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ランス・アームストロングの薬物に関しての映画です。プライム新入荷で評価が高かったので観てみました。
ちなみにランスの著書「ただマイヨ~」も読んだことがあります。
【キャスティング】
主演はベン・フォスターで、この俳優さんは昔からランスに似てると思っていましたが、やはり。
チョイ役でダスティン・ホフマンが出ますが勿体無い使い方でした。
その他の配役にも当人に似ている人でキャリアもある俳優さんが配されていますので、違和感なく
スルスルと観られます。
【大雑把な内容】
ランスが薬物に手を出して、癌になり、復帰して、引退して、また復帰して、ばれて終わる。
UCIも巻き込んだ隠蔽。そんだけ。
【感 想】
正直なんだこれ?って感想でした。
この映画は自転車競技での薬物についての是非を問うものではなく、ほぼ終始ランスを悪者にした映画です。
途中に人間性を持ち上げるシーンはあるのですが、終盤には救えないほどのク(ピー)野郎になっていきます。
ベン・フォスターがどんどん小物になっていき、ランスっぽさが全く無くなるのが残念すぎました。
後半は相当に適当な脚色をされていて、「当人がこんなこと言わないだろうww」っていう台詞が続くので
どんどんリアルなランス像から離れていってしまうんですね。ランス本人はさすがに文句言うべきでは。。
分かりやすくするためだと思いますが、、登場人物や選手は少なめで、コンタはちょっとだけ出るけどパンターニは
出ないし、USポスタルの最強面子も出ませんし、ランスの件で「俺ももうやめるわ」って薬物をゲロって辞めた
多くの選手の話も全くありません。うーん、これでいいのでしょうか。
実際にランスの件が明るみになった当時はセンセーショナルでしたが、結局のところ全員やってた中でランスが目を
付けられたのであって(映画にもそれを示す台詞が結構あります)、蓋を開けてみれば馬鹿馬鹿しい事件であったと
思うのです。
映画で頻繁に出てくる「エポ(EPO、イーピーオー)」は有名な薬物ですが、これは当時多くの選手が使用していた
薬物です。みんなやってる中で自分もやらなきゃ勝てないわけで、勝てなきゃ失職するわけで。
じゃあみんな止めろってことになると、マトモな人間が200kmのステージ中の4000mの山をドラマティックに登れ
るのかという話になります。結局は求める側、観ている側、関わる全ての人間が同罪なわけです。
ドーピングレースの中でとんでもないパフォーマンスを見せつけたランスとUSポスタルのブルートレインは、そも
そも存外な能力を持つ集団であったわけで、身体社会的ともに極めて大きなリスクを負いながら世界の期待に応え
続けたわけで。もう少し尊敬されても良いのでは無いかと思います。
あ、唯一高く評価できるのは、機材の時代考証が完璧だったことです。ITMのステムに泣いた。
価格評価→★★★☆☆
評 価→★☆☆☆☆ もう少し当人寄りにしてください…