購入価格 ¥定価上昇分170円が別冊価格 ?
今年も8月20日発売のサイクルスポーツに別冊付録「2015ツール・ド・フランスのすべて」が付きました。
研ぎ澄まされた肉体を駆使した野性味溢れる果敢な走りがファンを魅了するクリストファ・フルーム、すでにある種の威厳すら感じさせるナイロ・キンタナをクローズアップした表紙が目を惹きます。
Tour de France 2015
ツールの楽しみ方は人それぞれ。
ワタシ的には7月のツールをこの別冊でじっくり振り返りますが、これがすっかり年中行事として定着してしまいました。実に楽しい、全くよくできた70ページです。今年の「ツール・ド・フランスのすべて」の記事はすべてよかった。すっかり定番となったスポーツ・ジャーナリストHugo Coorevits ( photo: Graham Watoson ) による総括が全体を引き締めています。
来年もクリストファ・フルームとナイロ・キンタナは大いに注目したいですね。
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サイクルスポーツがその年のツール・ド・フランスをまとめた別冊付録を初めて発行したのは、グレッグ・レモンが劇的な逆転勝利を飾った1989年だったように記憶しています。当時は1989年の8月号からサイスポでツール担当に異動した山口和幸氏やフォト・ジャーナリスト三宅寛氏らが奮闘して誌面が作られていたものと思われます。サイスポ歴40年(笑)の私の手元には1992年を除いて1991年から今年までの25冊があります。今では付録乱発で、まるで一時のファスト・フード・チェーン、マクドナXXドみたいな付録商法になっちゃってる(?)サイスポですが、ツール総集編が別冊で出現した当時は、こんな立派な付録がついてくるのか!?と単純に思ったものです。
選手個々をクローズアップし、ツールとのかかわり、これからの展望を評論したり、ツールを戦った機材たち、各ステージのコース概要と詳報、テーマ性のあるクローズアップ記事を載せ、エピローグ(編集後記)で締める、という具合に、主だった構成がほとんど不変、というか普遍。これで70ページ前後。このページ数もツール別冊創刊以来、ほとんど一定。
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いろいろなチャネルからさまざまなツール情報が入手できる時代になりました。
八重洲出版も、砂田弓弦氏監修のロードレース専門誌「チクリッシモ」を10年ほど前に創刊するなど、専門化の流れも見られ活況を呈する(ように見える)この業界ですが、サイスポのこの別冊はしかし、今でもしっかり読ませてくれます。
来年もぜひ、ツールの別冊を企画していただきたいと思います。
というかページ数、内容ともにこの塩梅が、イイですね。
なお、ジロ・デ・イタリアの別冊付録は1998年から2005年までが手元にありますが、いつの間にか消滅していたようです。
価格評価→★★★★★(定価上昇分170円を別冊価格とする)
評 価→★★★★★(この付録はやめないでほしい)
年 式→2015
Tour de France 2012・・・ブラッドリー・ウィギンスが勝利
このころから表紙が劇画っぽい風合いに
Tour de France 2006・・・総合勝者がまさかの失格でこの表紙
ヤン・ウルリッヒ、イワン・バッソがドーピング疑惑で出場停止
Tour de France 2001・・・ランス・アームストロングの総合優勝ものちに剥奪
Tour de France 1998・・・マルコ・パンターニがダブル・ツール達成
Tour de France 1995・・・ミゲール・インデュラインが総合5連覇
完璧な勝ちっぷりにあと2勝はできそうだと思ったが・・・
Tour de France 1991・・・ミゲール・インデュラインが総合初優勝
圧巻の個人TTで引き離す戦法でこのあと総合5連覇