購入価格: ¥718 (税込) ※AZ 楽天市場店で購入
標準価格: ¥718 (税込)
『チェーンオイルとしては、驚きを感じるほどの性能ではないが、特に弱点もなく優秀。コスパは相当高い』
■ 家事のために購入後、自転車に使用
私は自転車のメンテナンスにAZのケミカルを良く使う。特にチェーンオイルの性能は素晴らしく、超極圧・水置換スプレー、ロードレースSPやBANKは、ベースオイルのエステルや極圧剤、各種潤滑剤のおかげで、とても快適な走行を味わうことができた。
さて、今回投稿する極圧・水置換スプレーは、ずっと気になっていたオイルスプレーだが使う機会がなかった。私がこれを購入する前に超極圧・水置換スプレーがリリースされ、AZの他のチェーンオイルも併用して使っていたからだ。私が極圧・水置換スプレーを購入したのは主に家事に使うためだが、自転車のメンテナンスにも使うことにした。今回はチェーンオイルとしての使い勝手を中心に投稿したい。
AZ KM-001 極圧・水置換スプレー 420ml
■ エステル配合の極圧性・水置換性に優れた汎用オイルスプレー
極圧・水置換スプレーは、オイルにエステルを配合し、極圧剤・水置換剤を配合したオイルスプレーだ。①極圧潤滑性(長期間潤滑を持続)、②防錆性、③水置換性、④洗浄効果、⑤浸透性が特徴の多目的・多用途の汎用スプレーだが、自転車のチェーンの潤滑にも使うことができる。容量は420mlの他、70mlスプレー、液状の1Lと4Lもラインナップされている。
商品説明を見る限りでは、同社の超極圧・水置換スプレーと特長や用途はほぼ同じで下位互換といった印象だが、価格は超極圧・水置換スプレーの半分程度。この価格差が性能にどう影響するのかが気になるところだ。
尚、超極圧・水置換スプレーの極圧性能はFLEX試験で20020Nだが、極圧・水置換スプレーは8450Nとなっている。また、極圧・水置換スプレーには、防錆剤・油性剤が配合されているのが、超極圧・水置換スプレーと異なる点だ。
同じようなオイルスプレーに超極圧・水置換スプレーがあるが、極圧・水置換スプレーの倍の価格だ (左)
極圧・水置換スプレーのスプレー缶には、テクニカルデータが記載されている (右)
■ 特に弱点のないチェーンオイル。際立つのは動きの軽さ
【ピンポイントに注油可能】
極圧・水置換スプレーには、折りたたみ式のステンレス製ノズルが採用されている。スプレーのボタンを軽く半押しすれば、わずかな量を噴射することが可能。ステンレス製ノズルと相まって、可動部にピンポイントに注油することができ、非常に作業しやすい。
ピンポイントに注油可能な折りたたみ式ステンレスノズル
【ベタつきが少なく、オイルのヌルヌル感が希薄】
注油した極圧・水置換スプレーは水のようにサラサラして素早くチェーンに浸透し、溶剤が揮発するとベタつきが少なく乾いたような感じになる。溶剤が揮発する前後の両方で、オイルのヌルヌル感が少ないのが印象的。注油後に充分時間を置いてから布でチェーンを拭っても、布にはあまりオイルが付着しない。超極圧・水置換スプレーの方が触感にオイルっぽさが残る。この違いは性能に現れるような気がした。
注油直後はサラサラだが、溶剤が希薄すると水っぽさがなくなる。油膜は薄め
【注油後は少しニオイを感じる】
商品説明には低臭性とあるが、注油直後はニオイを感じる。ニオイの原因が溶剤なのか極圧剤なのかは分からないが、超極圧・水置換スプレーではあまり感じなかったものだ。注油するときは一応換気した方が良いかもしれない。尚、同社のBANKのように、走行中にニオイが強くなることはない。
超極圧・水置換スプレーには行ってない成分がニオイの原因?
