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スキージャーナル ロードバイクの科学

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AstorPiazzolla  2008-4-4 22:12
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スキージャーナル 『ロードバイクの科学』

購入価格 ¥1470

 実にすばらしい自転車本の登場である。
楽しく、面白く、痛快で、しかも考えさせる、本当に内容の濃い充実した一冊であり、その出来映えは見事としか言いようがない。自転車バブルの昨今、写真がきれいなだけで内容が薄っぺらなムックが跋扈する中でこの本は、全く異質である。こういう書籍が既存の自転車雑誌系列からではなく、不況の色が濃いスキー業界の真っ只中にいるSKI JOURNAL社から出版されたというのは、実に興味深い。

 内容は、ロードバイクをほぼ中心に据えて、題材としては非常に多岐にわたっており、そのどれもが大変面白い。限られたページ数の中で、様々な実験結果や考え方について、最大限に論理的な記述で語られている。このページ数の書籍で、この内容の濃さというのは、全く出色である。著者と担当編集者の努力は大変なものだったであろう。

 すべての項目が面白いので困ってしまうが、テクニカルな解説をひとつだけ挙げてみる。コーナリング時のブレーキングに関して考察したページが80から83ページにある。常々おかしいと思っていた、『コーナーに入る手前までに減速完了するべし』という世間一般の俗説が一刀両断されるページとなっている。実に興味深く、わかりやすく書かれている。

 そんなテクニカルな筆致ばかりかと思っていたら、ひときわ光るコラムに出くわした。そこでは、ママチャリを改造した動機が語られている。働けなくなると主人に捨てられてしまい動けなくなってしまう黒馬ブランキーのもとに、サンタクロースが降りてきて銀のソリを引けるようになるという、『くろうまブランキー』という絵本を引き合いに出して、2、3年で打ち捨てられるままチャリが哀れでならない、と述べている。私はここに、著者の本質を見る思いがした。

 そして、乗って工夫してこそ自転車は楽しい!という主張が随所に感じられるのも、好感が持てる。何十万円もするような高額な自転車のセールスが好調のようだが、著者は、金さえ出せば何でも手に入る、というような考え方を、何の面白みもなく、退屈で安易でつまらない生き方、として退けているように見える。

 この著者なら、『廉価な自転車だっていいんだよ。さあ、走ろう!』と、家が貧しくてスポーツ自転車を買うことが出来ないような貧乏な中高生にやさしく語りかけてくれそうである。スポーツ自転車を持っていなくても、こんな本を読んで、あれこれと夢を見て、妄想にふける子供がいたとしたら、その子供は貧乏であっても幸せであり、大きな可能性を秘めているのだ。

 自転車好きな大人、自転車オタクな人、自転車に技術的にアプローチしたい人、そして速く走りたいという人はもちろんだが、未来を担う子供たちにこそ読んでもらいたい、そんなすばらしい自転車本である。夢見る子供たちにとってこの本は、何物にも代えがたい宝物になるだろう。そしてオトナになってから、あの時この本に出会ってよかった、と思うに違いない。


価格評価→★★★★★
評   価→★★★★★

年   式→2008



 
AstorPiazzolla  2008-4-4 22:20
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スキージャーナル 『ロードバイクの科学』

購入価格 ¥1470

 憎まれ口はページを改めたいと思ったので、こちらに書く。

 ・・・すばらしい本である。

 自転車専門誌編集に携わる人々(すべてとは言わない。)には、この本を読んでこの際、愕然としていただきたい。

 本来こういった内容こそ、自転車専門誌が提供するべきものだと思うのだが、それがまともになされていない現実から目をそらさないでいただきたい。そしてこれを教科書として読み、真剣に学んで意味を理解していただきたい。『気分で語って気分で流す』風なスノッブで空っぽで意味不明なインプレ記事などをタレ流して恥をかかないためにも、である。
 そして、学んだひとつひとつを実際に試し、試行錯誤し、新たな視点、論点を『自分自身の力』で探り出し、この本を越える新たな本を作り上げていただきたいものである。

