購入価格 ¥2,296
Amazonでの販売名は「CoolChang 自転車 サドルバッグ シートバッグ 大容量 防水 3Dシェル 反射材付き 取り付け簡単 サイクリング 自転車バッグ ブラック」
このところ、Amazonでいろいろ売られている中華サドルバッグのうちのひとつです。アタッチメント式で、ワンタッチの装着・取り外しが可能。布製ではなく、セミハードタイプの素材が採用されたうえ、チャックも防水チャックが使われているようなので防水性も期待できる…はず(紹介ビデオでは、シャワーで水をかけて「防水!」とアピールしていました)。
特筆すべきは、普段使いできるサイズ感でありながら、かなりの大容量を実現している点。商品紹介によると、容量は1.6L。私が普段愛用しているリクセン&カウルのマイクロシェルが容量1Lですから、実にその1.6倍です。荷物を入れてみると、確かに思い切り入ります。PEKOさんの輪行袋、フレームとスプロケ保護用のカバー、肩紐、ホイール固定用のゴム、クリートカバー(リクセンのマイクロシェルだとこの辺が限界)、さらにモバイルバッテリー、VOLT800の予備バッテリー、チェーン錠、イヤホン、充電ケーブル一式まで収納できてしまいました。これまでバックポケットに入れていた小物類まで、全部サドルバッグに突っ込んでおけるのは、非常にありがたいですね。輪行ツーリングが、さらに身軽になります。
「COOLCHANGE」というブランド名は正直どうなんだとか、整流効果はおそらく無いであろう無駄なエアロ形状っぽい処理とか、ツッコミどころは多々ありますが、ロゴが主張しすぎていることもなく、普通に悪くは無いデザインだと感じています。さらに、バッグ自体の品質感は全然イイ感じで、これが2,296円というのは破格にもほどがあるというものです。いやはや、中華恐るべし。
…なんですが、実際に使うといろんなネガティブが頻出してきて、ちょっと継続使用は難しいかも、という結論に達しました。理由は以下。
1)太腿の後ろが、ペダリングのたびにバッグ本体に思い切り接触する。
これは単純に、サドル付近の横幅が広いからです。もちろん全体としてはスリムに仕上がっているのですが、サドル側もリア側も横幅がそのまんま。普通のサドルバッグはサドル側の横幅を絞ってあるのですが、本品はその辺まったく一切全然ケアされていません。そりゃ太腿が当たりますわな。
かなり後ろに下げた位置にも取り付けてみたのですが、やっぱり当たります。私の鍛えていない太腿でこれですから、鍛えてる人だと耐えきれないレベルかもしれません。
2)アタッチメントの作りが貧弱。
気になるのは、アタッチメントをサドルレールに挟む部分。サドルレールを挟む部分が、ボルトの締め付けに負けて歪んでしまいます。リクセン&カウルのアタッチメントと比べると、明らかに肉厚やアタッチメントの素材自体の剛性が不足している印象。ボルトを締めるたびに、ぐにゃっとした手応えが伝わってくるので、しっかりボルトを締め付けられているかも不安だし、耐久性とか大丈夫なんでしょうか?
3)バッグが垂れ下がって左右に振れる。
バッグとアタッチメントの固定部分は、前後1カ所ずつの2点だけ。バッグの重量がそこに集中するので、重さで変形してだらーんと垂れ下がってしまいます。さらに固定部分が直線上に配置されているので、せっかくアタッチメントで固定されているのに思い切り左右に振れます。この振れ方、ベルト式以下かも。
この2カ所に、バッグの内容物の重み、走行時の振動とバッグの振れまで受け止めさせるとなると、じきにその付近から破れはじめていく…と考えるのが妥当でしょう。
ちなみに、リクセン&カウルのマイクロシェルはバッグとアタッチメントの固定部分は4カ所あって、前後左右に固定部分を分散させています。アタッチメントの剛性の高さもあってか、左右にぶんぶん振れることはありません。
4)シートポスト固定ベルトが余る。
シートポスト固定ベルトが、長すぎて余ります。ベルトの裏面にはベルクロが露出しているので、レーパンが接触し続けてケバケバになっちゃう危険性大です。「切っちゃえばいい」という考え方もありますが、ここは何とかして欲しかったところですね。
というわけで、突然のアタッチメント破断とか、使用中にバッグ破けるとか、使ってたらレーパンケバケバ(アソスだったら発狂してしまいます)とか、使い続けるにはリスク不安が大きすぎです。全体的に、まだまだ設計の詰めが大甘な印象が否めません。リクセン&カウルやトピークの製品が、どれだけ考えられて製品化されているかを思い知らされました。バッグ部分の品質感や、デザインの方向性は全然悪くないだけに非常に勿体ない。残念!
価格評価→★★★★★(激安)
評 価→★★★☆☆(残念!)