購入価格: ¥7,434 (税込) ※CBNのイベントで頂いたギフト券を使用
標準価格: ¥8,424 (税込)
『Edgeを遠隔操作できるだけでなく、ページの表示やスクロールの際に、ボタンを押す回数を大幅に減らせる』
■ Edgeシリーズ専用のリモコン
GARMIN Edge remoteは、Edgeシリーズを遠隔操作するためのリモコンだ。タッチパネルのEdge 1000Jのために用意されたリモコンだが、物理ボタンのEdge 520Jにも対応する。付属のマウントを用いることにより、タイマーのスタート/ストップ、手動ラップの取得、画面のスクロールや表示等の操作を、ハンドルバーの好きな位置で行うことが可能になる。
Edge 520Jの拡張性を楽しみたくて手に入れたのだが、実用性は私の想像以上。Edge 520Jに手を伸ばしてボタンを押すよりも、はるかに直感的で快適な操作ができた。特に複数のトレーニングページを表示する際に便利であり、先日のロングライドでは大活躍してくれた。今回の投稿では、Edge remoteの操作感だけでなく、使いやすくするためのコツも紹介したい。
GARMIN Edge remote(左)、Edge remote本体と付属品(中央)、サイズと重量(右)
■ ペアリングと接続
通信規格はANT+であり、Edge 520Jの設定画面からかんたんにペアリングできる。他のANT+センサーと同様に、ひとつのEdge remoteを複数のEdgeシリーズにペアリングをすることは可能なはずだが、複数のEdgeシリーズを同時に操作できるかが気になるところだ。
Edge remoteは、Edge 520Jの電源を入れただけでは接続されないので、いずれかのボタンを押してスリープ解除する必要がある。つまり、走行中でもボタンを押さなければ、一向にスリープは解除されない。Edge 520Jの電源を切った後は、自動的にスリープする。
ペアリングは設定のセンサー追加から行う(左)、走行前にボタンを押してすぐに使えるようにした方がいい(右)
■ 3つのボタンの基本操作
Edge remoteは、①ラップキー、②ページキー、③アクションキーの3つのボタンでEdgeシリーズを遠隔操作できる。Edge 520Jにおける3つのボタンの操作感は以下のとおりだ。
各ボタンの名称
①ラップキー
Edge 520Jのラップボタンに相当し、手動ラップの取得やスクリーンショットの撮影ができる。このボタンは特に問題なく使える。
②ページキー
Edge 520Jのスクロールボタンに相当する。短押しでトレーニングページのスクロール、長押しで逆スクロールが可能。ただ、スクロールボタンに比べると、次のページがワンテンポ遅く表示され、素早いボタンの連打にも反応しにくい。スクロールし始めてからテンポよくページキーを押すことで、スムーズに複数のページをスクロールできるようになる。このタイミングならスクロールのスピードも十分に速く、ストレスを感じさせない。
③アクションキー
短押しと長押しにそれぞれひとつずつ、Edge 520Jの以下の機能を割り当てることができる。機能の変更はEdge 520Jで行う。単押しには、地図等のトレーニングページの一部を割り当てると便利。通常、何度もページキーを押さなければ表示されないページが、アクションキーを一度押すだけで表示されるからだ。なお、デフォルトのタイマーのスタート/ストップは、誤って押すと計測が止まるので注意。長押しのデフォルトのバックライトは夜間に役に立つが、昼間なら他の機能を割り当てて有効活用するのもいいだろう。
割り当てられるEdge 520Jの機能一覧(左)、Edge 520Jで 機能の変更が可能(右)
■ ボタンを押す回数を減らす小技
ここからはちょっと応用編。複数のトレーニングページを有効にすると、ボタンを押す回数が多くなって面倒だ。Edge 520Jを快適に操作するためには、できるだけボタンを押す回数を減らすのがコツだ。以下の小技を使えば、Edge remoteはますます使いやすくなる。
●自動逆スクロール
操作方法: ページキーを押し続ける
説明書に載ってない隠れ機能。ページキーを押し続けることで、トレーニングページが自動的に逆スクロールする。見たいページを素早く探すだけでなく、疑似的な自動スクロールとしても使える。Edge 520Jの自動スクロールよりも速いが、トレーニングページの各データを把握することは可能だ。もちろん、ページをじっくりと見たいときは、ページキーから指を離せばいい。
ページキーを押し続けることで、自動的にスクロールする
●他のページからトレーニングページに戻る
操作方法: トレーニングページ以外のページで、ページキーかアクションキーを押す
アクションキーの割り当て: アクションキーを使うなら、短押しにトレーニングページのいずれか
トレーニングページ以外のページが表示されていても、ページキーやアクションキーを押せば、即座にトレーニングページの表示が可能。メニューの下の階層を表示している場合には特に有効で、Edge 520JのBACKボタンを長押しするよりも早く表示される。ただ、ページキーを押した場合は次のページが、アクションキーの場合は割り当てたページが表示されるので、ページキーを使って元のページに戻る必要がある。この点は次に紹介する操作方法で解決する。
ページキーかアクションキーだけで、メニューの下の階層のページからトレーニングページ戻れる
●トレーニングページの1ページ目を表示する (オススメ!!)