 自転車バブルに酔い痴れ、ぬるま湯に浸っているうちに、いつしか自転車雑誌が完全に周回遅れになっていた、という現実に目覚め、もうヘタなことは書けない、ということを自覚するのは、まさに今である。


価格評価→★★★★★
評   価→★★★★★






 
nakanohito  2008-4-11 20:02
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スキージャーナル 『ロードバイクの科学』

購入価格 ¥1400+税

ここでのレビューを拝読させていただき興味を持ち、購入しました。
確かにこれは良書で感心します。

例えば・・・・

「完組のフロントホイールはなぜラジアル組が多いのか?」
これまでは何となく「リアほど力がかからないからこういう形でもいいのだろう」とぼんやり思っていた程度だったのですが、この本を読んではじめて、ラジアル組のスポークにかかる負荷の大きさがよりリアルにイメージできるようになりました。

「ツール・ド・フランスの選手はなぜ1日に7000kcalも食べるのか?」
これも何となく、40-50km/h平均で四時間も五時間も乗車していたらそれは腹も減るだろうな、と漠然と納得してはいたものの、7000kcalの内訳もよくわかるし、7000kcal食べても足りないくらいであることがわかり、新鮮な驚きがあります。

そうした「ああ、そういうことだったのか!」という新鮮な発見に満ち溢れた本です。

この本のもう一つの特徴は、「読み捨て」にならないところでしょうか。数学や物理学に強い方は別かもしれませんが、どちらかというと文系人間の私にとって、一度読んだだけで理解できないところのほうが多いのですが、じっくりゆっくり繰り返し読んでいくと、最初は摩訶不思議に見えていた数式が体にしみこんでいきます。考えてみれば、自転車専門誌はこれらの定量的なデータを定性的な表現に「わかりやすく翻訳」して読者に伝える使命があると思いますが、果たして本書の著者と同程度の解析的バックグラウンドがあるかどうかは不明です。尤も、必ずしも自転車専門誌のライターが数学を理解している必要はないとは思いますが、いかにも数学的裏付けがあるような表現をしていながら、実は「なんとなくそう思う」程度の理解に基づいて記事を書いているのなら、その姿勢は改められければならないのは明白でしょう。

また、この本は数字によって自説を正当化するといった論文調の本でもなく、あくまで「なぜそうなんだろう」といった素朴な疑問に対して真摯に解を与えようとする過程で生まれてきたものであるように見えます。その結果、読んでいて楽しい。書き方も非常に公正(フェア)であり、大部分が「他の人は違うやり方をしていてもいいですが、私はこう考えてセッティングしています」といったトーンなので、「人柱としていろいろやったことのある人の貴重な見解」を読めるという点で説得力もあります。

「最新技術最術のプロチデル」について書かれている某書も1500円くらいするようですが、同じくらいの価格ならこちらのほうがおすすめできます。

個人的にいちばん嬉しいのは、これからはじめてみようと思っているホイール組について詳細な解説があることです。原理がわからなくともたくさん経験を積めば良いホイールを組めるようになるのかもしれませんが、プロと違って一生で10組も20組もホイールを組むことはないであろう愛好者の私たちにとって、こうした原理の解説は非常にありがたいものです。

価格評価→★★★★★
評   価→★★★★★
 
SHINSUKE  2008-6-3 15:27
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スキージャーナル 『ロードバイクの科学』

購入価格 ¥1480

 ここの評価が気になって購入。三軒目の本屋に二冊残ってました。
一言で言って良書。スポンサーのヨイショと広告に終始するどこかの雑誌とは次元が違う。
 我々が感覚的になんとなくそうかなーくらいにしか分かってないことが専門的な知識でかつ我々にも非常に解り易く解説されている。カラーの写真等のハッタリは無いが繰り返し読むことに耐える内容のある本である。

価格評価→★★★★★(定価が4000円であったとしてもも安い)
評   価→★★★★★(8000円ぐらいの内容はある)
 
Sanmarcocramnas  2008-6-22 18:49
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スキージャーナル 『ロードバイクの科学』

購入価格 ¥1470

ここのレヴュウにつられてボクも買って見た。
正直、ちょっと難しくて読み進むスピードも鈍りがちだったけど、本当に面白い本だと思った。というわけでボクもレヴュウに参加したくなったと言うわけです。

すでに書かれているが、こういう自転車の本は見たことが無いような気がする。カラーページがキレイで、毎年更新されるような「ロードバイク本」などとは根本的に違う本だな、という感じでしょうか。

10年位、売れ続けるのではないでしょうか?


