購入価格 ¥5750(ヨドバシ)
◆購入動機
主に日常の足として自転車に乗り、対向車(者)が多い道を走ることが多い私にとって、車のロービームのような上カット配光のライトはとても魅力的で、過去にはDOSUNのA2、S1、そしてキャットアイのHL-EL540(エコノムフォース)等を好んで使用していました。
しかしここ数年はキャットアイから上カット配光の製品は発売されず(ドイツ向けにはありましたが)、最近はVOLTシリーズを取り付け角度下げ気味、光量抑え気味で使う事が多くなっていました。
そんな中、久々に上カット配光のライトが発売されたのを知り、購入した次第です。
◆製品概要
GVOLT70の最大260ルーメンという光量は、今となっては特筆すべきものはありませんし、VOLTシリーズお馴染みの交換式バッテリーでもありません。
GVOLT70の特徴は、やはり配光、そして配光の関係で吊り下げ専用というところに尽きるでしょう。
◆使用感
普段使いのロードバイクで数週間使ってみました。
本体は大きさの割に軽く(本体のみの実測で99g)外見も金属部分は見当たらず、正直あまり高級感はありませんが、かといって安っぽいという印象もありません。
このライトはドロップバーへの装着を前提に設計されているようで、そのままではフラットバーへの取り付けはほぼ困難です。(レバーやワイヤーが干渉します)
フラットバーのバイクに装着したい場合は、別途マウントを購入する等、工夫する必要がありそうです。
使用を始めてから何回か小雨に降られましたが、今のところ防水性に不安を感じたことはありません。
ハイ点灯時の中心部の明るさは、エコノムフォースのハイやVOLT800のローよりも明るく、上カット配光である事も相まって、遠方をしっかり照らすことができます。
体感上、ハイとミドルの明るさの差がかなり小さく、実際に使用しているとこのふたつのモードは殆ど見分けがつきません。
そしてローは明らかに暗いです。
ハイとミドルが夜間走行用、ローは夕暮れ時やデイライト用といった感じです。
配光はバットマンのマークのような形で、同じく上カット配光だったエコノムフォースとは明らかに異質なものです。
遠方はかなりワイドな配光で、エコノムフォースの倍くらいの照射幅があります。
しかし中心部の前後方向の照射範囲は狭く、エコノムフォースの2/3くらいしかありません。
また、中心部と周辺光との明暗差が大きい上に手前側の周辺光自体も少ないため、前輪直前左右はかなり暗く感じます。
上カットと言えば聞こえは良いですが、実際は上への光をカットしているというよりも横長スポット配光に近い感じで、厳密にいえばロービームのような配光とは異なります。DOSUNのA2やS1のような、上カットしつつ手前や手前左右もしっかり明るいという配光ではありません。
先日、街灯がない路地裏を走行中に自転車直前の左から突然ネコが飛び出してきたのですが、見づらくてヒヤッとしました。
個人的には遠方の左右の照射幅を少し狭めてでも、前輪直前左右に明るさを振り分けて欲しかったというのが正直なところです。
防眩効果は期待通りで、やや遠方を照射する角度で取り付けたハイ(260ルーメン)のGVOLT70と、かなり下向きに照射する角度で取り付けたロー(200ルーメン)のVOLT800を並べて前から見ても、明らかにGVOLT70の方が眩しさが抑えられていました。
ランタイムも測ってみました。(計測条件は気温15度程度の屋内)
結果は、ハイで7時間28分、ミドルで9時間48分で消灯しました。
当然個体差や条件によっても変わると思いますが、メーカー公表の使用時間は若干余裕を持って書かれているようです。
ローの場合、メーカー公表使用時間は40時間なので(今回は未計測)、デイライトとして朝から夜まで点けっぱなしにする事もできます。
また、VOLT400や800等と比較して本体の発熱がかなり少なく、ハイで長時間点灯させても本体はほんのり暖かくなる程度です。
ちなみに電池残量警告ランプは、ハイの場合5時間26分で点灯しました。メーカーホームページに「一定光量ライト」と書かれているとおり、目視では電池残量警告ランプが点灯するまで明るさは殆ど変わらないように感じました。
電池残量警告ランプが点いてから消灯するまで2時間程度(ハイ点灯時)と余裕があり、電池残量警告ランプが点いてからも実用に耐えないくらい光量が落ちるわけではないので安心感があります。
本体に急速充電回路が内蔵されており、説明書によると急速充電時には充電ランプが点滅するとの表記があるのですが、手持ちのどの充電器を使っても点滅(急速充電)にはなりませんでした。
手持ちのVOLT1200、VOLT800はiPad向けの充電器を使う事で点滅(急速充電)になったのですが…
ただ、iPad向けの充電器を使うと体感上は急速充電されているように感じるので、個人的にはこの点はあまり気にしていません。
◆まとめ
やたらとルーメン値ばかりでライトの良し悪しやコスパが判断されがちな今、このように対向車(者)に配慮しつつ遠くを明るくワイドに照らせる製品を日本展開してくれたキャットアイには感謝したいです。
ただ、バットマンのマークのような独特の配光は好き嫌いが分かれると思いますし、吊り下げ専用設計やバッテリー内蔵式というのも使う人や場面、そしてバイクを選ぶでしょう。
GVOLT70には、VOLT800や400のような「とりあえずこれを1本買っておけ」というような安心感や安定感はなく、通常のVOLTシリーズとは明らかにキャラクターが違っていて万人向けではありませんが、独特の配光や特徴を理解した上で使うのなら良い製品だと思います。
キャットアイには、このモデルだけで終わりにせず、GVOLTシリーズを継続展開してほしいものです。
個人的には、吊り下げ取付専用ではないGVOLTやモデルや交換式バッテリーを採用したGVOLTが出たらまた購入すると思います。
所々不満点もあるものの、日常の普段使いのロードとは相性が良く、私は気に入りました。
価格評価→★★★★☆(←凝ったレンズ設計を考えると安いと思う)
評 価→★★★☆☆(←主に配光面でまだ発展途上な感じがする)
<オプション>
年 式→2019
カタログ重量→96.5g(実測重量99g)