$59.95 @ enduroforkseals.com (送料$12別途)
Shimano HollowtecII互換のBBではまず不可避な、BBカップのスプラインに入る傷。
出回っている専用工具には板レンチタイプのものとソケットタイプの2種類がありますが、どちらも一長一短といった感じです。板レンチタイプは比較的安価で、トルクもかけやすく作業性は上々。ただ工具自体も薄いためにBBカップへの力の加わり方が歪で、スプラインを舐めてしまうほどではないけれども、2回・3回目と脱着を繰り返せばほぼ確実にカップに傷を残します。一方のソケットタイプ、例えばPark Tools BBT-19等はトルクレンチが使え、スプラインに当たる部分ツメも面取りしてあるなどダメージ軽減のための配慮が伺えます。しかしこれは嵌め合わせが板レンチよりも緩くて滑りやすいため、脱着作業時は若干緊張を強いられます。
どちらも原因は浅く薄いカップのスプラインと工具の嵌合。当のShimanoはBB使い切りの消耗品と割り切っているのか、何度もレンチやソケットを使って脱着することを想定していないようです。そのためかトップグレードのD/Aでもそれほど高価でない価格設定になっていますが、社外の互換BBを使うとなると話は別。Miyaさんにお譲りしたRotor S.A.B.Bも何度かの脱着で付いた傷が確認できますが、何とか傷が入りにくく使い勝手も良い工具はないかと探し回って、たどり着いたのがこれ。
Real World Cyclingというアメリカのショップ(以下RWC。調べても良くわかりませんでしたが、ENDUROの直営店?)が製造しているのですが、アルミ合金からCNC切削(!)されています。3/8インチドライブが切ってあるのでトルクレンチが使える上、差込口がカップ中心ではなくカップの外側にオフセットしてあるので、締め込む時に工具を片手で押さえ込まなくとも勢いでスプラインから外れる不安無く規定トルクまで締められます。
ツメの深さも十分で綺麗にエッジが出ているため、BBT-19のようにズレる不安は皆無、ガタは全く感じられません。50Nm位まで締め上げても、板レンチのように数本のツメに力が集中している感じもなくきちんと面でスプラインを押さえているのが伝わってきます。アルミ製なのでBBカップへの攻撃性も比較的低く、表面にハードアノダイズ加工がしてあるので工具自体の耐久性もそこそこにありそうです(鉄には劣ってしまうでしょうが)。
BB本体を買ってもお釣りが来るような価格設定なのが玉に瑕なのですが、どうしてもBBカップに入る傷が許せない!という方にお勧めします。
販売元RWCの対応も非常に好印象でした。年明け発送になってもしょうがないやと思いつつクリスマス直前に発注したのですが、即日発送してくれて送料の設定も非常に良心的でした。
価格評価→★★★☆☆(決して安くはない)
評 価→★★★★★(性能・使い勝手ともに最高)
実測重量78g