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Pioneer サイクルコンピューター SGX−CA600


 
8440  2019-2-26 17:29
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Pioneer サイクルコンピューター SGX−CA600

購入価格 ¥36800(税別)

「Garminキラー」として満を持して発売されたPioneerの新作サイコン。
先代モデルのCA500が2014年3月発売なので、丸5年の月日を経てのモデルチェンジとなる。

大きなウリとしては
1. カラー液晶化
2. ANT+/Bluetooth/WiFiの全てに対応
3. 防塵防水仕様
4. 地図参照およびナビゲーション可能
5. 長時間バッテリー(公称12時間)
といったところで、スペック的には他社製に引けを取らない。

最近流行りのバーチャルトレーナーとの連動ができたりだとか、一緒に走ってるメンバーのパワーデータを複数同時に表示できたりだとか、なかなか興味深い機能も搭載していたりもするのだが、それはあくまでオマケ的要素であり、上記のスペック通りにちゃんと動くのか、という点こそが真価を問われる部分である。

さて、発売日に入手後、日常的な試用で問題ないことを確認した上で、600kmブルベにて実戦投入してみたので、その体験を基に実際の使い勝手を評してみよう。

1. バッテリーの持ち
公称の12時間通り持つと思われる。途中で給電したので厳密な事は言えないが、4時間の使用でバッテリー残量は67%だった。
ちなみにバックライトは輝度最低ながらも常時点灯(夜間視認性は問題なし)、ナビゲーション常時作動、パワーメーター連動でログ保持という使用環境下での話。
発売前にメーカーの方と話す機会があったので使用しながらの給電も可能と聞いていたが、これも問題なく作動し、余剰電力でバッテリーは充電もされた。

2. 地図・GPS・ナビゲーション
本機は価格を抑えるためか、有料地図を使用せずにOpen Street Map(OSM)を使用している。(といっても、パイオニア側で若干カスタマイズしているようだが。)
世界的に販売している機種なので、海外の地図も利用することは可能のようだ。
これもメーカーの方の話なのだが、地図の色使いには非常に気を使ったらしくデフォルトの状態で非常に視認性が良い。特に、ナビゲーションを作動したときのルート表示がキレイでわかりやすい。
ナビゲーション機能は、ルートデータとしてFIT形式もしくはTCX形式を用いるのだが、Ride With GPSで作成したファイルを用いると、いわゆるカーナビだとか、スマホのGoogleマップでのナビのように、右左折すべきポイントをポップアップ表示してくれる。曲がるべきポイントの1kmほど手前になったら一度ポップアップして一旦表示は消え、交差点の直前になったらもう一度表示してくれるという二段構えの親切さ。おまけに、2度目の表示の際には地図の拡大表示までしてくれる。このあたりは、さすがカーナビ先駆者のパイオニアならではのノウハウといったところか。
ただ、若干GPSの精度が怪しい部分があり、交差点の距離が10−20mほどずれることが頻繁にあった。必ず表示距離よりも手前で実際の交差点を通過していたので、そういうものだと認識すれば大丈夫だろう。

3. 非タッチパネル
「あえてタッチパネルはやめました。サイコンにタッチパネル要らないでしょ?」
とはこれまたメーカーの方の言である。
今回のブルベでは12時間ほど雨に降られたのだが、サッと拭えば視認性を回復できることがこんなにもありがたいことかと痛感した次第だ。拭うたびに誤作動して見たくもないページに切り替わるストレスは、先代モデルの最大の不満点だっただけに、よくぞこの英断を下したと拍手を送りたい。
操作は電源ボタンを入れて6つのボタンで行うが、これで概ね不満を感じることはない。唯一、これから走るルートを地図上で追いかけたいときにタッチパネルがほしいなと思ったぐらい。そういう操作を行うのはたいてい停止時なわけで、それならスマホで見れば良いだけの話である。

4. 防水防塵
上記の通り土砂降りの雨を含めて12時間降られたが、全く浸水する様子なし。
ただし、さすがに故障が怖かったので、土砂降りの中での給電はしていない。

5. 安定性
走行時間26時間ほど+宿に泊まってる時間8時間ほど連続使用したがハングアップなし。Garmin Edgeシリーズはキャノンボールには耐えられない、っていうのが定評だが、本機はちゃんと動作し続けてくれた。ログの途切れも当然なし。
誤作動といえば、一度だけ、ナビゲーションの1回目のポップアップが出続けたままになったことがあったが、指定の交差点を曲がったらちゃんと消えてくれたので大きな問題ではないだろう。