操作方法: アクションキー、ページキーの順に素早く押す
アクションキーの割り当て: 短押しにトレーニングページの最後のページ
私はトレーニングページの1ページ目に、速度・ケイデンス・心拍数等の基本的なデータを表示している。他のページを見た後は、いかに早く1ページ目に戻れるかが重要になる。トレーニングページの最後のページをアクションキーの短押しに割り当てておけば、アクションキー、ページキーの順に押すことで、すぐに1ページ目を表示することが可能。
複数のトレーニングページの表示を可能にしている場合には特に有効で、他のページからトレーニングページに戻る際にも使える。しかも、アクションキーとページキーは、スクロールの開始を待つことなく連続で押すことが可能。直感的かつ即座に1ページ目を表示できる。
アクションキー、ページキーの順に素早く押せば、どのページからでもトレーニングページの1ページ目に戻れる
●トレーニングページの最後のページを表示する
操作方法: ページキーの長押し
アクションキーの割り当て: 必要なし
ページキーを長押しして逆スクロールすれば、トレーニングページの最後のページを表示できる。トレーニングページの最後のページの使用頻度が高い場合は、わざわざアクションキーに割り当てる必要はないともいえる。だが、上記のトレーニングページの1ページ目を表示する方法は使えなくなる。
トレーニングページの最後のページなら、ページキーの長押しでも表示可能
■ Edge remoteの取り付け例
Edge remoteはボタンの部分が盛り上がっており、Edge 520Jのボタンよりもクリック感があるので、どの位置にマウントしても直感的な操作はできる。より快適かつ効率よく使うためには、ボタンの操作方法だけでなく、マウントの位置や角度が重要になる。
●ロードバイクマウント
ドロップハンドルには、ロードバイクマウントを固定用バンドで取り付ける。マウントのレバーは手に干渉しない向きで取り付け方がよい。また、Edge remoteは90度ずつ角度を変えて取り付けられるので、ページキーに親指が届く角度にしておくと便利だ。取り付け例は以下。
・ブラケットの根元
ブラケットから手を少し後ろにずらすだけで、Edge remoteの操作が可能。親指もボタンに無理なく届く。手元から即座にボタンの操作に取りかかれる上、ブレーキやシフト操作にもすぐに戻れる。ただし、下ハンの一部は使えなくなる。
・ステムの真横
ハンドルポジションをほとんど制限することなく、Edge remoteの操作が可能。ただし、Edge remoteとブラケット間の移動は遅くなる。また、取り付けの角度によってはEdge remoteの厚みが気になる。ちなみにマウント時の厚みは約19mm。
・ブラケットの内側
手元でのEdge remoteの操作が可能な上、ハンドルポジションもほぼ制限しない。前述の2つのマウント方法の弱点を克服したともいえるが、ブラケットの上から直接固定用バンドを巻くため、手を乗せると固定用バンドの感触が少し気になる。
●マウンテンバイクマウント
フラットバーやライザーバーには、マウンテンバイクマウントを用いる。φ22.2mmにしか対応しないので、取り付けるのはブレーキレバーの外側かシフトレバーの内側にかぎられる。また、短くカットしたハンドルバーでは、マウントが取り付けられないことがある。
・ブレーキレバーの外側
ハンドルバーからボタンまで約24mmもあるので厚みが少々気になるが、グリップに手をかけたまま操作ができるのは便利。Edge remoteをブレーキレバーと平行に取り付ければ、親指でボタンを押しやすい。グリップが若干外側にずれるが、ブレーキやシフト操作に支障はない。