価格評価→★★★★★
評   価→★★★★★
 
HALO99  2008-12-7 22:06
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スキージャーナル 『ロードバイクの科学』

購入価格 ¥1,480-

私もやはりここのレビューを見て気になっていたので購入。
何度か書店で見かける度に立ち読みし「でも数式とかよく分かんねえしな...」と思いながら購入を躊躇っていたが、読み終わって「買ってよかった!」と思い直した。

確かに計算式などは少々難解。
バリバリ文系で、高校の時数学・物理で赤点取った当方にはチンプンカンプンな部分も...
しかし何度か読んでいくうちに“なんとなく理解できている感じ”になり、本当に少しづつではあるが分かり始めていると思う。
歯ごたえのある内容なので、時間をかけて噛み砕く楽しみもあると思っている。

価格評価→★★★★★
評  価→★★★★★
 
GlennGould  2009-12-4 21:53
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スキージャーナル 『ロードバイクの科学』

購入価格 ¥1470

あまりの面白さに、手にとって即購入してから、一年半が経ちました。

開くたびに、本当によく出来ているなあ、と感心するこの本、中国、台湾、韓国でも翻訳出版されているそうです。優れた内容は国際的にも通用するというのは、ある種の文学作品とか、理工学の専門書みたいですね。まあ、エンゾ早川氏とか、ほかの方のも色々出てはいますが。

←台湾版 韓国版→ 


この本を読んだ時、あのときの感触を思い出しました。

1976年の春、中学三年のときに買った、故・長岡鉄男氏の「続・オーディオ日曜大工~スピーカーシステムの設計」
これです。

         

320ページの本ですが、なにやら指数関数とか三角関数とかいう言葉と、スピーカシステム形式に対応するいくつかの数式が出てきますが、図が多く、わかりやすい本です。中学生の私はあまり理解もせず、ただ、数式に値を代入して、スピーカユニットに合わせた箱の設計をして、そして妄想に耽っていました。

この本は、いわゆるアマチュア向けの、スピーカシステムの自作分野の草分け的名著なのですが、創意工夫のテンコ盛りで、面白すぎました。パイオニアやフォステクスやJBLのスピーカユニットを手に入れ、電卓を叩いて設計し、板を裁断し、組み立てて仕上げて行く有様を、唯々、妄想して悦に入っている自分がいました。貧乏だったので、せいぜい、1000円くらいのスピーカと、一枚1000円の畳大の12mm厚ラワン合板を買って、のこぎりを引いて作って、ラジカセにつないで、「おおーっ、スゲー」とか言っていただけですが。

そしてこの長岡鉄男氏、安物だろうが高額品だろうが、バイアスなしで評価する。舶来品はスバラシイという文脈が訳もなく正当化されるのがごく普通の風景だった当事のオーディオ論壇では、この人、かなりの変わり者。私にはあの時、氏が、貧乏人の味方に見えました。この長岡鉄男というオッサンは私にとって、燦然と輝く、紛れもないヒーローだったのです。

「おい小僧、安いラジカセだっていいんだぞ」

そんな風に言ってくれるやさしいオッサンに違いない、と妄想は膨らむばかり。

まともなものなど作れなくて、ガラクタしかいじりませんでしたが、本当に楽しかった。今の自分の仕事のルーツがココにあるんじゃないか?と思うほどです(仕事は音響関係じゃないですが)。

あれから32年後、中学三年の時に貪るように読んだあの本と同じニオイを「ロードバイクの科学」に感じたというわけです。

上の方のレビューにもありますが、この本をナメるように読む子供がいたとしたら、その子供が乗っている自転車が安物だろうが何だろうが、また、自転車を持っていなかったとしても、その子供は、かなり幸せな経験をしているのではないか、と思うのです。妄想がどんどん膨らむ、実にすばらしい本です。