ブルベで使用した雑感をざっとまとめてみた。
価格も競合機種に対して決して高くはないし、国内メーカーという安心感もある。

先代はお世辞にもよくできたサイコンとは言えず、ペダリングモニターの使用者以外ではまず選択肢にすら入らないものだったのに対して、今作は他社製パワーメーターを使用している人、もしくはパワーメーターすら使用していない人にも広くオススメできる逸品となっている。

こりゃ、本当に「Garminキラー」と言えるのではないか。
EdgeだけじゃなくてeTrexすらも脅かす存在じゃないかと個人的には感じてる。

価格評価→★★★★★ むしろ安い
評   価→★★★★★ 不満点がほぼ見当たらない
<オプション>
年   式→2019
カタログ重量→92g
 
kansai0908  2019-3-2 20:27
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Pioneer サイクルコンピューター SGX−CA600

購入価格 ¥36800-(税抜き、今売れる商品を値引きして売る店舗はないと思われ)



パイオニア、SGX-CA600。
前作CA500から丸五年、モデルチェンジを果たしたこの商品、概要並びに詳しい商品レビューは8440氏が詳細に行っているし、今更「OSMが~」とか書いても仕方ない。
かといって実戦投入で600km同じように走って、その上で使い勝手の話を書けるか?というと、そんな技量も持ち合わせてない。

なので、何か違う切り口で…と言う事で、重箱の隅をつつく?様な話を挙げさせて頂こうと思う。



箱を開けてCA600の電源を入れると早速QRコードが出てくる。
読み込ませるとパイオニアの専用アプリ「Cyclo Sphere Control」をインストールするところから始まるのだが、CA600自体で設定できることはごくわずか。
全てはこの専用アプリで操作、設定する形となる…のだけど、ちょ~っとばかり「慣れ」が必要なようにも感じた。



家電の世界でもパイオニアは昔からそうなのだけど、「職人気質」と言おうか、やたらと設定が細かい。(今はパイオニアでも部署が違うがAVアンプ、BDプレーヤーなんかは特にそう)
CA500はペダリングモニターセンサーとして非常に優れた機種だったが、CA600でもそれは健在。
設定画面をアプリで開くと、ま~その細かさたるや。
自分の様な初級サイクリストにち~っとばかり毛の生えた様な、あえて言うならサイクリストの思春期の人間には到底理解できない設定項目が並ぶ。

これは良い事でもあるし悪い所でもあるのだが、パイオニアの拘りなのだろうが例えば語句一つとってみても「ロギング」と書いてあって。
ロギングって機械用語じゃん!因みにロギングとは「機械等の記録を残す事」なのだけど、つまりログを残す、でロギング。
ってか「開始」とか「スタート」でいいんだよここは!
まあ、これが無くなるとパイオニアではなくなってしまうのかもしれないし、海外ではロギングと言う方が主流なのかもしれないので、見なかったことにする。



データフィールドの項目と内容は変更可能。
項目は最小3つから最大15まで。ただ、15も項目を作ると細かすぎて何がなんやら、これを使用する人が果たしているのか。
ページ数を最高10ページまで拡張できる(と、言うか始めから10ページある)ので、データフィールドの項目を1~2ページでまとめた方がしっくりくると思う。
ただ、この項目を増やす、もしくは減らす設定なのだが、項目のデータフィールド画面がはっきり言って好みのデザインがない。
サンプルページから選択、もしくは内容自体を入れなおすカスタマイズの二種あるが、できるならデータフィールド画面自体をカスタマイズさせて欲しかった。




さて。
とりあえず比較するためにiGPSPORTの低価格GPSサイコン、例のポンプならぬ「例のサイコン」で静かなブームが訪れつつある…と勝手に触れ回ってる「iGS618」と二台同時に使用してみた。CA600を所有している人はいくらでもいるだろうが、iGS618と同時に使用したのは自分だけだろうて。
(iGS618レビューページ : https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=16405&forum=85)

実際に50km程使用してみての感想なのだが、「画面の視認性ならびにナビの画面は非常に見やすい」。
写真を見てもらえば一目瞭然だろうが、圧倒的にCA600の視認性の良さが素晴らしい。(常時点灯、明るさは一番最小の「1」に設定)
これは液晶の質もあるだろうし画面の色使いもあるだろう。
このあたりは流石にカーナビで慣らしたパイオニアの面目躍如と言うべきか。



