ前を向いた状態で自立できなかったのは残念。これでは自転車のかっこいい写真が撮れない。写真撮影に使わないと決めた以上、一時的に駐輪するための簡易的なスタンドとして使えないことはない。だが、自転車を壁に立てかけた方が安定するので、自転車を倒すリスクを負ってまで使う気になれないというのが正直なところだ。
価格評価→★★★☆☆ (価格はお手頃)
評 価→★★☆☆☆ (せめて前輪がまっすぐ前を向いた状態で自立できればよかった)
<オプション>
年 式→ ー
カタログ重量→ヘッド部: 10g、シャフト: 42g