「ボクもこのオジサンみたいに色々試してみたいなあ~」


自転車ブームに便乗し、2匹目のドジョウを狙え!とばかりに、次から次へと現れては消えていく数多の自転車本とは根本的に出来が違うこの本。他ならぬこの本の2匹目を狙うだけの素養と気力のある自転車人は、いないのでしょうか。


価格評価→★★★★★
評   価→★★★★★

年   式→2008
 
kazane  2010-8-8 0:24
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スキージャーナル 『ロードバイクの科学』

購入価格 ¥1470

あまりにも高評価なレビューばかりなので私も買ってみました。


パーツの評価やテクニックを語る本はいくらでもあるが、そんなもの何冊買っても無駄だ。なぜそうなるのかというリクツがあまり書かれてないからだ。

この本にはそれがある。

どんな趣味でも“答え”よりも“ヒント”や“考え方”を教えてもらって自分で研究する方が楽しいし、より深く理解できる。
これが本当の趣味の形であり、趣味の本ではなかろうか。

素晴らしい本である。


価格評価→★★★★★(このページ数でこの内容の濃さ。文句無し!!)
評   価→★★★★★★★★★★・・・(素晴らし過ぎるため無限大)
 
ryuyuhkg  2012-5-24 0:02
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スキージャーナル 『ロードバイクの科学』

購入価格 ¥1400

すでに多くの人が高い評価をしているので、真新しいことを追加できるわけでもないが、著者と編集者に敬意を表すため、レビューを追加したい。

ロードバイクに乗っている人間のほとんどは、速くなるためにはどうしたらよいだろう、と考えていると思う。巷にあふれる書籍・雑誌のほとんどは、感覚的な書きぶりに終始するか、もしくは単なる広告(カーボンバイクは軽くていい、だの)の域を出ないかのどちらかであり、我々のこの問いに正しく答えてはくれない(唯一、「自転車探検」のHPが、中立的な立場で、また数値を使ったヒントを我々に与えてくれる存在だが)。
本書の特筆すべき点は、数字と理論(物理の原則)ですべてを語っているところ。また、すごいところは理論を実証で裏付けているところ。
最初の方の空気抵抗のところで早速感動した。列車で走ると単独走と比較してどのくらい動力節約できるのだろう、というのを具体的に数字で実証した本がこれまでにあっただろうか。ハンドルポジションによる動力節約、ホイルの空気抵抗の話、これらすべて数字で示されており、非常に説得力が強い。
エネルギーマネジメントでも、上りで頑張ることが大事、とかシッティングの方が速い、ということは感覚的には分かっていても、本書のようにこれを実証したものをこれまでに見たことがない。
そして最後のホイル組み。組み方そのものの記述もさることながら、スポーク張力の考え方など、実際に私が自分で組むときにも非常に参考になった。
いくら書いても書き足りないが、とにもかくにも、他の自転車本とは格が違いすぎる。永久保存。

価格評価→★★★★★
評   価→★★★★★(本当はもっとつけたい)

 
akka  2012-12-18 12:55
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スキージャーナル 『ロードバイクの科学』

購入価格 ¥1400

私も皆さんの高評価で釣られたクチ。釣られて良かった。
私も空気抵抗のところで目からウロコ。30km/hから40km/hに加速するのに約倍のパワーが必要だなんて。納得。大変なわけだ。
(G3相当のセラミックベアリングにクライトックスだろうが、CULTだろうが最高速度にあまり影響しないわけだ。逆に低速域であれば体感できる)

自転車乗ってるとお腹が空くのもよーくわかりました。

考えてみれば、自転車ってローテクなようで実は洗練されたハイテクだし、サイクリングって物理法則に生身で挑戦していく極めて科学的なスポーツなのですね。



価格評価→★★★★★(名著です)
評  価→★★★★★(すばらしい)
💓 スキージャーナル ロードバイクの科学 を購入する : Amazon, Rakuten

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