【非常に軽い動き】
漕ぎ出した瞬間にチェーンの動きの軽さが分かる。私が経験したチェーンオイルの中ではかなり軽い動きで、超極圧・水置換スプレーとほぼ同等。粘度の高いチェーンオイルから極圧・水置換スプレーに変えれば、ギア1枚分と表現したくなるほどの軽さを味わえるだろう。
【静粛性・潤滑性も悪くない】
動きが滑らかでチェーンノイズも小さいが、ロードレースSPや超極圧・水置換スプレー、BANKのように、驚くほどチェーンがスルスル動いたり、無音に近かったりするわけではない。注油直後の乾いた感じがそのまま性能に反映されているような印象。これは配合されるエステルの量に関係しているのかもしれない。それでも、エステル配合のおかげか、潤滑性・静粛性はチェーンオイルの中では高いレベルにあり、十分満足できるレベルにはなっている。強く踏み込んでも特に問題はない。
静粛性・潤滑性はAZのこれらのオイルにやや劣る印象
【注油直後の性能が持続】
約250km走ったが、持続性・耐久性に問題はなさそう。チェーンノイズが大きくなってシャリシャリしたりするようなこともなく、注油直後の性能が極端に劣化することもなかった。これなら300km以上持つのではないだろうか。注油後の溶剤が揮発した状態では、早々に油膜が切れそうな印象を受けたが、問題なくてひと安心だ。
【汚れがつきにくい】
ベタつきが少ないおかげで、川の土手を走っても砂埃をほとんど寄せ付けず、チェーンをきれいな状態に保つことができた。ただ、他のチェーンオイル同様、金属粉と思われる黒いジャリジャリしたものは出てくる。チェーンを布やペーパータオルで拭き取ってこのオイルを継ぎ足せば、チェーンのきれいな状態を保ち、動きの快適さを持続できる。
走行後のチェーン。接写で撮ったので汚く見えるが、実際にはそれほどでもない
【チェーンの汚れ落としにもなる】
極圧・水置換スプレーは、浸透性が高いのでチェーンの汚れ落としとしても使用可能だ。布やペーパータオルでチェーンの汚れを拭き取り、チェーンに多めにスプレーすれば、内部の汚れが滲み出てくる。ただし、パーツクリーナーのように汚れを吹き飛ばせるほどの勢いはなく、チェーンクリーナーほどきれいになるわけではない。早い段階でこまめに注油するなら、このオイルでチェーンをきれいに保てるだろう。
黒い汚れがチェーンから滲み出てくる
【チェーンを錆から守る】
極圧・水置換スプレーは、洗車後のチェーンの注油に便利だ。湿気がある状態で注油すれば、このオイルの水置換性が錆からチェーンを守ってくれる。しかも、極圧・水置換スプレーはは防錆剤入りだ。雨天走行は試していないが、水がかかった状態でも潤滑・防錆は期待できそうだ。
GIANT SUITTO2の洗車直後に注油
■ 自転車の様々な用途に使える高い汎用性
極圧・水置換スプレーは、チェーン以外の自転車の様々な用途に使えるので便利だ。パーツの可動部の潤滑、金属パーツの防錆、取れないペダルのネジを緩める作業など、何かと使う機会は多い。
ただ、GIANT SUITTO2のサドルレールの錆落としに使った感じでは、錆には専用のクリーナーを使った方が良さそう。金属表面に浮き出た薄い錆ならこれでも取れるが、根の深い錆にはこれでは不十分だ。気になる点はこれくらいで、他は特に問題を感じなかった。
もちろん、自転車以外の用途でも使える。門扉の蝶番に注油したら、滑るように軽い動きになった。ドアノブも軽く周り、鍵はスムーズに刺さる。持続性の高さはCURE 5-56よりも高いと感じた。
ディレイラーの可動部への注油 (左)
SPDべダルの防錆。洗車後や雨天走行後は赤丸の部分に錆が出ることがある(中央)
ペダルを取り外すために注油 (右)
■ 特に弱点がなく、コスパに優れたオイル
AZ 極圧・水置換スプレーは、チェーンオイルとしても自転車のメンテナンスに用いる汎用スプレーとしても、これといった弱点のない良いオイルだと思う。だが、動きの軽さ以外はこれといった驚きがないことも同時に感じたことだ。走行して楽しいのは、同社の同社の超極圧・水置換スプレー、ロードレースSP、BANKの方だ。
ただ、持続性・耐久性を考えると、極圧・水置換スプレーは相当良いオイルだと思う。早々にシャリシャリ音が出たりするとチェーンオイルとしてはハズレだと感じるが、このオイルスプレーは普通に良いと感じられる性能が長持ちし、走行中の煩わしさを感じさせない。加えてコストパフォーマンスの高さ。AZの他のオイルを先に使わなければ、私は極圧・水置換スプレーに大満足していただろう。個人的には上位の超極圧・水置換スプレーの方がおすすめだが、極圧・水置換スプレーも決して悪くはないと思う。
価格評価→★★★★★ (コストパフォーマンスの高さは圧倒的)
評 価→★★★★☆ (普通に良いオイルだが、同社の他のオイルに比べると評価は下がる)
<オプション>
年 式→ ー
容 量→420ml