購入価格:$19.99 (@ ウェブサイト直販、送料$4.98別途)
比較的型の古いガーミンEdgeでは割とよくあった不具合なのですが、K-Edgeなど社外のマウントで付け外しを繰り返すと裏蓋のマウントタブがもげてしまうという問題がありました。Edgeの初期型は樹脂そのものがちょっと脆かったというのもありますが、特にK-Edgeマウントの初期モデルでは嵌め合わせがきつすぎてタブに負担をかけすぎる結果タブが根本から取れてしまうことがありました。
私のEdge500もその一つで、走行中にマウントから突然取れてすっ飛んでいったのでびっくりしました。
落ちて路面に叩きつけられたときの衝撃はなぜか受け流し、ケースにちょっと傷が入っただけという理不尽さw 中身も液晶も無事だったので瞬間接着剤数種や市販エポキシ樹脂としては最強の部類であるGenusなども使ってタブの接着と再生を試みたのですが、本体に使われている樹脂との相性がどれも悪くて結局直せませんでした。Garmin本社へ送れば有償で直してくれる(ボトムケースごと交換)という話は聞きつけたのですが、悪評高いGarminのサポートデスクとまともに取り合うのは相当骨が折れることが容易に想像できたので、諦めて新品を買いなおし、やがて壊れたままのEdge500は忘却の彼方へ去っていきます。
2台目のEdge500はどうやらケースの樹脂が変更され、K-Edgeマウントもマイナーチェンジ後はスリット形状変更のおかげでより軽い力で付け外しできるようになったのもあって、何の問題も不具合もなく使えるようになっていました。壊れた古いEdge500は捨てずに保管してあったのですが、その存在をすっかり忘れ、たしかbikerumorあたりを覗いていたある日のこと。タブの壊れたEdgeの裏蓋に直接スクリューで取付けてタブを復活させる社外パーツがある、と言うではないですか!!
ようやくここで机の奥にしまったままの壊れたEdge500のことを思い出しました。今やEdge500は安売りで$200切る位値段がこなれているし、GPS機能を省いた200もあるわけで、壊れた500の再生に$100かかるというようなことではちょっとメリットが薄すぎるのですが、どうもこの補修パーツは$30を切っているらしい。興味もあったので早速取り寄せてみることにしました。
補修パーツの名前はDOGEARS。取付けタブの形を犬の耳に見立て割と安直なたネーミングなのですが、その発想はなかなか面白いもの。Edge純正のハンドルバーマウントをそのまま本体に取付けるかのごとく、元のマウント基部にキャップのように被せてタッピングビス2本で固定するというアメリカンで豪快なソリューションです。この補修パーツを取付けるにあたっては元のタブ部分を完全に削り取って蓋にも2箇所穴を開けることになる為、Garminや代理店の保証はおそらく無効になるでしょう。穴から水が浸入することも考えられるので、シリコンコーキングやShoeGOOなどで隙間を埋める簡単な工作が必要になります。まあもともと壊れて使いにくくなったGarminを再生させるわけですから今更少々の加工が加わるからといって躊躇する方もいないとは思いますが、一応失敗と保証無効のリスクだけは認識しておくべきでしょう。
届いたマウントを見ると、まず気がつくのが材質の変更。これはデルリン樹脂の削り出しでしょうか。手に持つと結構重さを感じます(実測7g、タッピングビス込)。タッピングビスを取付けるのは、裏蓋中央にあるスピーカーを挟んで上下2箇所。パーツは予め座ぐりされ穴が開けられているので、そこに合わせて1.5mm程度のガイド穴をピンバイスなどを用いて開けておくとタッピングスクリューの取り付けが楽になります。裏からシリコンコーキングも入れたいので、一度表蓋をはずし基盤とバッテリーを裏蓋から外して加工したほうがよいでしょう。
では作業の具体的な内容に入る前に必要な工具のご紹介から行きます。
左からPH2サイズのプラスドライバー(PH1でも可)、T5トルクスドライバー、ピンバイスとそれに2mmのドリルビット。この他に、防水加工を施すならコーキングやShoeGOOの類が、まだ本体裏蓋にタブの残骸が残っている場合はそれを削り取るヤスリやドレメルなどが必要になります。
パッケージには取説や作業インストラクションなどは一切入っていませんでしたが、携帯電話やノートPCなどがバラせて、Garmin Edgeをご自分で分解したことがある方なら20分もかからず終わらせられるごく簡単な作業です。
まずはEdge本体を分解して中身をゴッソリ取り出します。手元のEdge500や800ではT5というちょっと特殊なサイズのトルクスネジでボディーと液晶カバーが固定されていました。この変なサイズのドライバーは携帯電話やPCなどでも多用されているサイズなので、少し大きなホームセンターや家電量販店の携帯電話アクセサリー売り場などで簡単に手に入ります(穴が浅くなめやすいので、丁寧に扱いましょう)。慎重に本体裏側からネジを緩めれば簡単に分解できますが、裏蓋にはスピーカーのダイアフラム(ピロリっ♪って鳴るアレのことです)が固定されており、基盤とはとても細いリード線で繋がっていますから、裏蓋を外す時勢いよく引張ってこのケーブルを切断してしまわないようゆっくり慎重に開けましょう。モデルによって内部の構造は違うでしょうから写真や具体的な説明は省きますが、一番上から液晶カバー・液晶画面・基盤・バッテリー・スピーカーダイアフラム・本体ボディーの順に重ねられた構造は共通だと思います。作業をする上でダイアフラムとリード線が邪魔なので、ボディーから剥がしてしまうといいでしょう(ただし慎重に!まあ万一断線させてももう一度線の被覆を剥いでハンダで付け直せば復活しますが)。
外した裏蓋にDOGEARSを被せてきちんと嵌るか確認します。どこかがひっかかる場合は削り取りましょう。タブには向きがありますので、ズレたり間違えたりしないように注意しましょう!! 写真のように、ビス穴は本体の真ん中を挟んで上下にきます。
次にビス穴座ぐりの中心に合わせてピンバイスで下穴を開けます。φは1.5mmで十分。
穴が開いたらあとはタッピングビスを通します。下穴を開けておかないとビスが曲がったりずれたりして固定されてしまいますので、ズボラせずちゃんとした準備しましょう。タッピングビスが通ったら、ビスが貫通した穴にシリコン樹脂を盛るなどして防水しておけば完璧でしょう。DOGEARSの取り付けが済んだらEdgeの中身を元に戻します。スピーカーダイアフラムは接着剤で固定されていたはずですが、剥がすときに慎重に剥がしていれば塗り直さずともそのまま戻すだけで固定できるかと思います。防水パッキンも溝から外れて噛み込まないように注意が必要です。くれぐれもリード線やコネクターフィルムを破損しないよう気をつけながら戻し、再びトルクスネジで液晶カバーと本体を固定しなおして下さい。
以上で作業は完了です。
元のタブにゲタを履かせた状態になるので、若干マウントからのスタックハイトが増えますが、治って使えるようになるのですから御の字でしょう。それとDOGEARSがEdgeのスピーカー穴を囲うようにしてマウントに嵌るようになるので、音が多少聞き取りにくくなります。まあこれも副作用といえばそうかもしれません。
全体的に作業の難易度も低く、安価で確実に直せるのでオススメできます。
もし私と同じように壊れたままのEdgeを仕舞い込んでいるのなら、復活させてみてはいかがでしょう。
価格評価→★★★★★ (十分安いと思います)
評 価→★★★★☆ (音が聞き取りにくくなるのだけは改善してほしい)
カタログ重量→ --g(実測重量 7g、ビス2本込)