・シフトレバーの内側
オプティカルギアディスプレイを搭載しているシフターでは、グリップからEdge remoteまでの距離が少し離れるが、この位置も決して悪くはない。この位置ならI-specのようなブレーキレバーにクランプが可能なシフターの方が快適に使えると思う。
この位置でも十分に快適に操作できる
■ ラップキー以外の操作音は鳴らない
Edge 520Jのトーンを有効にすると、スクロールボタンを押す際に”プッ”という操作音が鳴る。だが、Edge remoteのラップキー以外のボタンでは、トーンを有効にした状態でも操作音が鳴らない。手元を見ずに操作する際には、操作音が鳴った方が何ページ目を表示しているかがわかりやすい。今後のEdgeのアップデートで、Edge remoteのトーンを個別に設定できるようにしてほしいところだ。
トーンを有効にした状態でも、ラップキー以外の操作音は鳴らない
■ 走行中でも安全にボタンの操作と画面の確認が可能
走行中にEdge 520Jのボタンを押して操作するのはちょっと怖い。前を見ながら手探りでEdge 520Jのボタンを押すだけでなく、ブレーキレバーから手が離れるからだ。その点、手元でボタンの操作ができるEdge remoteなら安全。ボタンの位置は直感ですぐにわかるし、前を見ながらボタンを操作して目的のページを表示させれば、画面をチラッと見るだけで済む。視線を移動させる時間は、普段サイコンの速度を確認するのと何ら変わらない。しかも、前述の小技を使えば、前を見たまま一瞬で1ページ目に戻すことも可能だ。
■ 複数のトレーニングページをストレスなく利用できる
Edge 520Jのボタンで複数のトレーニングページをスクロールさせるのは大変だが、Edge remoteならスムーズに画面を表示することが可能。これならトレーニングページを増やしてもストレスにはならない。先日のロングライド(約94km)では、目的地までの距離や到達時間、バッテリー残量等を確認するためにページ数を多くしたが、Edge remoteのおかげで複数のページを快適に使いこなせた。ヒルクライム等の目的に応じてページ数を増やす際にもEdge remoteは大いに役に立つだろう。
Edge remoteを使う以前は、2ページしか使っていなかった
■ 最大のメリットはボタンを押す回数が減ること
Edge 520Jのボタン操作が手元でできるだけでも便利だが、ページの表示やスクロールの際に、ボタンを押す回数が大幅に減るのが最大のメリットだ。このことは積極的にページ数を増やすことにも貢献し、ロングライド等で複数のページを快適に使いこなせるようになる。走行中でも安全なボタンの操作ができることも大きい。
だが、本体の厚みやマウント方法には、まだまだ改善の余地があると感じている。ロードバイクの場合は、デュアルコントロールレバーのブラケットにスマートに取り付けられれば、格段に使いやすくなるだろう。今後は新しいリモコンにも期待したいところだ。個人的には大当たりのアイテムで、私のEdge 520Jの操作には欠かすことのできない存在になっている。
価格評価→★★★☆☆ (高いと思ったがいい買い物だった)
評 価→★★★★★ (改善の余地はあるが、それを差し引いても高評価)
<オプション>
年 式→ ー
重 量→14g (本体のみの重量。ロードバイクマウントを使うと23.5g、マウンテンバイクマウントでは27g)