購入価格 ¥1万円くらい(米語版)
ブルベ用にGARMIN eTrex 10を購入して1年と3か月が過ぎ、その間4本のブルベを走行しました。お蔭様でeTrex 10特有の癖にも慣れ、かなり使いこなせるレベルに到達したと思います。
でもeTrex 10はお勧めしません。やはりeTrex 20あるいは30が圧倒的に良いだろうと思います。そんな自分評価のeTrex 10ですが、いくつか便利な機能に助けられたことがありました。今ではeTrex 10なしで長距離走行はできないレベルまで仲良くなっています。
●実際、eTrex 10の電池は何時間もつの?
ブルベは長時間サイクリングですので、機材の電池のもちといったものが気になります。まずはその評価から。使用した電池はエネループ・プロ(Min.2450mAh)。ニッケル水素電池は低温でも起電力が落ちない(古いものは低温で起電力が落ちるようです)ということと、繰り返し使えるというお徳感(思い込み?)から選びました。
eTrex 10の設定は、バックライトをレベル3(バックライトOFFから3クリック)に、GPS受信はGLONASSを追加、トラック・ログはOFF(GPSのログを取らない)にしました。まず本体を動かさずにテーブルの上に置きっぱなしで電池の寿命をテストしてみました(エネループ・プロは3回使用後に満充電したものを使用。画面に「Low Battery」の表示がでたところで電池の寿命としました)。結果は37時間。公称25時間以上というのを大幅に超えました。これは本体を動かさなかったため、現在位置測定にパワーを使わなかったためと思われます。
そこで、今度は自転車に取り付けて走行した場合の電池寿命をテストしてみました。eTrex 10の設定は前回と同じです。このときは電池の寿命まで走り続けずに帰宅後電源をOFFにするという、少し変則的なテストを行いました。結果は、延べで30時間。この場合も公証値を上回りました。
最近、ブルベで連続27時間ほど走りましたが、走行後のバッテリー表示が減って1本(MAX4本)になっていました。このとこからも電池の寿命に関しては公証値以上が期待できそうです(あたらしいエネループ・プロならBRM400k(制限時間27時間)を電池交換なしでいけそうです)。一連のテストで使用した電池はすべてエネループ・プロでしたが、アルカリ乾電池だと少し結果が違うと思われます。
●eTrex 10のトラック表示は、視界不良で頼りになる
ブルベでeTrex 10を使用する際、MAP表示はルート・ラボなどで作成したトラックとコンビニや補給ポイントを示すウエイポイントのみです。表示グリッドは120mか200m。通常、このトラックを確認しながら走行するわけですが、季節によって濃霧が発生し視界不良になることがあります。特に夜間の山岳での下りスラロームは、時間稼ぎということもあって比較的高速で下ります。ところが濃霧のため視界不良で数十メートル先の道路が見えないことがあります。高速で下るので前方に充分注意するのは当然ですが、霧の先にあるカーブは見えません。そのカーブがeTrex 10のMAPに表示されているのです。前方に注意しつつMAPのトラックをチェックして、カーブの曲がりを確認することで、安全に走行できます。もしeTrex 10がなければ、急なカーブで車線を外れたりといった危険な目に遭うかもしれません。そのため、ゆっくり下ることになりタイムロスをしてしまうことも。雷雨や濃霧の時、このトラック表示に幾度となく助けられました。
●eTrex 10は、目的地の到着時刻を計算してくれる
ブルベでは、チェックポイントの通過時刻が決められています。その時間内に通過しないと失格になります。登坂でゆっくり坂を上るときなど時計を見つつ到着時刻を予測するわけですが、eTrex 10には「ETA at Destination」という目的地の到着時刻を予測してくれる機能があります。現在の走行スピードで〇〇時〇〇分に到着と表示されるのです。これが凄く便利です。トラック作成時にSTART-PC1(1番目のチェックポイント)と区切って作成しておくと、目的地をPC1として到着時刻が表示されます。 ETA at Destinationを見ながら、このペースならマイナス1時間で到着できるとか、このままだと10分しか余裕がないので、少しペースを上げようとかの判断材料にもなります。誤差は、経験上ですが100㎞走行で最大2分程度と充分正確と言える範囲に収まっていると思います。
●eTrex 10は、目的地のまでの距離を表示してくれる
ブルベは長距離を走るサイクリングですが、最終目標のたとえば400㎞先を見ずに、チェックポイントを区切りにすると精神的に走りやすくなります。たとえば次のPCまで95㎞だとすると、丸々400㎞を走ると思うより、とりあえず95㎞を走ると思うことで気持ちが楽になります(私の場合)。 eTrex 10には「Distance to Destination」という目的地までの距離を表示してくれる機能があります。走ることでこの表示距離が減っていきます。PCまであと50㎞になったとか、20㎞を切ったとか、目的地までの残距離が走行のモチベーションをキープしてくれます。特に1㎞を切った時のワクワク感は何とも言えないものがあります(私の場合)。この機能は、走行のモチベーションを維持するのに大変役にたっています。
●eTrex 10の標高表示でピーク越えの近いことを知る
ブルベは、平地走行だけではありません。1000m級の山超えもあります。また細かなアップダウンの連続といった、少々いじわるなルート設定もあります。特に山越えでは、アップダウンを繰り返し、峠越えはまだか?とややモチベーションが下がる状況になることもあります。そんなとき、eTrex 10の標高表示が精神的なストレスを多少なりとも緩和してくれます。「たしかピークは954mだったからあと100mは登りがあるな」とか目標がある程度明確化されるわけです。これも走行のモチベーションをキープすることに役立っています。
なんだかんだと、低機能なeTrex 10ですが、使いこなすことで充分実用になることがわかりました。もちろんeTrex 20や30の方が地図を表示できたりと、より快適ではあると思いますが・・・。
●普段はルート・トレーニング機材として
ブルベだけに特化した使い方ばかりではありません。eTrex 10は、ルート・トレーニングの機材としても優秀です。たとえば、福岡から久留米までのLSDトレーニングでトラック設定し、そのトラックに従って走行。途中で信号の少ないトレーニングに適した道を見つけたらそこをログとして残し、次回のトレーニングに役立てるといった使い方ができます。また、目的地到着後、トラック・マネージャの「Copy Reversed」でスタート―ゴールを逆転させたトラックを作成すると来たルートと同じルートで帰宅することができます。復路は作成しなくてよいので便利です。
●eTrex 10には、必ずストラップを付け、ハンドルに絡める
eTrex 10のマウントに「MAP62/Oregon/eTrex新シリーズ用」を使っています。かなり固く固定できますが、ちょっとした落車でeTrex 10がマウントから外れ、道路を数メートル滑走したことがありました。その経験から、かならずストラップでハンドルに絡めるようにしています。それ以降、落車などで外れてもハンドルにぶら下がってくれて助かっています。
以上、長々失礼いたしました。eTrex 10を買ったのは間違いではなかったのかもと思い始めています(笑)
価格評価→★★☆☆☆ (こんなもんでしょう)
評 価→★★☆☆☆ (評価が1つあがりました)
<オプション>
年 式→2012
カタログ重量→ 148g(実測重量 152g エネループ込み)