CYCLE SPORTS 2013年3月号
購入価格 ¥859
いまさら説明するまでもないかもしれませんが、1970年に創刊され八重洲出版から出版されている、一般書店で手に入る中でもっとも老舗の自転車雑誌です。 今号には付録としてサイクルキャップと三ヶ月分の自転車保険が付いているのでそれだけで元は取れるのですが、個人的なメインはCBNのレビュワーとしても活躍中のbaru氏によるロングライドレポート「俺たちのTOT 1100kmロングライド」です。
これまたいまさら説明するまでもないかもしれませんが、TOTとはPBP(パリ〜ブレスト〜パリ)をリスペクトした東京〜大阪〜東京を一気に走るロングライドイベントです。レビュワーもツイッターで、後日のブログで、何度も追体験させて頂きました。
と、ここでひとつ疑問を抱くかもしれません。
「サイスポ版にどんな意義があるの?」と。
togetterには当日のリアルタイムでのツイートが纏められています。 検索すれば参加者各位のレポートが見つかるので、携帯の電波が入る場所であればいつでもどこでも読むことができます。 先日頒布が開始されたロングライダース3.0には「完全版」とでもいうべき詳細なレポートが載っています。 一方には無料で読めるレポートがあり、一方には詳細なレポートがある。そんな中、有料で、しかもダイジェストともいえるサイスポ版にはどんな意義があるのでしょうか?
ネット上の情報は、既に知っていて興味を持っている人にしか読まれません。 ロングライダースは同人誌なので、さらに届く範囲は狭くなります。 雑誌というメディアには(まだ)興味を持っていない人に情報を届け、興味を持たせる力があります。付録やホイールのインプレッション目当てで買った人がページをめくり、レポートに目を留め、いつの間にか惹き込まれる。雑誌の「雑」の本領がそこにあります。
新刊書店の店頭から消えてもバックナンバーが手に入ります。老舗雑誌故、定期購読している図書館も多いでしょう。新古書店の棚にも並びます。一度商業流通に載った書籍の寿命は驚くほど長いのです。 自転車雑誌に対しては「提灯記事と広告ばかり」「去年の記事の使い回し」といった厳しい意見も多く聞かれますが、メディアとしての伝播力の強さはまだ他の媒体に負けるものではありません。
TOTのレポートとしては他媒体のものに劣る部分があったとしても、サイスポに載ったという事に、サイスポが載せたという事に、非常に大きな意義があるのです。
価格評価→★★★★★(付録込みで非常に安い) 評 価→★★★★☆(サイクルキャップが石油臭いのでマイナス1)
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