設定したコースは緑色で道の色が示されて、もし設定していないコースに入ったりすると即座に「コースアウト」と言う表示と共に、電子音での短い警告音が流れる。
リルートの機能があれば言う事ないが、十分な機能だと思う。
設定したゴール画面に近づくと軽快な電子音と共に画面には「ゴール」の文字。
心憎い配慮だ。

ナビ画面は50m~50kmまで倍率を変える事が可能。
ただ、断言できるが絶対に50kmは使用しない。50kmで使用すると俯瞰すぎて何がなんやら。わしゃ人工衛星か。
実際に使用する倍率は100~200m程度かと思われるのと、ナビのページ数をはじめから二枚用意して100mのページ、200mのページ別々に切り替えた方が楽だと思う。

走行データに関してはスマホ経由並びに家庭内のWiFiでCyclo Sphereに転送、Cyclo SphereのHPよりデータ解析並びにSTRAVA、Twitter等に投稿する事が可能。
が、筆者のWiFiの速度にもよるかもしれないが、Cyclo Sphereの転送はともかく、STRAVAとTwitterの投稿が遅い遅い。
無線という事も関係しているかもしれないが、PC上で投稿ボタンを押してトイレでお花を摘んで戻って来てもまだ投稿されてない。「え、俺何か操作間違えた?」と思ったくらいだ。


で、ここまで書くと「パイオニア、機能的に色々あるかもしれないけれど、今回はそれでもそつのない造りで攻めてきたね」とお思いだろう。

だが!
駄菓子菓子!(誤字)

今回比較したiGS618が優れている点が一つある。
ルートに関しては今回ルートラボから落とし込んだが、二つのサイコンが並んだ画面でも分かるように「ルートラボから落とし込んだルートでもiGP618は主要道路に関しては1km前からピープ音、矢印と共に左右の方向を支持してくれる」と言うところ。これはデカい。
CA600に関しては8440氏が書かれているように「Ride with GPS」にてルートを作成してアプリ経由でダウンロードすると、右左折するポイントになるとポップアップ画面や、画面上にキューシートまで表示できるのだが、ことルートラボからのデータを利用すると、キューシートはおろか方向の指示なんぞしやしない。
なので、そこに関してはiGS618凄い。たとえバグがあって、ノースアップの項のチェックを外しても地図上では変わらなくても、そこだけは今の時点ではCA600に勝っている。

パイオニアのこの機種は日本だけではなく世界で発売するであろう機種、…ってかもう発売してるのか。
世界的にマーケットシェアを考えた場合に「ルートラボ」よりも「Ride With GPS」に対応させた方が得策だろう。それはわかる、良く分かる。
だけど、パイオニアの技術があればルートラボからでもポップアップの一つくらいできるだろうよ。なぜやらないパイオニア。

「いや、Ride With GPS使えよ」と言う話なのかもしれないが、日本ではルートラボが主流を占めている昨今、多くのロングライドイベントやブルベのコース案内でもルートラボが使われている。
ガジェットの機能としての選択肢の広さはそれだけ遊びの幅にもつながる。
ここは是非とも今後のアップデートで対応してほしい所だ。

余談だが、パイオニアとアメリカのメーカーWahooは現在協力体制にあり、このCA600とWahooのWahoo EREMNTは形こそ違えぞ機能的によく似た機種となっている。
パイオニアは「全く違います、私どもの独自設計です」と見解を示すだろうが、世間はそうは見ていない。
「Ride With GPS」に関してはWahoo側の意見が強かったのではないかと思ってしまう。
(WahooEREMNTは何から何まで全てアプリ経由での設定、コースのダウンロード(転送)もアプリ経由だが、CA600はPCと接続するとデバイスとして認識し、前述のRide With GPSやSTRAVA、ルートラボのコースファイルをCA600に保存できる。ここはよくぞ残してくれたと思う)

SGX-CA600はサイコン、ペダリングモニターとしてのブラッシュアップに留まらず、GPSナビとしても他社に引けを取らない機種に仕上がっている事は確か。
ただ、それだけに「かゆい所にもう0.5cm程届かない」仕様が惜しい。
今後のアップデートに期待したいと思う。


価格評価→★★★★☆(←ガーミンの牙城を崩せるか?)
評   価→★★★★☆(←最終的な評価を下すのは時期尚早)

<オプション>
年   式→ 2019
カタログ重量→ 92g
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