KURE チェーンルブ セミウェット
購入価格: ¥1,575 (税込)
標準価格: ¥1,575 (税込)
『セミウエットだがドライのような汚れにくさ。浸透力、潤滑性、静粛性、耐久性等のバランスの良さが絶妙な高性能オイル』
■KURE 556で有名な呉工業の自転車専用チェーンオイル
KURE チェーンルブ セミウェットは、KURE 556で有名な呉工業の自転車専用チェーンオイルだ。低フリクションを重視したチェーンルブ ドライというオイルもあるが、セミウェットは耐久性・耐摩耗性も重視した仕様だ。パーツの可動部にも使用可能で、水置換製が湿気を除去して錆を防ぐ。
KUREの小冊子の説明を見る限りでは、WAKO’Sのチェーンルブやメンテルーブと特徴が似ているような感じだ。ずっとWAKO’Sで満足していたが、同じものを使っていると他のものを試したくなってくる。チェーンオイルが切れたのをきっかけに買ってみた。
KURE チェーンルブ セミウェット
■噴射の微調整が可能な付属のノズル
KURE チェーンルブ セミウェットはエアゾール式でノズルが付属する。チェーンルブ ドライはチェーンへの使用に特化しているためなのか、ボトルタイプの容器だ。ノズルはWAKO’Sのように折りたたみ式ではなく、フタに収納されたノズルを外し缶に差し込んで使用する。私は折りたたみ式だと思い込み、誤ってノズルを曲げてしまった。
早速、洗車後にチェーンや可動部に注油してみたが、このスプレーは開封直後はやや圧が高いようだ。ドバッと多めに吹いてしまい、注油した箇所からオイルが跳ねて飛び散ってしまった。当然、噴射ボタンを押す加減に慣れていなかったということもある。
1台目の自転車への注油が終わると圧が安定してきた。微調整が効くようになり、チェーンや可動部にピンポイントで注油しやすくなった。尚、微調整のしやすさはWAKO’Sと同様だが、WAKO’Sが液状で出てくるのに対し、KUREは霧状で出てくるという違いがある。
※右はイメージ映像
■WAKO’Sのオイルよりも粘度が低い
WAKO’Sのオイルがある程度粘度が高い状態でノズルから出てくるのに対し、KUREはサラサラの粘度が低い状態で出てくる。粘度が低いおかげで、可動部の隙間に素早く浸透してくれる。セミウェットというにはあまりにサラサラなので、WAKO’SのオイルとFinish Line Ceramic Wet Lubeと粘度を比較してみた。
【塗布直後の粘度】
塗布直後でもWAKO’S メンテルーブとチェーンルブは粘度が高く、トレイを傾けるとゆっくり流れる。チェーンルブの方がやや粘度が低い。FINISH LINEとKUREは同じくらい粘度が低くビシャっとしていて、トレイを傾けるとサーッと流れてしまう。
KUREは塗布直後の粘度が低い。
【塗布後10分以上放置後の粘度】
塗布後10分くらいたつと、FINISH LINE以外は成分が揮発して粘度が増す。最も粘度が高いのがメンテルーブで、指で触ると抵抗感があってヌルヌルする。チェーンルブはメンテルーブよりもやや粘度が低いが、フッ素樹脂のせいか、ちょっとザラザラしている。
KUREは更に粘度が低いがヌルヌル感もあり、塗布後はちゃんと粘度が高くなっていることが確認できた。FINISH LINEはあまり揮発せず、数時間経っても粘度が低いままで、トレイの上をゆっくりと流れるような感じだった。
成分が揮発するとWAKO’SとKUREはトレイを傾けてもオイルが流れない。
KUREの方が粘度が低いが、グリスとオイルの中間のような感触はWAKO’Sに通じるものがある。
■粘度の低さが効いた軽い動き
実際に使ってみると、粘度の低さが効いていて軽く漕ぐことができる。WAKO'Sよりも軽い動きだが、音や滑らかさではWAKO'Sの方がわずかに勝る印象。だが、シャリシャリするような感じは全くなく、WAKO'S同様快適なチェーンの動きだ。パーツの可動部に使用すると、ブレーキやディレイラーの動きも軽くなる。WAKO’Sのメンテルーブよりも軽いと思う。
■十分高い耐久性
耐久性を売りにするだけあって、簡単にはオイルが切れにくいと感じた。200kmくらい走行してもちゃんと潤滑している。ブレーキやディレイラーの可動部の潤滑も維持できていた。私は大体1,2ヵ月くらいで洗車・注油を行うので、これ以上の耐久性は分からないが、このくらいの期間なら十分ではないだろうか。尚、雨天走行での耐久性は未検証。
これ以上長い距離なら粘度の高いWAKO’Sの方が耐久性が上のような気がする。
■川沿いを走っても汚れにくい
私がこのオイルで最も気に入っている点は汚れにくいことだ。WAKO’Sのチェーンルブも汚れにくい方だが、川の土手を走った後はチェーンに砂埃が付着することが多い。一方、KUREはあまり砂埃が付着しておらずきれいなまま。まるでドライオイルのような感じだ。
パーツの可動部に汚れを寄せ付けないのも良い点だ。WAKO’Sのメンテルーブでは粘度が高く、特に自転車の下部にあるフロントディレイラーやSPDペダルに汚れが付着しやすかった。特にクロスバイクのトップスイングのフロントディレイラーは付着したホコリが拭き取りにくいので、最初から汚れを寄せ付けにくいこのオイルはとても気に入った。
また、オイルは飛散しにくく、ズボンの裾やチェーンステーが汚れない。
約200km走行後のチェーンとスプロケット。走行後はペーパータオルで軽くチェーンを拭く。
拭き取りにくいプレート内側にあまり砂埃が入り込んでいないのが良い。
フロントディレイラーとSPDペダル。
■バランスの良さを高いレベルで実現したオイル
KURE チェーンルブ セミウェットは、セミウェット(ハーフウェット)でありながら粘度を低めに設定することで、浸透力の高さ、動作の軽さ、汚れにくさを実現していると感じた。それでいて、耐久性や飛散しにくくするだけの粘度は確保している。自転車に求められる性能のバランスを高いレベルで実現した高性能なオイルだと思う。
このオイルは臭いがちょっときついが、それ以外の欠点は特に見当たらない。WAKO’Sのチェーンルブよりも汚れにくく、メンテルーブのように可動部にも使えるので、私はこちらの方が好みだ。他のオイルも試すかもしれないが、これからはこのオイルをメインに使っていこうと思う。
ひとことで言えば、WAKO’Sのオイルを汚れにくくしたような印象。
よりチェーンやパーツの可動部をきれいな状態に保ちたい人にオススメ。
価格評価→★★★★☆ (安くはないが満足感が高い)
評 価→★★★★★ (性能、耐久性、汚れにくさのバランスが絶妙。パーツの可動部にも使えるのでメンテに大活躍)
<オプション>
内容量→200ml