購入価格 ¥3400
昨年の11月に日本で発売されたが、ほとんど忘れ去られていたライト。
ここにきて、一部で人気に火がついてきて、2009.11現在、
代理店欠品中である。(2009年12月下旬入荷予定)
性能が良いのに、今まで人気が出なかった原因は、このパッケージに
あると思う。『常識を覆す‥』という表記が見えるが、実は
日本語の表記はここだけ。あとはすべて英語。説明書なし
保証書なしという簡素なパッケージである。実は猫目のライト
だって、ウイッグルから買えば、保証書なし、説明書なしで
売られているんだけど、日本ではまだ抵抗あるよね~
ランプ本体の横の紙箱の部分は、何か入ってそうなんだが、
このでかい箱にブラケットと付属のゴム板がコロっと
入っているだけ。日本だと、ここの電池もシュリンクパックで
包装されて入っているんだけど、この製品では、電池は本体に
セットされている。放電防止のフィルムの類もまったくかまして
ない。工場で発光テストをしたそのまま。
先日、同じSERAFASのサイクルコンピューターのレビュワー氏も
おっしゃっているが、このメーカーの製品は、機能はしっかり
してるんだが、それをユーザーに知らせる方法が、強烈にいい加減である
https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=5618&forum=85代理店であるライトウエイは、日本で売る気があるのなら、こういった
部分を、地道に補完していくことが必要である
ブラケットはOSのハンドル対応で、ゴム板2枚が付属しいる。
締め付ける部分のネジの長さがかなり長く取ってあるので、
たいていは、付属のゴム板だけで固定できると思うが、
ハンドルのサイズのよっては、さらに自分で工夫する必要も
あるかもしれない。固定力そのものは強力で、いちど締め付ければ
めったなことでは緩むことは無い。
このブラケット、ランプ部分が360度回転できる。ただし、
ランプを横を向けると、光軸の向きを変えることは出来ないので
走行方向に平行な(たとえばステムなど)には取り付けできない
もう一工夫あると、さらに良いブラケットになると思うが‥
あと、代理店は、ブラケットの別売をすることを検討して欲しい
横から見た図 上:HL-EL520 下:SL-70
上から見た図 上:HL-EL520 下:SL-70
さて、本体の評価に移ろう。同じ1WのLEDを使用している
HL-EL520(上)と比較すると電池単4×4であるのSL-70(下)が
細身なのが分かる。また。前面に透明なカバーをつけているので、
520より、側面からの視認性が良いのも特徴である。
その代わり、電池の容量が、単4≒単3×40% であるから、
点灯時間は20時間と短めである(HL-EL520は60時間)
点滅時間が何時間なのか、メーカーのサイトにも代理店の
サイトにも記載がない。まあ、このメーカーじゃ、そんな
面倒くさいこと測定するはずないだろうねえ。
SL-70のほうのボディーの黒い点のようなものが見えるが、
これは私がハンドルバー上にライトを林立させてテストした
時に擦った出来た傷である。この銀色の部分は塗装であるから
剥げ易い
左から、LED部、電池ホルダー、電池室
LED部と電池室は前後に分割される。接合部にはOリングが
入っており、メーカーは防水構造を謳っている。
(防水性は520と同程度。雨には耐えられるが、水中は‥)
ランプ部と電池室の接合は、20度ほど回転させて行うが、
この部分にクリック感がなく、きちんと嵌っているかが
分かりにくい。もう少し回転角度を広げて、閉まった感触が
分かるようにしてほしい。
また、上下逆でも嵌められる(点灯はしない)のも困った点
まあ、デザインが凝っているので上下は分かりやすいが‥
GENTOS SG305などと同様に、電池をホルダーにセットしてから、
本体へ投入するタイプで、電源スイッチもホルダー側に内蔵し、
外殻から間接的に押すようにできている。電池ホルダーの
スイッチ横には、電源ランプ(緑)と、電池の残量警告灯(赤)
があり、点灯時には尾部も光るので分かりやすい。
強、弱、点滅の制御も電池ホルダー部側で行っているらしく、
写真のようにホルダー部単独でも光が見える。点滅時には尾部も
点滅する。電池警告灯は、DOSUNと同じく少し早めにつきがちである。
電池ホルダーにも上下があり、よくみるとホルダーに▲TOPと
刻印があるが、QC PASS という消費者に関係ないシールを貼るくらい
なら、この面を上にとシールに記載しても良いと思う
電源スイッチは尾部にあって使いやすいのだが、SERFASのロゴが
この部分にからんでデザインされ、その部分が出っ張っているため
ハブ軸やダイナモライトの位置に設置して、走行中に手探りで
電源を入れようとすると、うまく点けられないことがある
この部分は、バックの中での誤点灯のためのデザインかもしれないが
もう少し別なやり方を考えて欲しい
写真の大きさがまちまちで申し訳ないが、上がSL-70。真ん中が
Hl-El520、下はHL-EL520とHL-EL320の2灯同時点灯である。
(画面上の白い箱は我が家の台所のゴミ箱で、前が5m、後ろが10mに
置かれている。地面の白い線は100円ショップで買った10mの巻尺)
520の方は、良く見るとブロック塀に撮影者の影が見える。
これは320との2灯同時点灯でも消えない。SL-70には
ブロック塀が明るくて撮影者の影は見えない。手前の芝生の部分の
明るさも、まったく違うのが分かり頂けると思う。SL-70は520と同様の
光の『飛び』を持ちつつ、周辺への光の拡散が大変良いライトである。
その秘密がこのリフレクター。『ハ』の字が逆さまになったような
部分が上下の境目。ここを境に、上は 30°下 60°位の角度で
光が照射されるようになっている。左右の黒く見える部分は、
進行方向にほぼ水平な角度に設置された反射板で、これが周辺を
明るくしている秘訣らしい。上下で、照射角度、照射光量とも違う
ので、このライトを前後逆さまに取り付けることはできない
ちなみにLEDが2灯入っているように見えるかもしれないが、
上のほうは反射板に映った像である。( LED は LuxeonR×1)
最後に、より強力なライトを参考に上げておく。上の写真がDosun S1。
下がOLIGHT T25 Regularである。
Dosunは、明るい部分が直線状で、周辺が暗い。その分、遠くまで
明るい。SERFAS SL-70は、光の『飛び』で負けるが、広がりが
あるので安心感がある。T-25は街灯が無い道では必需品だが、
明るすぎて一般道では迷惑である。
SERFAS SL-70は、速度レベルがあまり高くなく、所々に街灯がある
くらいの夜道で使うには最適なライトである。値段的に2倍近いDosunと
どちらを選ぶかは、デザインの好みと価格、光の飛びと広がりを
勘案して決めて欲しい
日本では、相変わらずHL-EL520が人気だが、価格がほぼ同じこの
ライトを一度使うと、もうHL-EL520には戻れないだろう
このライトは猫目キラーである
自転車店系の問屋、代理店に一切取り扱いがないDosunと比べ
代理店であるライトウエイは GT、FELT の代理店でもあるゆえ、
スポーツ車を扱う店ならかなりの確率で取引があり、頼めば
取り寄せが可能なのも良い点である。現在、代理店レベルでは
欠品しているが、街の自転車店では結構在庫を持っている店がある
もし見かけたら、買っておいて損はないと思う
価格評価→★★★★★(この性能でこの価格は安い。)
評 価→★★★★☆(細かい配慮が足りないので-1)